第83話「本物」の魔獣との戦いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ガルムはいつでも襲い掛かれる態勢で、僕を威嚇しているのか唸り声を上げている。
寒い国の生まれなのか雪が降っても大丈夫そうなくらい毛がふさふさしてるんだけど、なんかさ!!!良く見ると毛が血で染まってるんですけど!!!!
どう見てもガルムが戦闘モードだよ!!!!
これって僕に噛み付いて殺すつもりなんだよね!!!!
天使!!!!おまえの友達が僕を食い殺そうとしてるよ!!!!
好きだから魔獣に食い殺させるって、新しすぎてどうこの「本物」の異常事態を突っ込んでいいのか分からないよ!!!!
どいつもこいつも!どいつもこいつも!
人間の命は1度消えたら2度と戻らないんだよ!!!!!
「差身君、ガルムがお腹が空いてるので差身君を食べて良いのかと聞いてきたから、早く食べなさいと言っておいた。もうすぐ差身君が私だけのものになる…」
無表情のままガルムの背後で天使は言った。
ええっ!!!いつ話したの?いつその魔獣と話したの?
テレパシー的なもので会話してるの?
あとさあ!わかってると思うんだけど、ガルムに僕が食べられたら、僕はこの世から消えちゃうの!!!!
わかる?!僕は跡形もなく消えちゃうの!!!!!
どういう意味合いで「私だけのものになる」って言ってるのか分からないけど、食われた後にアストラル的なものでも残るんですか?!
クソーッ!!!!あの腐れ親子めええええっ!!!!
どうしてすぐに人を殺そうとしちゃうのかなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!
「天使!沙織に騙されたら駄目だ!よく考えなよ!僕を殺したら僕がいなくなっちゃうんじゃないの?!」
めっちゃガルムにお慄きながらも、天使に考えを変えてもらうべく僕は叫んだ。
だけれども天使は微動だにせず、ただ僕を感情がないような目で見つめていた。
「ガルム…差身君を殺しに行くニャン…」
天使は再び両手首を曲げねこポーズを決めると、ガルムの殺気がめっちゃ増した気がした。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」
ガルムは生きとし生けるもの全てを震撼させる叫びをあたりに充満させると、一気に僕の方へ跳ね上がるように飛びかかってきた!!!!
駄目だ!!!!来やがった!!!
あんなでかいのに運動能力が高すぎてめっちゃ跳躍してるんですけど!!!
唸りを上げる僕の「死亡フラグ回避センサー」!!!!
僕は「死亡フラグ回避センサー」が感じるがままに逆にガルムがいる方に走りこんだ!
そして飛びかかってきたガルムの真下付近にうまく潜り込んだ!
僕もそこからどうしようもなくなったので「死亡フラグ回避センサー」が反応するままにちょろちょろ逃げまくった。
するとガルムは虚を突かれたのか、その場で旋回しながら前足で僕を押さえつけようと何度も踏みつけてきた。
「うわあああああああああああああああああああっ!!!!」
馬鹿じゃないの!馬鹿じゃないの!
踏んだら死んじゃうから!!!
この間うちのねこも前足でガシガシ踏みつけながら蛇を退治してたけど、そこまで頑張って食べるほどの価値が僕にあるんですかね!!!!
もっと肉厚な巨大な生物を食べるべきなんじゃないのかああああああああああああっ!!!
ああでも、予想以上にガルムが手こずってるな。
そういやアリンコとかも、人間によじ登ってきたりするけど、あの類が体にまとわりつくと振り払うのに一苦労するんだよね。
僕は強く決意すると、一気にガルムの後ろ足から一気にガルムの背中に駆け上がった!!
おおおおっ!!!毎日毎日10年以上、沙織に襲われては屋根に逃げたりした成果がこんなところで活かされるとは!!!!!
ガルムは物凄勢いで疾走したり、背中を地面に擦り付けたり、何とか僕を振り払おうとするんだけど、僕の「死亡フラグ回避センサー」の方が上だった。
ギリギリ死なないようにちょこまかと移動しまくった。
ガルムは苛ついたようにこちらに首を曲げて吠えたりするんだけど、僕も僕でこれ以上手の打ちようもなく必死に食らいついているだけであった。
そんな時間がしばらく続いた時「ジーーーッ!ガシャガシャ!!!」と無線機のノイズのような音が聞こえ始めた。
「おいっ!!!!差身!!!!何殺されそうになってるんだあああああああああああああああああああっ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwww根性見せろおおおおおおおおおおおおおおっ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwww根性をををっをををををっをををををおxtい!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
かなり興奮して感情が爆発している沙織の声が聞こえてきた。
あれ?これって、僕の体のどこかにマイクなのか通信機なのか分からないけど、沙織と話ができる機器がいつの間にか付けられてたんですかね。
っていうか、そんなこと言ったって無理だよ!!!!
根性とかそういう問題じゃないよ!!!!
こんなの勝てるわけないじゃん!!!
お前に鍛えられてきたからかろうじて死なないけどさあ、まだ死なないだけでも充分根性見せてるんじゃないのかなああああああああああああああああああああああああっ!!!
「沙織!!!無理だよ!!!根性とかそういうの関係ないから!!!大きいしこの世にいたら駄目だから!!!ガルム、いたら駄目だから!!!」
「しょうがないなあwwwwwwwwwwwwwwwwチートだが仕方がないwwwwwwwwwwwwwww差身wwwwwwww無限のバックに良い物を2つ入れておいたwwwwwwwwwwwwwwwwwうまく使うんだwwwwwwwwwwwwwwwwwww私以外に絶対に殺されないようにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織がそう言うと「プツッ!」と更新が途絶えた。
ん?あいつ、なんか入れたのか????
僕はガルムにしがみつきながら無限のバックに手を入れてガソゴソ探ると、確かに僕が入れたものではない手触りのものを探り当てた。
1つはめっちゃ重いから、とりあえず軽い方を引っ張りだすか。
僕はせーのっ!で引っ張り出すと、それはめっちゃでかい骨付き肉であった。
あーこれ「あの肉」に近いものがありますね。
もう1つの重たい奴は、触った感じほぼ間違いなくあれだから…
そうか!作戦を思いついた!
僕はガルムの背の上に立ち上がると、なるべく遠くに骨付き肉を投げた!!!
日々石を投げ続けているので良い感じで骨付き肉は飛んで行く。
ガルムは狩猟本能なのか、お腹が空いているのかわからないが、その肉目掛けて一目散に走りだす。
僕はガルムの上から飛び降りると、物凄勢いで小机城跡公園の斜面を駆け上がった。
まさか時代は違えど、またここを駆け上がり戦う時が来るとは。
そして、またこれを手に取る時が!!!
僕は無限のバックに手を突っ込み、さっきの重たいやつを引っ張りだした。
筒状の形態。それはRPG、「R(リア充)P (パーフェクト)G(殺し)」だった。
肉にむさぼりつくガルム。しかしそれをすぐに食い尽くすと、僕の方に頭を向けた。
RPG、リア充パーフェクト殺しを肩に載せ構える。
こちらに駆け出すガルムに照準を合わせると、僕は迷わずリア充パーフェクト殺しに引き金を引いた!!!
「当たれえええええええええええええええええええええええええええっ!!!まだ死にたくないんだあああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!と羽が生えた小型ミサイルのような弾がガルム目掛けて発射された。