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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第2章
129/440

ゼロトップ 5


 一美もスクッと立ち上がり、保護者に向かって、


「私はサッカーの事は何も知りません。ですが、永野コーチを支え、お子さん達にサッカーを通じて人生のかけがえのないものを掴んでもらいたいです! この学校の、この部活でしか手にできないものを! どうか皆さん、お願いします!」



 叫ぶ様に言い放った後、頭を下げた。何度も、何度も頭を下げた。


 そして程なくその想いは会議室の全員に伝わった。



「コーチ、お願いしますよ。もういうこと聞かなかったら、引っ叩いてやってください!」


「ウチのも全然いうこと聞かないんで。蹴っ飛ばしてやってくださいよ」


「先生、どうかよろしくね。」


「あのー、何か手伝いとかしましょうか、球拾いくらいなら僕にも出来そうなんですが…」



 健太は一人一人の保護者の前に行き、手を握り頭を下げる。


 顧問の一美もそれに倣い、一人一人の保護者に深く頭を下げる。頭を下げるたびに、心に熱い物が込み上げてくる。ああ、又味わえる、あの熱く燃えたぎるような情熱の日々が!



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