第91話「本物」のガルム召喚どころではない騒ぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
意を決したように天使は僕から離れると、テーブルに置いてあったタロットカードを手に取った。
僕にはそれが天使が初めて自分の強い意志で動いたように見えた。
積極的というか、熱意を感じるというか、爆発的な心の衝動を感じた。
天使は無表情ながらも、その目はタロットカードに強く願いを込めているようであった。
そしてタロットカードをキリながら小さな声でつぶやき始めた。
「太古カテドラルと呼ばれた大いなる神が人の子に作らせしセンターよ…我は再びそのアルカディアへと降臨する…我は挑む…その試練に…我は我の意思にて進む…」
天使に蒼く冷たく凍りつくような「本物」のオーラが激しく立ち上る。
人間の英知を超えた力が天使から湧き上がる泉のように止まらなく溢れ出している。
うわあ…何か凄いことになってきたぞ…
良くわかんないんだけど、大変なことになりそうだな…
今までと違って天使がめっちゃやる気になってるように見えるんだけど、天使自身が自分の力を初めて本気で引き出してるんじゃないのかな?
10mジャンプできる人が特に必要性も感じないしやる気も起きなかったら普段の生活でジャンプすることすらないけど、崖の下にでも落下して命の危険に晒され、助かるためにフルパワーで思い切りジャンプしたらめっちゃ飛んだ的な…
天使の「本物」の力も、今まさにフルパワーで発動してしまったんじゃないのかな…
天使はすぐにタロットカードを1枚テーブルに置いた。
「法王。今届いた…天と地、両方の扉が開かれる…来るが良い…」
天使は沙織の部屋の窓を開けて広いベランダに出ると東の方の空を見た。
すると物凄い地震とともに東の空が爆発するように赤く輝き、そのまま空が赤く染まってしまった。
血を思わせるようなドス黒い赤。
魔という魔が集結してくるようなおぞましい赤。
混沌が渦巻く世界に小机町は一瞬にして変わってしまった…
僕はゆっくりとベランダの天使に近づいたんだけど、天使はまっすぐ東の空を見つめているのであった。
「ニャンパス?wwwwwwwwwwwwww差身何があったんだ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwリナでもやってきたのか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織は眠そうな顔をして起き上がってきたんだけど、外を見るやいなや、一気にベランダまでかけてきた。
「ニャンパス!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwニャンパス史上最大の事件wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww小机町が魔界にwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww学校も悪魔に飲み込まれると良いなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が興奮した様子でめっちゃ目を輝かせながら病んだ笑みを浮かべそう言った。
おい…沙織…なんだか楽しそうなんだけどさあ…
どうしてこの状況を簡単に受け入れちゃってるのよ…
ずっとお前と一緒にいるけど、おまえの大変なことになっている頭の中がどうなってるのか未だにわからないよ!!!!
「のわああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!外が魔界になったよ!!!!コンビニ行きたかったけど営業してるかなあ?」
若菜ちゃんもあんまり考えていないような顔でベランダに出てくると、そこまで慌てていない様子で笑っていた。
若菜ちゃん…あなたも少し焦った方が良いと思うんだよ…
あなたも沙織と同じで楽しそうにしか見えないんですけど!!!!
そんな興奮している2人を天使は振り返り見上げた。
「ゲームの続きをしに行く。差身君を連れてっても良い?」
いつも通りの無表情。
天使の小さなつぶやきを聞いて、沙織は狂った様に笑い出した。
「うひひひひひひひいっひひいっひいっひひひひwwwwwwwwwwwwwwwwツインテールよwwwwwwwwwwwwそんなおもしろそうな話を聞いたら私も黙っていられないなあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私も行くぞwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織は目に黒い影がかかり凶悪な光を放つと、どこからかコンバットナイフを取り出しクルクルと回し始めた。
「わかった」
「のわああああああああああああああああああああああああああああっ!ツインテール!私も行くよ!リア充を殺すよ!」
若菜ちゃんも興奮したようすでめっちゃ素早く自分のカバンを散ってくると、中からミニミ軽機関銃を取り出しめっちゃ楽しそうに銃を構えた。
「わかった。みんなで行く」
天使は若菜ちゃんを見てから僕の方に向き直った
「みんなでゲームするの初めて。楽しみ」
小さな声でつぶやく天使。
相変わらず無表情ではあったんだけど、どことなく天使の顔をが柔らかく緩んだような気がした。
もしかすると天使は笑っていたのかもしれない。
それから沙織の部屋の中で作戦会議が始まった。
天使と僕が天使の話を聞いて分かったことを説明したんだけど、沙織も若菜ちゃんもあんまり聞いていなかった。
2人ともめっちゃウキウキしていて、それどころじゃない感じだ。
「沙織、ちゃんと聞いてないと作戦が立てられないんじゃないの?」
僕が沙織に注意すると、沙織は悪気がなさそうに病んだ笑みを浮かべながら頷いた。
「ああwwwwwwwwwwwwすまないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwだができるだけの武器を用意して全部殺せば良いだけのことwwwwwwwwwwwwwww敵が潜んでいる『センター』内の地図も私のスマホの中にあるしなwwwwwwwwwwwwwww」
「え?なんでそんなもの持ってるんだ?」
「私はスーパーファミコンは持っていないのだがwwwwwwwwwツインテールのやっていたゲームのスマホアプリが2012年に出てるんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私はクリアしているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「おお!じゃあ生きて帰れそうだね!」
「大丈夫じゃないのか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww最後に唯一神殺して終わりだぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織は気楽な感じでそう言うんだけど、唯一神って一体なんだっけ????
「沙織、唯一神って?」
僕が沙織に質問すると沙織はめちゃ驚いたような表情で僕を見た。
「唯一神を知らないのか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww『YHVH』と書いて『ヤハウェ』と読むwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww本当は人間が発音すらできない言葉みたいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwキリスト教ユダヤ教イスラム教で一番偉い神様wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれ殺したらゲームはクリアだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
なにそれ…めっちゃヤバい気がするんだけど…
その世界中で信仰されてる神様殺すのヤバい気がするんだけど…
そもそも倒せるの?!僕達の力で?!
「凄い!凄い!私達神殺しをするんだね!私もミニミでやっつけるよ!」
あんまり考えていないような顔で若菜ちゃんは笑っていた。
若菜ちゃん…そんな最強というか、宇宙の理のような存在に銃を突き付けても良いんですかね…
めっちゃ罰当たりな気がするんですけど!!!!
というか銃撃が効く相手なんですかね!!!!!
ああああああああああああっ!!!嫌な予感がする!嫌な予感がする!
すると無表情で天使が立ち上がり僕の真横に移動してきた。
じっと僕を見下ろし始めたので「なんだ?」と思ってみていると天使がゆっくりと動き始めた。
「差身君、頑張るニャン」
天使は僕を鼓舞しようとしてるのか「ニャン」の部分で両手首を曲げねこポーズを取った。
駄目だ…もうわけが分からない…
とりあえず、このままじっとしててもこの魔界のような世界で死んじゃうから戦わないとな…
なんかさあ、窓の外に低級の悪魔らしき生き物がうじゃうじゃしてるんだよね。
しかしこの「本物」達は、どうして1ミリも動じてないんですかね!!!!
「しかし調度良いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwコブに色々用意させておいたからなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこれで思う存分戦車道もやれるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww秋山殿の魂wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
全くこの状況に怖気づくどころか勢いが増してきた「本物」達。
魔界と化した小机町でも「本物」達は変わることはなかった。
神殺しというあってはならない「本物」の目標も「本物」達からすれば全く問題ないようだ。
天使の心の世界。ゲームの中での戦いが始まるのであった。




