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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の入学式編wwwwwwwwwwwwww
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29/204

第29話「本物」の抑圧からの開放wwwwwwwwwwwwwww

 沙織を肩車した武士は整地された平坦な道を歩くかのように、険しい急斜面をどんどん上がっていった。

 僕は色々詰めたリュックを背負ったままだと確実に動けないのでお堂の中にリュックを放り込むと、RPGを担いでかなり後れを取ったが沙織の後を追った。

 

 念のためジャージも長袖のを着てきたし軍手も持ってきてたから助かったよ。

 なかったらこの崖といってもいいくらいの斜面を登るだけでも、傷だらけになってしまうところだった。

 沙織と離れると死ぬ可能性がどう考えても高いし、帰りたくてもニャンパスの穴を1人で移動できるとは思えないんだよな…

 帰ったとしてもまたコブ達にニャンパスの穴に突き落とされるという無限地獄が待っている気がする。

 結局沙織をデレさせて沙織の心を満たさないと僕は絶対に帰れないのだ。

  

 あー、もはや佐藤さんのことどころか、自分の命を守るだけで精一杯だよ。

 もし沙織が言うようにこの世界に佐藤さんがたどりついたのだとしても、果たして生きているのだろうか?

 全く持ってどうにもならない…


 僕がグルグルと解決もしない「本物」の難題を考えながら、必死になって沙織の所へ斜面をよじ登っている時だった。


 凶悪なズバアアアアアアン!!!!という銃撃音が僕の頭の上で鳴り響いた。

 これは単発で重い音だからライフルの方だね…

 下の方にいると思われる敵をスコープなどで捕捉しているからだろうか?

 一定の間を空けながら沙織は発砲を繰り返していた。

 

 ちょっと待ってよ!!!!まだ僕は上にたどり着いてないんですけど!!!!

 その銃弾が当たったらどうするのよ!!!!

 僕が背負ってるRPGって戦車も破壊するんでしょ?

 お前が撃ってる弾がRPGに当たったらどうするのよ!!!!!

 どう考えても僕の体が粉々に砕け散るんじゃないんですかね!!!!

 めっちゃ危ないから止めて欲しいんですけど!!!!!


「沙織!!!待ってくれ!!!!危ないから!!!当たったら死んじゃうから!!!」


 僕が下から叫ぶと斜面の上から沙織は病んだ笑みを浮かべながらこちらを覗きこんだ。

 沙織は必死によじ登ってる僕を見て「仕方ないなあ」という感じの表情を浮かべると、沙織の横にいた屈強な武士に何か話しかけた。

 するとその武士は一気に斜面を滑り降りるように僕のところまで来ると、僕をRPGごと抱え込み狼のごとく沙織のところまで駆け上がった。

 

 沙織は伏せた状態でライフルを地面に設置し構え、下にいる敵を狙撃する準備をしていた。


「全く差身はしようがないなあwwwwwwwwwwwwww戦況は1分1秒変わっていくのにwwwwwwwwwwwwwwwwww少し私の後ろで待機していてくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれからそっちのショルダーバックをこのへんに置いてくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は伏せたまま僕に持たせていた3つのショルダーバックのうち1つを指さすと、ライフルより後ろで沙織の手が届くところに置くよう僕に指示した。

 沙織は双眼鏡であちこち見回したりしながら敵を見つけると、スコープで敵を補足し1人1人撃ち殺していった。

 それは僕の憶測ではあるんだけど、ほぼ間違いなく撃ち殺していると思う。

 だって沙織がぶっ放す度に、下の方から断末魔の叫びが聞こえてくるし、徐々に下の方が騒がしくなってきてるんだよね。

 

 僕が持たされていたショルダーバックには銃弾が入っていたらしく、沙織はショルダーバックから銃弾を取り出しライフルに装填しながら冷静に下に向けて発砲し続けた。

 沙織は人1人の命の重みなんて全く気にすることなく、ショルダーバックの中の銃弾がなくなるまで殺し続けた。


「うっひひいっひひひひひひひっひひwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこのブラックラグーンでありヨルムンガンドでありデストロ246とも言えるAKでの狙撃wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこんなに続けて人を撃ちまくったのは初めてだwwwwwwwwwwwwwwwwwなんていい時代なんだwwwwwwwwwwwwwwwww誰にも咎められず人を殺すことができるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

 そう言った沙織は冷静だった。むしろ落ち着いて見えた。

 沙織は伏せたまま美しい目を細め、たくさんの死体が転がっているであろう下の雑木林を眺めた。

 いつもだったら心に溜め込んだものを爆発させているような卑屈さを感じることが多いんだけど、今の沙織はめずらしく充実感に溢れ満たされているように見えた。

 まるで憑き物が取れたかのようだ。

 学校というか僕達の世界で沙織のやってきたメチャクチャな破壊活動は、決して世の中に認められるものではなく、むしろ処罰の対象になるものだ。

 

 もしかすると沙織は、生まれて初めて沙織のしたいことを思い切り実行したのかもしれない。

 生まれてからあまり家を出させてもらえず、厳しく、そして必要以上に大事に育てられてきた。

 ずっと意識していなかったかもしれないけれど、沙織にとってそれは我慢の連続で、沙織の今までの人生は抑圧の連続であったともいえるだろう。

 

 厳しい修行を繰り返し煩悩を削ぎ落した高僧のように、沙織は今、全ての苦しみから初めて開放されたようにスッキリとした顔をしている。

 人を殺したい衝動に襲われていくら人を殺しても問題のない世界。

 沙織を受け入れてくれるニューワールド。

 何故だろう。沙織が少し大人になったように見える。 


 だがしかし、沙織の破壊衝動はまだまだ終わることなく、次の作戦に移るのであった。

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