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王妃教育の謎から始まる溺愛 ~ 王子と婚約破棄?大歓迎です!  作者: 柚屋志宇
第2章 婚約者の溺愛

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18話 ルシアン王子の来襲

「ブランシュ様は上手くルシアン殿下の協力を仰げたかしら」


 学院のカフェで、ユベール様とともにお茶を飲みながら、私は少し気になっていたことを何となく口にしました。


 ガイヤール辺境伯令嬢ブランシュ様は私の恩人ですから、ガイヤール辺境伯が立場を悪くしていらっしゃることは気がかりです。

 ガイヤール辺境伯の悪評が払拭されて、ブランシュ様が健やかな日々を過ごせるようお祈りしております。


「フェリシア嬢は寛大ですね」


 ユベール様は苦笑なさいました。


「ブランシュ嬢はセリーヌ嬢と一緒になって、フェリシア嬢の陰口を言っていたお方だというのに」


「それは私に都合が良かったので感謝しているのです。だってその陰口というのは、私が不出来だから、ルシアン殿下にふさわしくないという陰口でしょう?」

「そうです」

「私はルシアン殿下と婚約破棄をしたかったので好都合でした。むしろ陰口を煽るために、私は全教科0点を取ろうとしていたのですもの」

「おいたわしい……」


「ブランシュ様やセリーヌ様が私の陰口を広めてくださったおかげで、私は婚約破棄できたのです。感謝しております」

「婚約破棄はルシアン殿下が言い出したから成功したのであって、彼女たちの陰口は関係なかったと思います」

「関係ありましてよ。陰口のおかげで、ルシアン殿下は私と婚約破棄したいという気持ちが高まったのですもの」

「それはまあ……そうかもしれませんが……」


 そうして私たちがおしゃべりをしていると……。


「フェリシア!」


 険しいお顔をしたルシアン殿下がいらっしゃいました。

 険しいお顔をしたセリーヌ様と、曇ったお顔のブランシュ様もご一緒です。


「貴様は母上の悪口を言いふらしているだろう! 不敬だぞ!」


 ルシアン殿下は怒気を露わにして私にそう言いました。


「王妃様が私の案を流用したという事実のことですか?」


 私はルシアン殿下に話題の確認をしました。


「まだ言うか!」


 ルシアン殿下の反応からして、王妃様が私が提出した課題を流用していた件で間違いないようです。


「……」


 ルシアン殿下の後ろでセリーヌ様と一緒に控えているブランシュ様を、私がチラリと見やると。

 ブランシュ様はばつが悪そうにして、私から目を逸らしました。


(ブランシュ様は、ルシアン殿下の協力が得られなかったのね)


 私は内心で憤慨しました。

 ブランシュ様にではなく、ルシアン殿下にです。


 ブランシュ様は、ルシアン殿下と仲睦まじいセリーヌ様のお友達です。

 今、行動をともにしている様子からも、ルシアン殿下はブランシュ様とも交流があると見て間違いないでしょう。

 いわばお友達です。


 それなのに。

 お友達が困っているというのに。

 お友達を助けずに、あの王妃様の失態を隠すことを優先するなんて。

 なんて薄情な人でしょう。


(こんな薄情な人と婚約破棄できて本当に良かったわ)


 私は婚約破棄できた自分の幸運を喜ぶとともに、ブランシュ様を哀れに思いました。

 だから言ってやりました。


「ルシアン殿下、王妃様の失態のせいでブランシュ様のお家ガイヤール辺境伯家が窮地に立たされていらっしゃるのですよ。それなのにルシアン殿下はブランシュ様をお助けしようと思わないのですか?」


「はあ? 何の話だ」


「フリアデル王国の特使様をもてなす晩餐会で、王妃様が不用意な発言をしたせいで、ガイヤール辺境伯があらぬ疑いをかけられているのです」


 私はルシアン殿下を見据えて言いました。


「すべて王妃様のせいです」

「ガイヤール辺境伯の悪評は、ガイヤール辺境伯の日頃の行いによるものだろう」


 ルシアン殿下が堂々とそう言うと、その後ろでブランシュ様が悲しそうなお顔をなさいました。


(ブランシュ様、おいたわしい……)


 恩人の悲しみに、私はいてもたってもいられなくなりました。


(私が言うしかないわね)


 話を理解する頭のないルシアン殿下に、話を解らせるには。

 やはり、子供にも解るような言葉を使うしかないでしょう。


「ルシアン殿下はぁ、そーんなことも解らないんですかぁ?」


「……っ?!」


 私の洗練された子供言葉に、ルシアン殿下は面食らったように目を見開きました。


「王妃様は晩餐会で押し売りをしたんですよぉ! ガイヤール産ブルーベリーをフリアデル王国に押し売りしたんですぅ!」


「な、なんだ……?」


 ルシアン殿下は、私に怯えるように一歩後退りました。

 なので私は、一歩前に踏み出しました。

 そして言いました。


「ルシアン殿下はその場にいらっしゃったんですよねぇ? 王妃様はとーっても恥ずかしいことをしたのに解らなかったんですかぁ?」


「フェリシア、貴様……」


 ルシアン殿下は表情を強張らせて、私に言い放ちました。


「悪魔憑きだったのか!」

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― 新着の感想 ―
馬鹿だから馬鹿にされてることもわからないし何言ってるのかもわからない
…わかってたけど、『バカかしら?』しか言葉が出てこないよね、この王太子。
敢えて言うなら王家憑き、王家の呪い…
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