魔女の家
──階段を上がる。
「ここが君の部屋になる…予定だ。」
そこは、昔私が使っていた部屋で、今は物置として使っている部屋だった。父が家具はそのままにしておいたので、清潔魔法を使って、ある程度きれいにしておいた。
「へやを…いただけるのですか…!?」キラキラ
目を輝かせて私のことを上目遣いで見てくる。この子はどこまで可愛いのだろうか…。
「う…うんっ!そうだ…ほら…一緒に掃除するのを手伝ってくれ」
そうしておいてあったものを外の納屋へと運び出す。なんとかいらないものを全てを運び出し、収納することができた。残ったのは、本棚と私が昔読んでいた本、そして机とベット。
「何か足りないものがあったら言うんだぞ?」ヨシヨシ
煤がついた顔を拭ってやり、頭を撫でてやった。
──最後に向かったのは、一番奥の部屋だ
「ここが、私の仕事場だ。ほら、足元気をつけて」
扉を開けると、カータは鼻をスンスンと鳴らし匂いを嗅ぐ。まぁ気持ちはわかる。私も昔そうだった。ここは面白い匂いがする。乾燥した薬草の清々しい香りと、どこか香ばしい羊皮紙、そしてかすかに漂う鉱物の煙の匂い。
そうして部屋の中を一つずつ紹介していく。
部屋の奥の壁の方には、1階からどっしりと貫く大きな煉瓦造りの煙突が存在感を放つ。
壁一面に並んだ重厚な本棚には、年月の経った革装丁の魔導書や記録がぎっしりと詰め込まれ、薬品机には、様々な素材が封じ込められた薬瓶が整然と並んでいる。
大きな作業机の上では、小さな大鍋が静かに湯気を立て、使い込まれた実験器具が周囲を囲んでいる。
奥の観測窓からは、大きなガラス窓越しに外の森と田畑が広く見渡せ、やわらかな自然光が工房全体をあたたかく包み、乱雑でありながらもどこか厳格な秩序が保たれたその空間は、ここが真摯な探求と日々の生活が溶け合う。
「私の専門は薬学と薬草学。その他簡単な属性魔法を使うこともできる。どうだ…この場所は気に入ったかな?」
少し私に怯えたようにこちらを見る…耳はぴくぴくと興味を示しているようにも見えるが…やはり魔女っぽいものに少し抵抗があるのだろうか…というかここにいるとより一層私が怖く見えるのもあるだろうが…ハァ
「ここには…あまり近づかないように。仕事中は少し危ないこともあるからね」
そう言って部屋の外に出て扉を閉める。
「さて、すっかりお昼になってしまった。少し休憩にしようか。何か食べるものを作ってくる。いいかい?」
そう言って私は…普段作らないパンケーキを作ろうと決心したのだった。
──何はともあれ信頼関係を築くことは大切だろう。あまり同居人に怖がられるのも嫌だし…だが、信頼とはどう築いて行くものなんだろう…?そうだ…何かをプレゼントしよう。何がいいか…(インクで滲んだあと…)




