勘違い
いつもの宿に向かい、二人で泊まるのだからとダブルルームの部屋を借りると、荷物を預けて色々と調達するためにを買いに商業通りへと向かう。まず最優先で行くのは…。
雨季だからか…建物の壁には所々蔦が生い茂り、石畳には苔が生えている。そんな通りは商人と行商人、それに買い物客でごった返しになっていた。
「晩御飯前はやはり少し混むな。いいか?絶対に手を離してはいけないよ」
こくりと頷いたカータの手をぎゅっと握る。
そうして2ブロック程度進んだ先にある仕立て屋になんとか入ることができた。
「いらっしゃいませ。今日はどんなお洋服をお探しでしょうか」
「この子に合いそうなものを何点か見繕っていただきたい。それと…寒く無いように防寒具も」
「失礼致します」
そう言って私の手をまだがっちりと握りしめているカータにメジャーを当て、素早く採寸を始め、多くのものを提案し、そのままあれよあれよとカータは試着室の方に連れて行かれた。
「いかがでしょう。少々値は張りますが、あなた朝まのお隣を歩くにしては今のままでは少々問題があると感じます。そこでこちらのケープにチェックスカートを合わせた知的なスタイルでは…」
「な…!?」
そこには茶色のローファーに長めのホワイトソックス、ブラウスのシャツの首元には大きめのリボンがあしらってある。その上に赤いショートケープを纏った愛くるしい天使が…チェックスカートなんて…!
(か…可愛すぎないか…?)脳内にこの記憶を焼き付けるとともに、なんとか心を落ち着かせようとする…
「こ…この子は男の子だ!」
「…へ?」
どうだと言わんばかりにドヤ顔で紹介していた店員は一気に素っ頓狂な顔へと変える。真っ赤な顔のまま文字文字とこちらを見つめるカータに、胸に矢が刺さったかのような衝撃を受けるっ!!
「し…失礼致しました!お客様も…申し訳ありません!」
ペコペコと謝る店員にカータはエヘヘと真っ赤な顔で照れ笑いを浮かべている。
そうしたアクシデントを乗り越えて、私たちはなんとか服を調達することができたのだった。
(…無論、最初に提案してくれた服も購入した…。)




