第76話「本物」の事件の予兆wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
その後、沙織からの連絡は一切なかった。
学校が終わった後に、沙織と接触しないなんて初めてかもしれない。
あれだけ沙織にストレスを感じてても、いざ沙織が離れてしまうとなんか気になってしまう。
LINEで音声通話しようとしたんだけど、沙織が出ることはなかった。
なんだろうこの違和感は…
もう僕も沙織から離れられない「本物」の暗示にかかっているのかもしれないな…
その日の夜、そんなことは言っても明日の朝には沙織からの襲撃を受けるかもしれないので、早めに寝ようと思いベッドに入った時の事だった。
時計を見ると22時。このあたりは沙織がアニメを見ながら勉強している時間帯なので、比較的安心していられるのだ。
さてさて…いつ何が起きても良いように早めに睡眠を…と目を閉じたら…
ガシャン!!!とシーンとした僕の部屋にガラスが割れる音が響き渡った。
睡眠モードに入っていたんだけど、即座に僕の「死亡フラグ回避センサー」が作動する!!!
とっさに僕はベッドに影の隠れたんだけど、銃声もしなければ爆発音も聞こえることはなかった。
気味が悪いくらいに、静まり返る僕の部屋。
あれ?沙織が殺しにやってきたんじゃないのか?????
僕は無限のバックを握り締めると、いつも通り窓から屋根に駆け上り周囲を見渡した。
しばらく警戒していたんだけど、それ以上の攻撃もなければ、沙織が姿を表すこともなかった。
変だな…沙織が家まで殺しに来る時には、ある程度攻撃が続いた後に姿を表すのに…
それに窓ガラスを割る程度で終わらすはずがないんだよあ…
おかしいなと思いつつも、僕は部屋に戻り割れたガラスを片付け始めた。
ガラスを割った物の正体は、そのへんに落ちている石だった。
石かあ…沙織が石なんか投げるはずないんだけどなあ…
違和感を感じつつも、慣れた手つきでガラスを片付け窓をダンボールで塞ぐとそのままベッドに戻り眠った。
翌朝のことである。
なんと沙織が僕を殺しにやってこなかったのだ。
いつまでたっても沙織が襲いに来る気配がない。
LINEで連絡しても無反応の既読なし。
もう12時間以上沙織と接触していない。
こんなことが起きるとは…
まあ学校に行く途中で何かあるかもしれないから気をつけて出かけるか。
そう思い1人で学校に行こうと玄関を出た時だった。
めっちゃ恐怖に包まれた僕は開けた玄関のドアを閉めて家の中に戻った。
駄目だ…狂いそうだ…あああああ、だけど現実を受け止めて学校に行かなきゃ…
もう一度玄関のドアを開け、僕は「本物」の現実を受け止めた。
いやあ…大したことはないんだ…ちょっと玄関前にかなり精巧に作られた魔法陣があっただけなんだ…
ろうそくとか人形とか死んだカエルとかさ…そんなのが並んでただけなんだ…
おおおおおおおおおおおおおいっ!!!!!!おかしいっ!!!おかしいって!!!!!
なにこれ?!魔女?魔女でも来たの?!!!!!!うちの家に呪いでもかけてるんですか!!!
よくわからないけど悪魔に願いごとが叶うように魂でも売ったの?!
めっちゃキレイに魔法陣が作られてるんだけど、夜中に人の家に入り込んでこういうの作るの駄目だと思うんだ!!!
法律とかそういうことじゃないんだよ!!!!
僕の心が壊れるからああああああああああああああああああああああああっ!!!!
「あれ?差身君!今日は沙織は殺しに来てないの?」
玄関で愕然と「本物」の現実に打ち震えている僕を呼び覚ますように、僕の前に佐藤さんが現れ声をかけてきた。
佐藤さん…あなた当たり前のようにオート25を握りしめてるけど、それって日本では許される行為ではないと思うんですよ…
あとどうして僕の家にこんな朝から来ちゃってるんですかね!!!!
「さ…佐藤さん…おはよう…沙織は今日は来ないみたいだよ…」
「へー、そうなんだ。私は今日遅刻したから差身君を殺せなかったよ。私、朝弱いから沙織みたいにはできないな」
何言っちゃてるの佐藤さん…僕を殺せなかったって何?!
もう次から次へと、僕を削りまくるように精神的に弱らせるのはやめてくれないかなああああああああああああああああああああああっ!!!!
「あれ?差身君、この魔方陣誰が描いたの?」
佐藤さんは不思議そうな顔をして魔法陣を見ていたが、ふと僕の顔を見上げた。
「いやその、わからないんだ…今出かけようとしたらこんなのが作られてて…」
僕が困ってそう言うと、佐藤さんは腕組みをして難しい表情で「うーん」と唸り始めた。
「うーん、差身君はモテるからね。この魔方陣から愛を感じるよ。でもこれ以上変な子と仲良くなるの止めたほうが良いよ。差身君がおかしくなっちゃうよ」
「そうだね…うん、その通りだと思うよ…もう僕もおかしくなりそうな気がする…」
「でも良かった。今日は差身不可侵条約の範囲内で差身君を独り占めだ。ねえ一緒に学校に行こ!」
佐藤さんは朝から元気に僕の腕に飛びついてきた。
僕は呆然とただ「愛を感じる」魔法陣を見下ろしていた。
はっきり言って魔法陣から愛を感じるって全然意味がわからなかった。
でもその意味がわかるのに時間はかからなかったんだ。




