ご飯を食べる
台所に立ち、昨日作ったスープを温め直す。
私のシャツを着せたが、小さい彼には不釣り合いでブカブカな裾を引きずり大きな椅子に腰掛ける彼。名前はカータ…?というらしい。こちらの言葉では珍しい名前なので、よその国や地域から来た可能性が高そうだ。
というかさっきからずっと私のことをジーッと見てくるので正直少しやりずらい。
今では気にならなくなったが昔学校で歩いているときに男子たちに向けられる異様なものを見る様な目を思い出す…。デカブツだのなんだの言われたが…今では当時より大きくなってしまったのでこの家も少し手狭である…。
両親が小さいのにデカくなったのは全くどういうことなんだか…ハァ
「よし。できたぞ」コトン
テーブルに二つのスープを並べ席に着く。
「いただきます」
「いたらきます」
言えてないじゃないか…。
そう思いながらスープを口に運びながら彼の様子を見ていたが…
「…!?」ピクンッ!
目があったとたんそらされてしまった。
「ほら…君もお食べ…」
毒がないことを証明するように私はスープを飲み込む。
それに続いて彼も飲もうとするのだが…
「あっ…!」
「大丈夫か!」
そうか…熱くし過ぎた…!
「す…すまない!大丈夫だったか?」
慌てて駆け寄るが彼はうるうると目尻に涙を浮かべながらこっちを向く。
「あぁあぁ…ごめんよ」
彼を抱き寄せ頭を撫でる。
「ご…ごめ…なさい」
そう言って何故か彼も私に謝り、尻尾を私の足に絡めながら耳をしゅんとさせている。その姿を見ていると申し訳ない気持ちでいっぱいとなりなんとか打開策を打ち出そうと…そうだ!
「そ…そうだ…!冷ましてあげよう。ほら…」フー…フー…。
お…思ったよりも恥ずかしいぞ…これ…。
そうしてスプーンに乗せたスープを冷ましてから彼の口元へと運ぶ。彼は警戒しながらもそれをそのまま…パクりと
口に含んだ。
その途端、耳がピクっと動いたと思うと少しずつご機嫌なようにピクピクと動き出した。
顔は見えないが…美味しかったのだろうか。
「ごしゅじんさま…おいしい」
急に上を向いてこちらを見上げてくると…そんな可愛い一言を私に言ってきて…耳をぴこぴこと私の胸に当ててくる。
「あ…あぁ…よかった。あとは一人で食べれるね…?」テレテレ
なんだ…この生物は…!私は慌ててスプーンを返し元の椅子に戻りパクパクとスープを平らげた。…というよりも、この子に顔を見ない様にする理由が欲しかっただけなのかもしれない…
顔が熱い…。ハァ
モルガンの観察日記
今日から日記を書こうと思う。
あの子をご飯に入れたあと、名前を教えてくれたりご飯を食べてくれたりしたのでひとまず安心したが、両親の記憶、そしてどこから来たのかなどについては覚えていないのか聞かせてくれることはなかった。
性別は男の子。
身長は90センチほどで私とは2倍ほどの差がある。…とても小さいので、椅子か何かを使わないと生活に支障をきたすだろう。私が歩くとこちらを伺うようだし…(ペンをトントンとした跡)…これからの事を考え書き留めると羊皮紙がいくつあっても足りないな…




