第23話 ダンジョンL-26層・始まり①
俺達は、ダンジョンⅬ-25層で夕食を取っていた。先程、Ⅼ-25層のフロアマスターを倒したところだ。
ダンジョン攻略は順調だった。
いや、順調すぎた。
まだ浅い層だから難度は高くないとしても、ダンジョンAを攻略しただけの実績しかない俺達だ。一か月程でここまで攻略できるとは思っていなかった。
このパーティならイケるかもしれない。
俺は、一つの考えを頭に巡らせていた。
『Ⅼ-26層まで挑戦するー?!』
マイとヨースは、俺の打診に対して、声を重ねるように素っ頓狂な声を上げた。
ノボも、シャインモールの肉を口に入れてモゴモゴさせている。
「ああ、ここまではかなり順調だ。俺達ならⅬ-26層も攻略できるんじゃないか?」
「でも、今回持ってきている攻略本は、Ⅼ-25層まででもう終わりだよー!」
そう、皆が驚いている理由は、持ってきている攻略本がⅬ-25層で終わりだからだ。
ヨースの言う通り、攻略本を持っている範囲で一度ダンジョンから地上に戻る、これがセオリーだろう。
しかし俺達は、既に当初想定を上回るスピードでダンジョン攻略を進めていた。
「そこだよ、ヨース。俺達はⅬ-26層以降の攻略本を持っていない。ただ、その未知なる層をクリアすれば、実績評価が上がる。Ⅼ-26層までを一か月ほどで攻略したことと合わせて、俺達は王国調査達にスカウトされるかもしれないぜ? いや、俺はこのパーティがスカウトされるようにしてみせる!」
「王国調査隊」という言葉に、皆、ごくりと息を飲む。
理由はどうであれ、皆、王国調査隊への想いは持っている。
俺はシンプルに、王国調査隊という精鋭が集まる集団で活躍したいという憧れから。
だが、他の3人は違う。
「王国雇用」という箔が付くと、トクリマ王国国外での活躍にも展望が開ける。
マイは異国のエルフとの交流に、ノボは異国の珍味に、ヨースは異国のモンスターに、それぞれ強い関心を持っている。
「……コニーはどう思う?」
マイが、答えをすがるようにコニーに振る。
「無謀ね。やめておいた方がいいわ。」
そして、一旦思案するようにして、加えた。
「ただ、業務命令なら従うわ。ただし、危なくなったら私は逃げる。これはハケン契約の通りよ。あなた達も、無理と思ったら早々に諦めることね。」
俺はコニーのこの発言を助け船と見た。ここしかない!
「さすが、さすが、ポニー様! ポニー様もそう仰っているように、ここは一つ、無理せず危なければ引き返すということで、やってやろうぜ!」
俺は、皆を丸め込むように切り出した。
マイも、ノボも、ヨースも、暫く考えるようにうつむいていたが、これ以上の異論は出なかった――




