第52話「本物」のM16-A4沙織改wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
結局、僕達はそのまま朝まで話し続けた。
夜通し話していたことは戦争とは関係ないことばかりで、みんなで笑ったり悩んでることを聞いてあげたりしていた。
こうして話をしていると、みんな僕の沙織と姿形はそっくりではあるんだけど、それぞれ個性があって中身は僕の沙織と全く同じではなかった。
それぞれがそれぞれの悩みを抱えながらも、こうしてみんなで話しをすることによって頑張れる。
あと単純にこうしていると楽しいんだろうな。
これが終わったらこの沙織達が一堂に会することもないかもしれないし、この一瞬一瞬を貴重な時間だとみんな気がついているんだろう。
だからこうして疲れているはずなのに1秒も無駄にしないでいるんだ。
城の外が薄っすらと真っ暗な闇がしらじらと明けてきた頃、僕の沙織と佐藤さんが僕達の所に眠そうな顔をして歩いてきた。
「なんだwwwwwwwwwwwwwみんな寝てなかったのかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww実は私達も全く寝ていないwwwwwwwwwwwwwwwwwwww議題が山積みだったwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が眠い目をこすりながら言うと、佐藤さんがみんなと丸くなって座り込んでいる僕に駆け寄ってきて僕の背中に飛びついた。
「差身君おはよう♡今日は頑張ろうね♡」
何だ?!何が起きた?!
何故か妙に媚びるように、わざとらしいくらいにかわいらしく佐藤さんは言いながら、僕に必要以上にギューっとくっついてきた。
昨日とは人が変わったように僕になついてきてるんだけど、佐藤さんもついに人格が崩壊してしまったのか?!
「お前なにしてるんだあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
11人の沙織の目に黒い影がかかり凶悪な光を放つと、みんないっせいに立ち上がりそれぞれがどこかに隠していた武器を一瞬にして手に取り佐藤さんに銃口や刃先を向けた。
「しっ…知ってるんだからな!私は差身不可侵条約を結んでいない!このくらいは良いとこっちの世界線の沙織から許可を得てるんだ!それに最終的にはお前達も順番になんだろ?!」
佐藤さんがかなり怯えながらも11人の沙織に頑張って言い切ると、11人の沙織は「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」と納得いかないような顔をしながらも銃口や刃先を下げた。
ん?!前から「順番」という言葉を何回か聞いてる気がするんだけど…
それって一体何のことなのかな?
眠くて頭がまわらないから考える気力さえないけど、嫌な予感がしてたまらないよ…
何もかも僕がいないところで僕にとって重要なことが決まっていくというのはおかしいと思うんだけどな!!
「なんていうことだ…wwwwwwwwwwwwwww八百万の世界線を超えて差身の奪い合いが始まれば大戦争が始まるとはいえ目の前で差身が私以外に抱きつかれてるのを見ても何もできないとは…wwwwwwwwwwwwwwwwああ!殺したい!殺したい!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
右手にライフルっぽいものを持ったアイドルっぽい沙織が地団駄を踏みながら悔しそうにその場で暴れだすと、ピッタリとした服の沙織と悪の秘密基地にいそうな制服の沙織が病んだ笑みを浮かべながらアイドルっぽい服の沙織に「まあまあwwwwww」となだめながら近づいていった。
「差身不可侵条約があるから自分の世界線の差身は安全なんだwwwwwwwwwwwwwwwあまり欲張ってはいけないwwwwwwwwwwwwwwwwwww欲張ると大戦争が起きるからなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
悪の秘密基地にいそうな制服の沙織が、涙目になっているアイドルっぽい沙織に優しく声をかけた。
「そうだぞwwwwwwwwwww気持ちは良くわかるが自分の世界線に戻ったら自分の差身に優しくしてもらうんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの差身は戦争服の沙織の差身だからなwwwwwwwwwwwwwww」
ピッタリとした服の沙織もアイドルっぽい沙織を励ますと、アイドルっぽい沙織は「わかったwwwwwwwww」と残念そうに頷いた。
「みんなすまないwwwwwwwwwwwwwこの差身は私の差身だから許してくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwじゃあそろそろ着替えるかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身も若菜ちゃんも着替えるぞwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が話をまとめるようにすまなそうに言うと、僕の沙織の前に宇宙服の沙織が歩み出てきた。
「おいwwwwwwwwwwww私達もその制服着てもいいか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織がニヤリと病んだ笑みを浮かべ僕の沙織に話しかけた。
「いいのか?!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんな勝負服を着ていて大丈夫だぞwwwwwwwwwwwwww私はみんなにも楽しんでもらいたいのだが…wwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が驚いたように11人の沙織を見渡すと、11人の沙織達は初めからそのつもりだったようでみんな僕の沙織を見て笑っていた。
「何言ってるんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんなでここまで頑張ったんじゃないかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は『本物』の仲間だwwwwwwwwwwwwwwwwwwww見た目を気にするわけではないがここは同じ制服を着て戦おうじゃないかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまあ得意な武器は各々所持するがなwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織の言葉に僕の沙織は目を輝かせた。
「そうかwwwwwwありがとうwwwwwwwwwwwwwwwwwみんなで調査兵団の制服を着て戦おうwwwwwwwwwwwwwみんなで憎きリア充を殲滅するんだ!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織も宇宙服の沙織達に心を打たれたのか、僕の沙織にしてはめずらしく熱く声を張り上げた。
それからそれぞれが調査兵団の制服に着替えた。
よく着方がわからなかったんだけど、実際着てみると謎の伸縮自在の素材で出来ていて体はめっちゃ動かしやすかった。
これ銃弾も衝撃なしで跳ね返すし、一体何で出来てるんだ?
沙織達の世界線の技術を集めたらなんでもできちゃいそうだな…
何とか調査兵団の制服に着替えると、予定通り外に出てみたんだけど…
作業服の沙織が重機でめっちゃ作業していた所に、とんでもない規模のステージが完成されていた。
何十メートルあるのか?と思わせる巨大なのヴィジョン、照明設備、それは進撃の巨人風に作られていて、リアルに作られた巨大な壁がバックにそびえていた。
そしてステージの周りもお祭りのように派手に飾り付けられていて、これから戦うのかアイドルのライブでも行うのか全く分からない感じになっていた。
昨日までボロボロの服や鎧を身にまとっていた武士達も、全員調査兵団の制服に着替えステージの前に集合していた。
お前達…馬鹿じゃないの…夜通し作業していたのはこれのためですか…
あーあ、小机さんまで調査兵団の格好してるよ…
駄目だ…12人の沙織達は、人を殺すとか殺されるとかそういうことはあまり重要ではなくて、今から始まる戦争を学園祭のような巨大なイベント的にしか考えていないんだろうね!!!
何だか嫌な印象しかなかった敵のリア充武将太田道灌がかわいそうになってきたよ!!!!
どう考えてもお前達の『本物』の遊びの延長線上で、ボコボコにされるリア充武将太田道灌は一体何なの?!
お前達はリア充だと言って勝手に目の敵にして潰そうとしてるけど、よく考えてみると太田道灌って特になんか悪いことしてたんですか?!
単にお前達のとばっちりを受けてるだけなんじゃないのかなあ!!!!
ステージの近くで僕の沙織と25オートを手に持ち銃弾が詰まったショルダーバックを装備した佐藤さんが楽しそうに騒いでいた。
完全に戦うことなんて頭から抜け落ちてるんだろうな。
僕は沙織達の所に歩いて行くと、ちょうど着替え終わったのか11人の沙織達も僕の沙織の方へ歩いてきた。
何となく僕の沙織と他の沙織は見分けつくけど、全く同じ格好すると僕でも簡単に見分けがつかなくなるな。
「過去の私よwwwwwwwwwwwwwwwwwこれは我々が今日のために作り上げたテクノロジーの結晶wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお前も私も愛してやまないアサルトライフルM16-A4だwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々からのプレゼントだwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕達の世界線上の未来から来た沙織が、長い銃が入っていそうなケースを僕の沙織に差し出すと、僕の沙織はめっちゃ嬉しそうにケースを受け取りはしゃぎはじめた。
他の沙織達も僕の沙織へのサプライズが成功したのを見て喜んでいた。
そしてすぐに僕の沙織はその場でケースを開けると、中に入っていた長い銃を手に取り不思議そうに首をひねった。
「なんだこれは???wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww銃倉がなくては弾が装填できないwwwwwwwwwwwwwwwwあと見たこともないパーツがいっぱいあるなwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「ああwwwwwwwそれは弾はいらないんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしかし無限に弾が撃てるぞwwwwwwwwwwwwwwそのでかい銃身つけるととんでもないのが撃てるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちなみに私もこの時にそれをもらったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
未来から来た沙織は見えないように担いでいたM16-A4を僕の沙織に見せた。
確かにそれは使い古してはいるんだけど、ケースの中の物と同じだった。
「銃弾がいらないならM16から何が飛び出すんだ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「魂だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「魂?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「そうだ過去の私よwwwwwwwお前の気持ちが爆発すれば爆発するほど威力が増すwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww全てのアニメでそうだったろう?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww主人公の気持ちが頂点に達するとロボットも武器も体も信じられない力を発揮するんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「そうかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私の気持ちが高まれば凄いのが撃てるんだなwwwwwwwwwwwwwwwwよくわかりましたwwwwwwwwwwwwwwwww」
不思議そうな顔をして未来の沙織の話を聞いていた僕の沙織は、このあってはならない「本物」の話し聞いて素直に返事をした。
何が気持ちが爆発すれば威力が増すだよ…
そのアニメの中だけでしか通用しないインチキ科学がなんでリアルで通用するの?!
何で沙織もすんなり納得してるの?!
というか、元の世界に戻ったら絶対に僕、沙織から逃げきれないじゃん!!!
永遠に撃ち続けることができる銃とか止めて欲しいんですけど!!!!
「M16-A4沙織改wwwwwwwwwwwwwwwww大事に使ってくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあと差身にはこれをwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
未来の沙織は僕にベルトに括りつけることができそうな小さなバックを渡してきた。
「これは…?」
僕がそっとそのバックを受け取り未来の沙織を見上げると、未来の沙織も嬉しそうに病んだ笑みを浮かべていた。
「ああwwwwwこれは我々がニャンパスの穴の中の空間がどのような仕組みで存在しているのか研究した成果だwwwwwwwwwwwwwwwwww名づけて無限のバックwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそのバックには無限に物が入るwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしかも重くならないから差身の得意な投石用の石もそこに入れると良いwwwwwwwwwwwwwwwwwwww昔から私は物をなくしやすいから私から預かったものもそこに入れてくれwwwwwwwwwwwwwwww未来の差身もまだそのバックを使ってるぞwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
なんですか、その猫型ロボット的なテクノロジーは…
でも未来の沙織から僕は大きな優しさを感じ取っていた。
多分この先、僕も僕の沙織も2人で色んな「本物」の事件を乗り越えていくんだろうけど、それを心配しているというか応援してくれているんだろうな。
さっき城内に入ったばかりの僕の沙織をめっちゃ心配してくれたように、僕のことも心配してくれているんだろう。
きっと色んな過去の記憶と、その時の苦しみや喜びを、未来の沙織は思い返していて、これから未来に向かって歩いて行く何も知らない僕達を「頑張れ」と応援してくれているのだ。
そう考えると、ちょっと切なくなるなあ…
無限のバックも大事に使おう。
僕は無限のバックを腰に括りつけた。
「じゃあそろそろステージにあがるかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんな!今日は『本物』の戦争を盛大に楽しもうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
そう言いながら僕の沙織はケースから出したM16-A4沙織改を組み立て右手に持ち肩に載せた。
ついに戦争が始まる。
みんなの心はがっしりと1つにまとまり熱く燃え上がっていた。




