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ゼロトップ 5
一美もスクッと立ち上がり、保護者に向かって、
「私はサッカーの事は何も知りません。ですが、永野コーチを支え、お子さん達にサッカーを通じて人生のかけがえのないものを掴んでもらいたいです! この学校の、この部活でしか手にできないものを! どうか皆さん、お願いします!」
叫ぶ様に言い放った後、頭を下げた。何度も、何度も頭を下げた。
そして程なくその想いは会議室の全員に伝わった。
「コーチ、お願いしますよ。もういうこと聞かなかったら、引っ叩いてやってください!」
「ウチのも全然いうこと聞かないんで。蹴っ飛ばしてやってくださいよ」
「先生、どうかよろしくね。」
「あのー、何か手伝いとかしましょうか、球拾いくらいなら僕にも出来そうなんですが…」
健太は一人一人の保護者の前に行き、手を握り頭を下げる。
顧問の一美もそれに倣い、一人一人の保護者に深く頭を下げる。頭を下げるたびに、心に熱い物が込み上げてくる。ああ、又味わえる、あの熱く燃えたぎるような情熱の日々が!




