第29話 ダンジョンL-26層・終わりの始まり①
俺達は地下ダンジョンⅬ-26層の途中で、傷の手当てをしていた。
3色合体スライムとの戦いの傷がうずく。
この先を進むかどうかでひと悶着もあった。
「ケイ、やっぱり引き返した方が良いんじゃないの?」
「オレ、そろそろ、地上の飯、食いたい。」
「でも、引き返したら往復数日掛かるだろ。その間に折角倒したⅬ-26層のこれまでのモンスターも復活しちまうぞ。ヨースだって、もう少しⅬ-26層のモンスター見て見たいだろ?」
「モンスターは気になるけどねー。でも、皆の傷も気になるしー。」
俺は思案していた。幸い、俺達に致命傷は少ない。暫く治癒を続ければ、十分に俺達は戦えるだろう。
ただ、引き返したい気持ちも理解はできる。
俺は何を焦っているんだ?
いや、それは愚問だ。
26層を攻略本無しでクリアして、それをネタに王国調査隊に売り込むんだ!
「取り敢えず、少し休んだらまた進もう。本当にヤバかったら、退こう。いいな。」
俺の真剣な表情に、皆はこくりと頷いた、ただ一人、コニーだけが、直立したまま、皆を眺めるばかりだった――
2時間程の休憩をはさみ、俺達は再度進み始めた。
暫く進むと、ジャイアントビーの群れが俺達を襲って来た。
「……エアスプラッシュ・レベル5……」
マイの召喚する水しぶきがジャイアントビーに降りかかる。その羽を濡らし、明らかにジャイアントビーの動きが鈍る。
――ブンッ!
ノボが、巨大なハンマーと盾を振り回す。何匹かヒットして、朽ち果てる。
「ヒュゥッ!」
俺も気合一番、剣をなぎ払いや撃ち下ろし等し、残りのジャイアントビーを仕留めた。
「何とかなりそうだな。」
「うん。動けるね。」
マイも快調そうだ。
幸いにも、ここまでの道中に薬草が野生していて、それを使えたのも復調の要因だろう。
「オレ、腹減った……。」
「Ⅼ-26層も結構進んだねー。フロアマスターはまだかなー。」
ノボもヨースもいつもの調子だ。俺達に問題は無い。
「いつもの感じだと、フロアマスターもそろそろじゃないか?」
歩みを進めながら、俺がそうぼやいた時、ダンジョンの奥に広がりが見えた――




