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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第1章
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CB 6


 石鹸で皮膚がすり減るほど顔を洗い、カウンターに戻ると二人の女が大笑いしている。


「アンタ、大変だったねえ」


「トラちゃんがたまたま通りかかって、ホント良かったねえ」


 健太は曖昧に顔を歪ませ、


「ビール、頂戴」


 と絞り出す様に呟く。



 出された瓶ビールをコップに注ぎ、ママのコップにも注ぎながら、


「ママって、トラ君のお姉さんかな?」


 二人の女は顔を見合わせ、プッと吹き出す。


「そんなこと言ったって安くならないからねー」


「そーそー。トラちゃんは、ママの大事な大事な、息子。ですから!」



 思わず健太はコップを落としそうになる。


「そう、なのか?」


 と隣のトラにふると、


「まーな」



 小さくない衝撃を健太は受ける。いや、どう見ても母親って、あり得ない… 



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