第96話「本物」の経験値上げwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「ハアハアハアハア…まったく…wwwwwwwwwwwwwwww死ぬかと思ったぞツインテール…wwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が病んだぐったりとした表情で天使を見ながら言うんだけど、天使は無表情で事態を把握してなさそうな顔をしていた。
沙織の目のあたりには無数の黒い縦線が走り、相当焦っていたのが伝わってくる。
天使のスタンガンによりとどめを刺された戦闘型ロボットはその場で完全に崩れ去り僕達の経験値になったんだけど、僕と沙織と若菜ちゃんはめっちゃ電撃でしびれてぶっ倒れたまま起き上がるのに少し時間がかかった。
それから何とか全員で戦車に戻ったんだけど、感電するって本当に一瞬「死んだ!」と思うくらいにショックが大きいんですね…
「そ…そうだよ…びっくりしたよ…凄くしびれたからリア充の罠かと思ったよ…」
若菜ちゃんの目にも無数の黒い縦線が走り、この世の終わりのような顔をして天使を見ていた。
「戦闘型ロボットメデューサは電撃系の魔法ジオが弱点。そろそろ復活しそうだったからスタンガンを突っ込んだ」
天使は無表情でポツリとそう言った。
なるほどねー。天使的にあそこは最大のピンチだったんだろうね。
そろそろ行動不能になっていた戦闘型ロボットが、息を吹き返して僕達を殺すために動き出す直前だったんだろうな。
だから電撃系の魔法ではないけど、スタンガンで戦闘型ロボットに高圧電流を直撃させてとどめをさしたんだね。
恐らく戦闘型ロボットは電撃系の攻撃を受けると、それが小さなダメージでも行動不能になるのだろう。
確かに銃が効かないしレベル差も激しいのであれば、戦闘型ロボットの上で暴れていた僕達はほぼ間違いなく死んでたよ。
そして天使はボーッとした様子で僕を見つめ始めた。
それは教室で僕を見ていた時の目と同じだった。
相変わらず何を考えているのかわからないんだけど、前より天使の気持ちが僕にも分かるようになってきた。
そう、天使は僕に訴えたいことがあるんだけど、それをどう表現して良いのかわからないのだ。
「差身君は大丈夫?」
天使は感情がこもらない小さな声で言うんだけど、それはとても優しいものだった。
自分の感情を表現するのが苦手な天使の精一杯。
天使は自分が放った電撃を受けてぶっ倒れた僕を心から心配しているのだ。
そして僕をできるかぎりいたわろうとしている。
その天使の純粋で温かい心を感じ、僕は思わず微笑んでしまっていた。
「天使、大丈夫だよ。天使も怪我はなかった?」
僕は天使が傷つかないようになるべく優しく言うと、天使は僕を見たまま少し顔を紅潮させた。
「私は平気。差身君が大丈夫で良かった」
そして天使は僕の腕を掴み、僕に寄りそうにようにくっついてきた。
「差身君、好き…結婚したい…」
目を閉じながら気持ち良さそうにまどろむ天使。
しかしそれを見た死にかけていたはずの「本物」2人の目に黒い影がかかり凶悪な光を放った!
「何やってんるんだ!!!!ツインテール!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身の初めてを奪おうとしても駄目だ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしかも戦車の中で!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwどんな戦車道プレイを妄想してやがるんだ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
狭い戦車内で僕から天使を引き離すように僕の首に抱きついて奪い取ろうとするんだけど、広さが広さなので天使は僕にくっついたままマイペースにまどろんでいた。
「のわあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!のわああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!複数人でするセックスの話をするなあああああああああああああああああああああああああっ!!!!人間以外のセックスの話をするなああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
一瞬ビクンッとして何かを思い出したような若菜ちゃんが、目に涙を浮かべながら僕達に向かってミニミの銃口をガタガタ震えながら突きつけてきた!
あー、これはこの間の戦争の時に看護服の沙織と僕の沙織に「本物」のセックスについて色々話をされて発狂した時のことを思い出したんだろうな…
どう見ても完全にトラウマになってるよ…
思い返せばあの一生知りたくもなかったセックスの話を聞いてから、若菜ちゃんも本格的に「本物」になっちゃったんだよな…
とりあえずさ!狭い車内なんだからミニミの銃口を下ろそうよ!
ちょっと何かあったからって!すぐ人を殺そうとするのはやめてくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!
「ああああwwwwwwwwwwwwwwwwwww若菜ちゃんごめんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうセックスの話はしませんから銃をおろして下さいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwヤギの話とかしませんからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織はすまなそうに病んだ笑みを浮かべながら若菜ちゃんに謝ったんだけど、「ヤギ」という単語を聞いた途端に若菜ちゃんは真っ白になり首をガグンっ!と横に傾けおかしな声で笑い始めた。
「あははははははははははははははははははははjはjはjはjはjはあじゃあじゃじゃjqを;whくぃおpqwhgqうぃgqwふぃqwvqwぎqwgqwgふぃwgひqwgqうぃおqwgqwgひw:gq!!!!!!!」
めっちゃ目を見開いてはいるんだけど、どこを見ているのかわからない、完全に「本物」の目となった若菜ちゃんはしばらく随分甲高い声で笑い続けた。
これはまずいですよ…ナイフとか路上で振り回しちゃう系の人にしか見えませんよ…
ひぐらし的な…school days的な…
ナイフどころか持ってるのがミニミ軽機関銃ですからね…
ああああああああああああああっ!!!!!駄目だ!!取り押さえなきゃっ!!!!!
「のわああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!それ以上言うなああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
再度目に黒い影がかかり凶悪な光を放つ若菜ちゃんは、暗黒オーラを悪魔のように燃え上がらせながらミニミの引き金を引こうとしたんだけど、僕と沙織が本能的に飛びかかって若菜ちゃんを何とか押さえこんだ。
天使はそれを無表情でじっと静かに眺めていた。
それから騒動も落ち着いた後、沙織が提案した新たな作戦で一気に経験値上げをすることになった。
戦闘型ロボットを戦車の上で沙織が双眼鏡で発見したら、戦闘型ロボットが反応して攻撃してこないギリギリの距離まで戦車で近づき、そこからは天使が歩いて近づきスタンガンで戦闘型ロボットを行動不能にするというものだった。
そして戦車で近づいたらみんなで「470回」くらい戦闘型ロボットを殴り続けた。
途中で若菜ちゃんが「戦車で戦闘型ロボットを轢き殺せばいいよ!」と提案してきたので、天使が戦闘型ロボットを行動不能にしてから戦車で突っ込むことにしたんだけど、そうしたら戦闘型ロボットのHPがかなり削られたのかそんなに殴らなくても倒せるようになった。
しばらくすると、僕達のレベルがめっちゃ上ったのか、天使が歩いて行ってスタンガンを戦闘型ロボットに当てるだけで経験値が得られるようになってきた。
「もう戦闘型ロボットメデューサも怖くなくなってきたなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwツインテールよwwwwwwwwwwwww我々ニャンパスさんチームのレベルはいくつになった?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
戦車の中で病んだ笑みを浮かべながら沙織は天使に尋ねると、天使はアームターミナルを操作しながら目に前まで下ろしたゴーグルに映しだされたデータをチェックし始めた。
「42。結構上がった。みんなで戦うとレベルがすぐ上がる」
天使がいつもの様に無表情で答えると、沙織はめっちゃ狂ったように笑い出した。
「うひっひkひひkひひひひひひいひwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそうかwwwwwwwwじゃあそろそろこのあたりを離れ岸根公園へwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ところが沙織がそう言った途端、アクシデントが発生した。
ガタンッ!ガタンッ!ガタンッ!と戦車が小刻みに揺れたかと思うと、その場で戦車のエンジンが止まり動かなくなってしまったのだ。
「のわああああああああああああああああああああああああああっ!戦車が動かなくなちゃったよ!」
めっちゃ驚いた様子の若菜ちゃんは沙織を揺さぶるんだけど、沙織も困ったような顔をしてコブにタイ語でなにか話しかけ始めた。
「みんな!wwwwコブが戦車のチェックするからwwwwwwwwwwwwwwwwwww悪魔が襲ってきても対応できるように戦車から降りて警戒態勢をとろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織の言葉でみんなは外に出たんだけど、結構無茶な運転したから戦車が壊れちゃったんじゃないのかなあ?
結構戦闘型ロボットに戦車をぶつけた時も衝撃が強かったしね。
とりあえず、みんなで戦車を守らないとな。
まあレベルもかなり上がってるから、この辺りの悪魔もそうそう襲ってこないと思うけどね。
でも戦車の具合はかなりまずいらしく、修理を試みたコブが険しい顔で沙織に何かタイ語で説明していた。
「まずいなあ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww戦車動かないってよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww徒歩で岸根公園に行くのが大変wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwどちらにしても燃料が尽きかけていてこれ以上走行できないらしいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々の戦車道はこんなところで終わってしまうのかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
めずらしく病んだ笑みを浮かべながら考えこむ沙織。
いや、ていうかさ、おまえ!まだ戦車道とか言ってるの?!
悪魔との殺し合いでそれどころじゃないでしょ!
というか、まさか、小机町が魔界になって良かったと思ってるんじゃないの!
なにが「我々の戦車道がこんなところで終わってしまうのか」だよ!
沙織!おまえ、どう考えても小机町が魔界になったから、思う存分戦車道ができて嬉しいんだろ!!!
「のわあああああああああああああああああああああああっ!!!戦車がないと大変だよ。とりあえず戦車内の荷物は差身君の無限のバックに移動だよ」
若菜ちゃんも戦車が動かないと聞いて大慌てしてその場でバタバタし始めた。
その時、僕は無表情で立っている天使を見たんだけど、ふとこの解決策を思いついてしまった。
絶対に故障しなくて燃料もいらない。
そんな「本物」の戦車道をしながら岸根公園に行く方法を。
「天使、頼みがあるんだ」
僕がそう言うと天使が無表情で僕を見つめた。
いつも通り何を考えているかわからないんだけど、なんとなく天使から強い決意を感じ取れた。
天使の強い決意が力となり静かに燃え上がり始めていた。




