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第13話 ダンジョンL-17層⑨

「……マイー!! ケイーッ!! ……」

 ……悲痛な叫び声が聞こえると、俺は意識を取り戻した。


 ゆっくりと目を開けると、ヨースが心配そうな顔で覗き込んでくる。


「ケイーッ! 大丈夫―?!」

 ヨースの心配を受けながら、ゆっくりと身体を起こすと、

「……俺は大丈夫、マイは?」

 マイの方に顔を向けた。


「ん……。」

 マイも目を覚ましたようだ。

 ぼんやりする頭をもたげて、俺はこの不思議な経験を記憶の中で反芻していた。


 ……不思議な経験……


 フロアマスターと対峙したあの時、幻想の中とは違い、マイはウィンドカッターを実際には出さなかった。


 あの時、実際には、俺は一か八かでノボの向き合うキングウルフに奇襲をかけ、背後から剣を突き刺した。運よくそこにコアがあって、キングウルフは手下のマッドウルフ達ともども崩れていった。

 戦闘を振り返った際、マイは憔悴しきった顔で、謝罪を繰り返していた。

 その時はブランクがあって仕方が無かったと皆で整理したが、マイが精神的な重荷を抱えていたとは知らなかった。


 それでも、マイの幻想の中では、マイはウィンドカッターを放った。コニーの言葉に、自分の殻を突き破るように。


 今一度マイを見ると、身体を起こしたマイは自分の両手を胸元で広げて、何かを確かめるように押し黙っていた。


「……彼女は、幻想の中でようやく自分に向き合えただけよ……。」


 コニーが何か言ったような気がした。

 コニーの方に目を向けると、

「ひとつ貸しができたわね、返せないでしょうけど。」

 今度は俺の耳にはっきり聞こえるように、コニーは呟いた。


 俺は口の中に染み出た安堵感を飲み込んだ。

 それとは対照的に、頭の中では、仲間を理解していなかった自分の無力感、そして思念体の俺がマイに何もしてやれなかった敗北感に、打ちひしがれていた。


 俺はまだ、弱い――

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