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王妃教育の謎から始まる溺愛 ~ 王子と婚約破棄?大歓迎です!  作者: 柚屋志宇
第2章 婚約者の溺愛

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19話 問題発言

「悪魔憑きじゃありません……」


 ルシアン殿下の頭の悪さに、私はげんなりとしてしまいました。

 私は子供言葉をやめると、元の口調で言い返しました。


「ルシアン殿下に解るように説明をしただけです」


「フェリシアはあんなしゃべり方はしない。まったく別人だ……」


 ルシアン殿下は化け物でも見たような表情で私にそう言いました。

 そして、はっと気付いたような顔をしました。


「解ったぞ!」


 ビシッと私を指差して、ルシアン殿下は言いました。


「フェリシアが急に試験の成績が良くなったのは、悪魔と契約したからか! フェリシアは悪魔の力で試験を受けたのだな! 謎は全て解けた!」


「……」


 ルシアン殿下が……、あまりにお馬鹿で……。

 私は少し気が遠くなりました……。


「ルシアン殿下、私は悪魔の力など借りていません。試験は私の実力です」

「そんなわけがあるか!」

「実力を偽っていらっしゃるのはルシアン殿下でしょう」

「母上のみならず、私にまで言いがかりをつけるのか!」


「では、ルシアン殿下、質問いたしますが、ラルベル公爵領の復興案を考えたのはルシアン殿下ということになっていますが、本当にルシアン殿下がお考えになったのですか?」

「それは……」


 ルシアン殿下は目を泳がせました。


「ルシアン殿下がお考えになった案だとおっしゃるのであれば、ラルベル公爵領への援助の、財源をお教えいただけますか?」


 私がそう質問すると、ルシアン殿下は間抜け顔で首を傾げました。


「財源? 何だそれは?」


「困っている人に援助をするなんて、誰でも思いつくことです。問題は、その援助をするためのお金をどこから出すかですわ」


「ラルベル公爵領への援助なら、国費でやったに決まっているだろう」

「国費は無限に湧いてくるものではありません。ラルベル公爵領へ援助をしたなら、その分、他に使われる予定の国費を削らなければなりませんよね?」

「そうなのか?」


「これは単純な、足し算、引き算の問題です」

「足し算、引き算ならできるぞ」


「ラルベル公爵領への援助金を、国費から引いたら、残りの国費が少なくなりますよね? 足りない分をどうしますか?」

「足りない分は、国費から出せば良いだろう」

「……」


 足し算、引き算が、ぜんぜんできていません。

 いいえ、これは、やはり国費というものを、無限に湧いてくる自然の何かだと思っているのでしょう。


(この人、駄目だわ……)


 ルシアン殿下と婚約破棄が出来て本当に良かったです。

 このお方とお付き合いしていたら、頭痛で起き上がれなくなりそうですもの。


 こんなルシアン殿下が我が国の王太子で、未来の国王です。

 貴族たちが団結して、早くルシアン殿下を廃太子できたら良いのですが……。


(セリーヌ様は、こんなルシアン殿下に本当に恋していらっしゃるの?)


 私はチラリと、ルシアン殿下の後ろに控えているセリーヌ様を見やりました。

 セリーヌ様は、先程までは私を険のある目で睨んでいましたが、今は、微妙な戸惑いを浮かべてルシアン殿下を見ています。


「ルシアン殿下、ラルベル公爵領の援助金の出所を王妃様にお尋ねになってみたらいかが? 王妃様ならご存知でしょう」


「……っ!」


 ルシアン王子は解りやすく顔色を変えました。


 ラルベル公爵領を国費で援助するという案は、私の課題のレポートを読んだ王妃様が、ルシアン殿下に入れ知恵したことですものね。

 少なくともルシアン殿下には、王妃様に入れ知恵された自覚があるでしょう。


 ルシアン殿下は私に言い返せずに、くやしそうな顔をして黙りました。

 そして意を決したようにして、私に言い放ちました。


「……フェリシア、必ず悪魔祓いしてやるからな!」


 ルシアン殿下はくるりと私に背を向けると、セリーヌ様とブランシュ様に「行くぞ」と声を掛けて去って行きました。



 ◆



「ルシアン殿下が国王に即位なさったら、どうなることか……」


 ルシアン殿下たちがいなくなり、静かになると、私はユベール様に愚痴をこぼしました。


「あのお方が即位なさったら、我が国の未来は真っ暗だわ」

「そうですね。誰か有能な者が、あれを傀儡として操ってくれれば何とかなるでしょうが。あれはいささか無駄な動きが多すぎますね」

「ですよね……」


 ルシアン殿下との頭の悪い会話にぐったりしてしまっていた私は、つい、言ってしまいました。


「誰か他のお方が、王太子になってくれれば嬉しいのですが……」

「それがフェリシア嬢の望みであるなら、私が叶えましょう」

「え? ユベール様が?」

「はい。フェリシア嬢のために王太子を交代しましょう」

「まあ、素敵!」


 ユベール様のその言葉を、私は冗談だと思い相槌を打ちました。

 ですが……。


「フェリシア嬢、賛成してくれますか?」

「はい、もちろんです」

「ではフェリシア嬢が王太子妃ですよ?」

「……え?」


 ユベール様は良い笑顔で言いました。


「私が王太子になるのですから」

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― 新着の感想 ―
ルシアンの知能は、小学生低学年レベル? こんなのが王になったら、国が終わるなww
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