第33話 ダンジョンL-26層・記憶の中で③
……
シーンが移る。
ここはどこだ?
俺は建物の中の広間に意識を漂わせていた。
やはりさっきのダバン王国のような、宮廷めいた荘厳な雰囲気を漂わせている。
その中に武装した面々が集まっていた。
その数、十余名か。
コニーの姿も見える。
暫くすると、集められた面々の前に、一人の男が姿を現した。
「皆の者、よく集まった。」
これは、トクリマ国王だ!
……すると、ここは……。
「王国調査隊の面々よ、今日ここに、そのミッションとして、地下ダンジョンの調査を命ずる。」
「……いよいよですね!」
王国調査隊のメンバーが活気付く。
「調査隊は、3名一組のパーティに編隊し、それぞれ役割を分配されたダンジョンの調査をしてもらう。」
国王は続ける。
「いつも通り、攻略よりも調査・スピードを重視する。それぞれのダンジョンの深さは分からぬ。ただ、全てを調査する必要は無い。その危険度を把握できたら戻ってくるのだ。」
「……ははっ!」――
……
シーンが移る。
そして、ここからはまるで早送りするように移り変わる。
コニーは、王国調査隊の剣士風の男女2人とパーティを組んでいた。
後に、難易度によるランク付けの下に、名前が付けられることになる地下ダンジョン。
そのダンジョンの数々を、パーティ3人は物凄いスピードで駆け抜けるように調査を続けていった。
それこそ、昼夜を問わず。今のコニーからでは想像がつかない。
コニーは徹底していた。
補助魔法で2人をサポートすることに。
ただ、その表情は退屈なゲームを暇つぶしにしているように見えた。
唇を噛みながら。
次々と移り変わる風景の中には、見覚えのあるダンジョンもあった。
今、俺達が挑んでいるダンジョンⅬだ。
「やっぱりダンジョンⅬも、コニー達が調査をしていたのか……」
俺は唸った――
そしてあるダンジョンで、その早送りされたような映像が、正常な時の刻みに戻る。
「このダンジョンは一筋縄ではいかないな。」
男剣士が呟く。
「ええ、間違いなくこのダンジョンは今までで一番難しいわ。コニーもそう思うでしょう?」
女剣士がコニーに顔を向ける。
「そうね。ランクとしては最難度かもしれないわね。」
コニーも同意をするが、顔は退屈そうだ。
「なあ、フロアマスターの討伐もしておいた方が良いんじゃないか?」
「それは国王の命に反するわ。」
男剣士の提案を、女剣士が即座に否定する。が、男剣士は続けた。
「国王の本心は、ダンジョンの完全攻略だろう? 俺達が調査すると言っても、その先にはダンジョン攻略が見えてのことだ。ただ、俺達以外に、このダンジョンを攻略できる者達が果たしてこの国にいるのか?」
「……」
「俺達なら、出来る!」
女剣士は返す言葉が無い様子だ。
しかし、コニーはピクリと反応した。
「あなた達でこのダンジョンを攻略できると思っているのかしら?」
「ああ、できる。いや、俺達しか出来ない。」
「……あまり思い上がらない方がいいわ。」
コニーはポツリとこぼした――




