第35話 ダンジョンL-26層・記憶の中で⑤
……
俺は、目を覚ました。
長い夢をうたた寝の中で見たような、不思議な感覚だった。
辺りを見渡すと、コニーが横に居た。
ヨースは、マイとノボに引き続き寄り添っている。
「目を覚ましたようね。」
コニーは俺が目を覚ましたことを確認すると、話しかけた。
「私の見て来たもの、私がしてきたことは、約束通り伝えたわ。」
コニーは続ける。
「これ以上説明を加える気は無いわ。後は好きに解釈しなさい。」
その言葉は、それでも優しかった。
俺は心の中で思い返す。
コニーの補助を受けながら、自らの実力を過信した2人。
昼夜を問わずに歩みを進めた疲労も認めず、無茶をした2人。
その2人と、重なる自分。
そしてコニーの行動を振り返る。
補助魔法に徹して、決してその飛び抜けた力では敵を倒そうとしない理由。
決して残業をしない理由。
そして自らに問いかける。
自分に驕りは無かったのか?
無茶な戦いをしてこなかったのか?
自分の戦いに、仲間を巻き込んでしまったのではないか?
「王国調査隊」という「環境」に自分は何を見ていた?
真に変わるべきは「環境」ではなく、「自分自身」ではないのか?
俺はただひたすらに、自問自答を続けた。
「……それで、あなたはどうするつもりかしら?」
コニーは、まるで俺自身が抱いている問いを投げかけるように、言った。
俺は、既に答えを出していた。
「俺は……、決着を付ける。自分の戦いに。自分の力で……。」
そう言うと俺は、すっと立ち上がった――




