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くすぐり合いっこ・後

明日の更新は12:00、14:00,20:00の予定です!

「そ、それじゃあ行くぞ、朱莉・・・」

俺が朱莉の脇腹に手を伸ばすと同時に、朱莉も俺の脇腹に手を伸ばす。

傍から見れば意味不明な光景になっているだろう。


そして同時にタブレットの画面が切り替わり、タイマーが表示される。

『それじゃ、スタート!』

スグルの声を皮切りにして、俺たちは同時に指を動かした。


「っ、くく・・・!」

俺は即座に笑いそうになってしまったが、なんとか息を飲み込んで堪える。

ここで笑ってしまってはダメだ、まだまだ耐えなければならないのだ・・・!


しかし朱莉の指はしなやかで、容赦なく俺の脇腹をくすぐってくる。

「うううう・・・!」

耐えるしかないので唇を噛む。

そしてこれだけくすぐられると、俺も負けていられないような気がする。


やはり負けん気の強い朱莉の兄という性質はどこでも変わらないのだろうか。

「お、俺だって負けないぞ・・・!」

「なによ・・・!」


俺が宣戦布告をすると、朱莉は面白そうに少し笑顔を見せる。

この場でも笑顔を作っていられるのは、やはり気の強い彼女らしい。

俺はその隙をついて手を動かし、朱莉の脇腹を勢いよくくすぐった。


「ん、きゃっ・・・!」

朱莉はびっくりしたようだったが、すぐに笑い声を漏らさないように唇を噛んだようだ。

「・・・容赦ないわねぇ」


朱莉はすねたような目でこちらを見つめ、わき腹をくすぐる勢いを強めて来る。

「あ、ちょっと、ううう、我慢できなくなっちゃうって、朱莉・・・!」

勝負心に火が付いてしまったのが良くなかったのだろうか、朱莉はこれがミッションであることを忘れているかもしれなかった。


「あ、朱莉、手加減して・・・!」

「手加減? なんでそんなのしなきゃいけないのよ~、ほらほら!」

すっかり朱莉は火が付いたようだ。

俺の脇腹をくすぐりながら、にやにやと笑顔を向けて来る。


いけない、このままじゃ笑ってしまう・・・!

俺はどうすれば良いのか分からず、お返しにと朱莉の脇腹をさらにくすぐった。

「ひゃあっ・・・!」


するとそれにつられたのか、朱莉が俺をくすぐる手つきがさらに激しくなった。

「あははっ!」

俺はついに我慢できなくなり、笑い声を立ててしまった。


「あっ、笑っちゃった・・・!」

「やった、私の勝ちね!」

すっかり趣旨が変わってしまっているような気がする。


「朱莉、それじゃダメなんだって、笑ったらアウトじゃんか」

「あっ! もうやだ・・・負けたくないって思ったら、つい・・・!」

やはり負けん気が強いのが裏目に出てしまったらしい。

するとタブレットの画面が付き、驚いた様子のスグルが顔を出した。


『もう、二人とも! こんなにすぐにアウトになるなんて! これで第二ブロックも失敗かあ・・・。それじゃ、これで第一ブロックも第二ブロックもダメだったわけだね・・・』

スグルは頭を抱えて悩みこむような仕草を見せた。

悩ませてしまって申し訳ない・・・。


しかしそれからすぐにスグルは何かを思いついたようで、ピンと指を伸ばした。

『そうだ! まだ一つゲームがあった!』

そしてその声を皮切りにするように、パーテーションの後ろからスグルが飛び出してくる。


「何だスグル、やっぱりそこにいたんじゃん」

「いいんだよっ、今はそんなことは」

「・・・俺は気になるんだけどな」

と、そんなことを言っていたが完全にスルーされた。


さらにスグルは教室のどこからともなく箱を持ってくると、その中身を第三ブロックであろう空間に広げ始めた。

なにかレジャーシートのようなものを敷いているように見える。


「スグル、何してるの?」

「うん? なんだろう恩情かな」

「恩情・・・?」


それはつまりお情けをかけてもらっているという事なのか?

俺が不安になってスグルの方を見つめていると、スグルが完成させていたのはツイスターゲームだった。

・・・第三ブロックのミッションは、ツイスターゲーム・・・?


「え、スグル、第三ブロックって・・・」

「そうそう、まあ顔に出ている通りですよ。第三ブロックはツイスターゲームをクリアしてもらおうと思います」

「いや、ちょっと待てって・・・!」


俺はツッコもうとしたが、もはや言葉が出ない。

なんかもうそれぞれのゲームがお楽しみ会のレクリエーションみたいになってないか⁈


「スグル、もうなんかお楽しみ会じゃん!」

必死に言葉を絞り出すと、スグルは鼻を鳴らしながら笑った。

「そうは言われても・・・ボクがお情けで追加してあげるゲームに参加してくれないなら、強制的に脱出失敗扱いになっちゃうけど・・・」


そう言われたからには、俺たちも従うしかなかった。

「で、でも、ツイスターゲームなんて・・・」

今までは耳元でささやいたり、わきばらをくすぐったりとまだかわいいものだった。


だがツイスターゲームとなると、本格的にお互いドキドキしてくるはめになっている。

・・・というか、ドキドキって、このドキドキか⁈

今さらになって気が付いても、もう遅いのだけれど。




まさかの、ツイスターゲームスタート

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