掛け合い②
「楽しかった運動会」
「運動会!」
「はしゃぎすぎてた田中先生」
「田中先生!」
「見ていられなかった保護者競走での父さんの走り」
「父さんの走り!」
「僕たち、私たちは」
「卒業します! ……って、それだと学校で運動会しかやらなかったみたいじゃん」
「だな。じゃあ、やり直し」
「はい」
「楽しかった運動会」
「運動会!」
「つまらないし長かった朝礼での校長の話」
「校長の話!」
「はしゃぎすぎてた田中先生」
「田中先生!」
「僕たち、私たちは」
「卒業します! って、今回の田中先生は何にはしゃいでたの?」
「田中先生はいつだってはしゃぐんだよ。ハイテンションキャラだから」
「担当の教科は体育かな?」
「それ、偏見」
「そういや、体育の先生で、たまにチンピラみたいな人いない? よくあれで教員試験受かったなと思うんだけど。試験官を脅したりしたからかな? チンピラっぽくて怖いから」
「偏見がひどすぎて、公の場で発言したらやばいやつだろ、それ。体育教師協会からクレームが来るぞ」
「何だよ? 体育教師協会って」
「いやー、きみら、さすが、よく練習するね」
「あ、いや、今の会話はネタの稽古じゃないです」
「『ペンション』さんほど真面目で練習熱心じゃないですし、僕ら」
「え? マジで? テンポとか間とか完璧だったけど」
「はい」
「普段から、話してると、ついネタみたいになっちゃうんですよ」
「……天才」




