第94話「本物」のルート変更wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「沙織!天使がレベルが上がり難くなったから外に出た方が良いって言ってるよ!」
天使がアームターミナルで分析した情報を小さく言ったんだけど、絶対に戦車の上で乱射しまくっている沙織に聞こえるわけがないので、僕はめっちゃ大きい声でそう叫んだ。
「そうかwwwwwwwwwwwwまだ1~2分しか経ってないと思うんだけどなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwえーごほんごほんwwwwwwwwwwwwニャンパスさんチームは無慈悲なレベル上げを止めて下さい!wwwwwwwwwwwwwwwwwニャンパスさんチームはゴミのように悪魔を殺すのを止めて下さい!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
戦車の上から車内を覗き込んだ沙織が「本物」の良く分からない指示をみんなに伝えると、そのままコブも戦車を止めて5人で「本物」の作戦会議をすることになった。
それにしても物凄い数の悪魔を殺してると思うんだけど、全く生きているものの命を奪い取ることに躊躇いがないのか、いつも通り悠然としてマイペースな「本物」達。
なんだかさあ…お前達の方が悪魔に見えてくるんだけど!!!!!
「ツインテールよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwニャンパスさんチームのレベルはいくつになった?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が病んだ笑みを浮かべながら天使に尋ねると、アームターミナルのディスプレイとなっているゴーグルを目の前まで下ろした天使が小さな声で返事をした。
「12になった。外に出て戦った方がレベルが上がる」
「そうかwwwwwwwwwwwでは一気に岸根公園の方へ行くとしようwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww恐らくあのへんに唯一神がいるセンターがあるはずwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
良くわかんないんだけど岸根公園にセンターという名前の唯一神が住む城みたいなのがあるのかな?
あの公園は過ごしやすくて好きなのに、わけがわからない「本物」の事件の舞台になっちゃったよ。
あそこは「沙織からこのまま一生つきまとわれ続けるのか?」という恐怖から逃げ出すための、僕の数少ない癒やしの場だったのに!
このまま「本物」達と戦車を乗り回してたら狂っちゃうから、早くこの「本物」の事件も終わらせないとな。
「凄いよ!早く唯一神を殺しに行こうよ!私のミニミで悪魔を全部殺すよ!唯一神もきっとリア充の手先だよ!」
若菜ちゃんがあんまりわかってなさそうな顔で笑いながら沙織に相槌を打つんだけど、天使はそれに納得していないようで、無表情のままじっと沙織と若菜ちゃんを見ていた。
「沙織、まず新横浜へ向かった方が良い。小机駅前を通って岸根公園に向かうとレベルの高い悪魔がいきなり現れる」
ああ、ゲームだから決められたルート通りというか、今レベルが12なんだから、そのレベル前後の悪魔が多くいる場所に移動しないとね。
そもそもゲームなんだから順番通りにしか進めないんだろうな。
特に逆らうことなく順番に進んでいけば、安全にレベルアップしていけるはずだ。
確かに沙織の豪邸から新横浜に行くと岸根公園に行くのに遠回りになるんだけど、めっちゃこのゲームをやりこんでいる天使からすると自殺行為に近いことなのかも。
天使からめっちゃすさまじい無言の圧力が伝わってくるよ。
でも沙織は不敵に病んだ笑みを浮かべながら、暗黒オーラを浮かび上がらせていた。
「いや早く唯一神を殺したいから岸根公園に直行だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私はこのゲームをクリアするのに50時間以上かかったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww今日のMXのアニメが始まる前には帰らなくてはならないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww暦物語の更新もあるしなwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれに早くなるべく強いのと戦いたいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそしてまだ見ぬ悪魔も皆殺しにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「沙織、それは駄目。死にたいの?」
天使は無表情で沙織に訴えるんだけど、沙織は病んだ笑みを浮かべながら天使に抱きつき天使のツインテールを触り始めた。
「うひいっひひひひひいっひひっひひwwwwwwwwwwwwwww大丈夫だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々5人がいればなんとかなるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwツインテールよwwwwwwwwwwwww今まではお前1人で戦ってきたがこれからは違うwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんなで戦えばレベル12以上の力が出せるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそして差身がニャンパスさんチームにいると我々は自動的に何倍もの力を発揮することができるのだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「そうだよ!ツインテール!みんなで戦えばなんとかなるよ!リア充が送り込んできた悪魔を殲滅だよ!」
若菜ちゃんもあんまりわかってなさそうな顔で笑いながら、天使の手を握ると早く先に行こうと天使を促した。
あー、若菜ちゃんは多分、よくわかってないんだけど、自然に場を盛り上げようとしてるんだろうな。
状況を把握してないけど、雰囲気を良くしようとしてるというかなんというか。
その狂った「本物」2人の状況判断に天使はめっちゃ戸惑っているようだった。
そりゃそうだよな。順番通り進んでいけば安全なのに「アニメを見たいから早く行こう」みたいなことを沙織は言い出してるんだしな。
でも少し天使が人間ぽい反応し始めたよね…
考え方や価値観が違う沙織や若菜ちゃんの心の世界が天使の中の心の世界に入り込んで、天使は「これはなんなんだろう?」って不思議に思ってるんじゃないのかな?
沙織も若菜ちゃんもわけが分からない所があるから無茶なことを言い始めてる気もするんだけど、それだけめちゃくちゃな2人だからこそ小さく閉ざされた天使の心の中に入り込めたのかもな。
この狂った事件で「本物」達もお互いを理解し合い、天使の心も成長し開かれていくのかもしれないな。
「みんなで戦えば力が増える…差身君がいれば力が増える…」
天使は他の「本物」達にじゃれつかれながらそうつぶやくと、アームターミナルを操作し始めた。
「あらたなるルートができた。沙織、門を出て右に曲がったら上麻生道路に出て。出たら左折して直進し岸根公園へ。でも悪魔は強くなる。気をつけて。あと庭に悪魔が落としたアイテムがたくさん落ちてるから回収した方が良い」
ああ…天使が2人の話を聞いて折り合ったな…
天使なりに2人の話を受け入れる必要があると思ったんだろうね…
そして恐らく天使が新しいルートを「本物」の力でまた創造したんだろうな…
だんだん3人の「本物」達の世界が1つに統合されそうな感じだね。
「じゃあ休憩してから岸根公園へ直行するwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww各自適当に戻ってくるようにwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織がそう指示するとみんなで一旦戦車から出て各自別行動をし始めた。
沙織も沙織の豪邸の中に戻ろうとしてたんだけど、僕は気になることがあったのでちょっと聞いてみた。
「なあ沙織、どうしてM16-A4沙織改を使わないんだ?普通のM16-A4じゃあ弾切れもあるし威力も弱いだろ?」
「ニャンパス!!!wwwwwwwwwwwwwww差身wwwww良い質問だwwwwwwwwwwwwwwwwwww沙織改は凄いぞwwwwwwwwwwwwww色んな機能が備わっているのもわかったwwwwwwwwwwwwwwwwwだが使ってると凄く疲れるんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwww精神的に削られていく感じwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwマジックポイント的なwwwwwwwwwwwwwww動けなくなるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまさに爆裂魔法後のめぐみん的なwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「へえ、そうなのか。だから普通のM16-A4を使ってるんだ」
「実はそうなんだwwwwwwwwwwwwwwwwでもM16-A4は凄いぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの銃が世界を制覇してきたともいえるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれにだwwwwwww若菜ちゃんのミニミの弾倉が壊れてもM16-A4の弾倉をつけかえることができるwwwwwwwwwwwwwwwwww若菜ちゃんは銃は得意なんだがナイフとか近接戦闘が下手だからミニミが壊れると死ぬwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwだから私が普通のM16-A4を装備しておくのは重要wwwwwwwwwwwwwwww」
そうかなるほど。沙織は若菜ちゃんの銃が壊れた時のことも考えたりするんだな。
ミニミの弾倉が壊れたら銃弾が出なくて若菜ちゃんが殺されるかも知れないけど、沙織が使ってる普通のM16-A4の弾倉を渡してあげれば何をしのげるからね。
戦ってる時はすぐに渡さないと死ぬこともあるからな。
あとM16-A4沙織改は看護服の沙織が戦争の時に「銃弾ではなく魂が発射される。気持ちが爆発すると威力が増す」と言ってたけど、沙織の心と連動しているM16-A4沙織改を撃つと沙織が疲弊しやすくなるんだろうね。
沙織は体力がないはずなのに戦ってる時は暗黒オーラが爆発してめっちゃ動きまわるけど、基本的に精神力は弱いから気持ちが削られていくのには弱いんだろうな。
それから各自準備して戦車にみんなで乗り込んだ。
コブ達が庭中に落ちていたアイテムを拾い集めてきたんだけど、それは僕の無限のバックの中に詰め込んだ。
そして僕達は沙織の豪邸を出て岸根公園へと一気に戦車で突き進んでいった。
「ニャンパスさんチームは無慈悲に経験値を稼いでください!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwニャンパスさんチームは経験値が高そうなのから殺して下さい!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織の戦術にもなっていない指示が飛ぶ。
だがしかし、悪魔は次々と「本物」達の手により端から殲滅されていった。
凶悪なエンジン音を唸らせながら走る戦車。
その車上でやはり凶悪な銃声音を響かせる沙織のM16-A4と若菜ちゃんのミニミ。
そして天使がアームターミナルで情報分析を行い、僕はひたすら沙織と若菜ちゃんに銃弾を渡し続けた。
いやあ、現代兵器って凄いね。
これだけの悪魔を一気に殺せるとは。
沙織の豪邸の外なんてうなるほど悪魔がいたのに、だんだんと悪魔が見当たらなくなってきたよ。
しかしその時だった。それは僕達が装備している現代兵器と同じ音がした。
ズババババババババババババッ!!!と激しい銃声音が鳴り響いたかと思うと、4足のカニのような形をしたロボットがこちらに向かって突進してきた。
「ヤバイッ!!wwwwwwwwwwww若菜ちゃん戦車の中に隠れるぞ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ロボットが放った銃弾がめっちゃ戦車の直撃する中、沙織と若菜ちゃんはめっちゃ慌てた様子で戦車内に戻ってきた。
そしてコブが機転を利かせてそのロボットとすれ違う形で、一旦はその接触を避けたんだけどすぐにロボットはターンしてこちらに引き返してきた。
でも一定の距離を保つと、そのロボットはこちらを威嚇するように向き合ったものの、それ以上何もすることはなかった。
「のわああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!銃撃してきた!危ないよっ!あのロボットもリア充の罠だよ!」
若菜ちゃんがめっちゃ怒ってるんだけど、でもさ!僕達の方が撃ってる弾数からするとあのロボットより相当危ない人なんじゃないんですかね!!!!
「あーあれは戦闘型ロボットのメデューサだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあいつレベル高いし銃撃が効かないからやっかいだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww一定距離に近づくと攻撃してくるが離れると何もしてこなそうだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織は戦車の出入り口から顔を出してどこかから取り出した高そうな双眼鏡でそのロボットを観察しながらそう言った。
「沙織、あのロボット強そうだから逃げた方が良いよ。近づいたらまた撃ってくるって」
いつまたこっちにあのロボットが向かってくるかわからないので、沙織に撤退するように促したんだけど、沙織はじっと観察したまま動こうとはしなかった。
「それにしてもあのロボットwwwwwwwwwwwwwwwwwwww攻殻機動隊のロジコマそっくりだなwwwwwwwwwwwwwww 女神転生はそういう小ネタを混ぜるのが好きだからなwwwwwwwwwwwwwwwwしかしまさか攻殻機動隊の世界をエクセル・サーガの人が描くとは思いもよらなかったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織はよくわからないことをいうと双眼鏡をおろして戦車内に戻ってきた。
「うひひひひひひっひひひひひwwwwwwwwwwwツインテールwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお前の出番がやってきたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお前の不可視暗殺者としての才能がここに花開くwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が狂ったように笑いながら天使の方に手を置くと、天使は無表情で沙織を見上げた。
「沙織、どうしたの?」
天使は冷静に話しているんだけど、沙織の「本物」が高まったのに気がついたようだった。
「ツインテールよwwwwwwwwwwwwwwwwww歩いてあの戦闘用ロボットメデューサのところへ行ってきてくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwうひっひひひっひwqwぎぎwdごwごqwfgqをqwgqwご8wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織はマッドサイエンティストが「本物」の実験をする時のような発狂した笑い声を上げながら、今僕達を殺しに来た戦闘ロボットに天使を1人で向かわせようとしていた。
いや沙織まずいって!!!沙織でも手に負えなくて戦車の中に逃げ込んだのに、天使を1人で行かせたら死んじゃうじゃん!!!
しかし沙織の意思は1ミリも変わらないようだった。
無言で沙織を見つめる天使。
この狂った「本物」のゲームが更に狂った方向に動き始めていた。
ごめんなさい。旅から帰ってきたらうちの店が激混みで諸々遅れました。
とりあえず、火曜日の更新からは通常通り実施します。
もちろん間に合わないこともあると思いますが通常通り実施していきます。
行けそうであればどこかで1話分余計に更新する週を作りたいと考えています。
パンツァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!フォッォッォォォォォォっォォォォォォォォっ!!!!!!