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復活の艦隊 太平洋戦記  作者: 柊遊馬


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第90話、特破隊の攻撃


 その護送船団は、SF43と呼ばれた。


 マットソン・ライン船団。輸送船『ヒュー・L・スコット』『ラーライン』『ハワイアン・プランター』『ハワイアン・マーシャント』ら計7隻。


 これにポートランド級重巡洋艦『インディアナポリス』とコルベット2隻が護衛についている。


 その積み荷は、アメリカ陸軍第32歩兵師団。

 師団丸ごと一つの船団で運んでいるのが特徴のSF43船団は、4月30日にサンフランシスコを出港し、日本軍を警戒しつつ南寄りのルートを活用、オークランドを経由して、オーストラリア、アデレートを目指していた。


 米豪遮断作戦を進める日本海軍――特破隊が、これら大規模増援を乗せた輸送船団を見逃すはずがなかった。


 神明 龍造大佐率いる特破第一戦闘群は、転移連絡網の中継ブイへ転移することで、トンガタプ近海から、ニュージーランド方面に出て、SF43船団を攻撃距離に収めた。



●特破第一戦闘群:指揮官:神明 龍造大佐


 旗艦:戦艦:「土佐」

    空母:「翔竜」 (九八式艦偵×15 一式艦戦×12)

      :「瑞鷹」 (九八式艦偵×29)

      :「白鷹」 (九八式艦偵×28)

      :「白鳳」 (九八式艦偵×42)

    重巡:「戸隠」「八海」

    軽巡:「黒瀬」「玖珠」「水無瀬」

    駆逐:「東雲」「狭霧」「霜凪」「凪」「紅霞」「夕霞」「白月」

      :「赤雪」「春雪」

    潜駆:「氷雨」「白雨」


 南太平洋方面展開 潜水戦隊

     :「呂724」「呂725」「呂726」「呂727」「呂729」

     :「呂730」「呂731」「呂732」

     :「呂733」「呂735」「呂736」「呂738」「呂739」

     :「呂740」



「第二次攻撃隊、発艦せよ」


 旗艦『土佐』から通信を受けた空母『白鷹』『白鳳』から、攻撃隊が飛び立つ。九八式艦上偵察戦闘攻撃機27機が、上空直掩のない船団へ向かう。


 トンガタブ島の『ヨークタウン』を撃沈した第一次攻撃隊は補給中であるが、仮に第二次攻撃隊が、船団を撃ち漏らした場合、トドメとして出撃する段取りであった。

 もっとも、1、2隻が残る程度なら、潜水艦で介錯するだけであるが。


「まあ、やってくれるでしょう」


 先任参謀の諏訪 将治少佐は言った。


「同数だった第一次攻撃隊は、ヨークタウンほか巡洋艦を2隻沈めましたから。装甲のない輸送船には、充分でしょう」

「オーストラリアから戦闘機が……来ないか」

「航続距離から、爆撃機や水上機が飛んでくるかもしれませんが、それらに九八式を阻止するのは不可能です」


 神明は頷く。目下のところ、警戒しつつも結果を待つしかない。その間、彼は思考を巡らす。


 トンガタプで、『ヨークタウン』ほかを沈めたが、米軍などはあの島に増援なり救援を寄越すだろう。


 燃料基地や港湾施設の増強が行われているようで、さらに飛行場もおそらく作るに違いない。今できている施設を破壊すると共に、それらを作る資材を輸送してくる敵船舶を阻止する必要がある。


 ――潜水艦を数隻、包囲網を作って見張らせるか。


 さらに遠距離から哨戒機を飛ばせる哨戒装甲空母なども使いたいところだが、連合艦隊に『飛鶴』を持っていかれ、特破隊には『大鶴』しか残っていない。


 現在、回収した『アクイタニア』『クイーン・エリザベス』を再生させつつあるが、それが使えるようになるにはまだ先である。陸上機を飛ばすだけなら、オーダシティ改装の『龍飛』という手もあるが……。


 などと考え、ふと『大鶴』で思い出す。


「そういえば、今か」

「? なんです?」


 諏訪が尋ねた。独り言だということもできたが、神明は答えた。


「インド洋遠征艦隊のことだ。今頃、『大鶴』と特爆隊が、南アフリカのイギリス拠点を攻撃しているのを思い出した」



  ・  ・  ・



 オーストラリアの西、インド洋。さらに西インド洋にあるマダガスカル島を、特破の遠征艦隊が拠点として活用している。


 英東洋艦隊を撃滅し、イギリスの戦力の漸減、さらに北アフリカ戦線や地中海にも多大な影響を与えようとしている特破隊だが、指揮官の佐々山 久雄少将は、マダガスカル島の安全を図るべく、次の行動に出ていた。


 それは、英軍の南アフリカ沿岸拠点の空爆作戦である。具体的には、ダーバン、ポートエリザベス、サイモンズタウンの攻撃である。


 これらイギリスがインド洋に乗り出す船団の補給拠点のある港だが、海軍施設であったり、対潜機や哨戒機を飛ばす飛行場もある。


 ドイツのUボートなどに目を光らせていたが、日本海軍――特破が大西洋に乗り出す上で、哨戒の目は邪魔者以外の何ものでもない。さらに飛行場に本格的な戦闘機や爆撃隊が派遣されても面倒である。


「モンバサに逃げ込んだイギリス艦隊の残党が、地中海方面に逃げるか、マダガスカルへの攻撃を仕掛けてくるかはわからんが、まずは喜望峰周りを荒らしておく」


 佐々山は、参謀たちに告げた。


「で、『大鶴』機動部隊にそれをやらせるとして、北にも動く必要がある」


 イギリスは、アフリカ北部、さらにスエズを押さえている。マダガスカル島を勢力下に置くことで、南からのインド洋進出は阻めるが、地中海経由でインド洋に入ったり、またはこの閉鎖されつつあるインド洋から脱出することができる。


「モンバサですか?」


 阿畑参謀長が尋ねる。


「そこも叩くが、もっと北だ。紅海を睨むことができる場所、アデンの攻略だ」

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― 新着の感想 ―
転移連絡網の中継ブイを設置することで、時間と燃料の節約になり行動範囲が大幅に広がるのは特破隊ならではの戦法ですね!
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