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天誅でござる。

これって無双って言って良いのかな?


今回は少し長めになってしまいましたがどうか宜しくお願いします。

 夜も深まり、盗賊たちは歩いてアガット村へ向かった。


 意外と近くだったようであまり時間も掛からずに村に到着した。


 下っ端の盗賊から聞いた話によると、アガット村は20戸ほどの民家と村の中に中規模の畑などがある楕円形の村らしい。


 村の周囲は高さ2メートルほどの土壁で囲まれ、村の東西二ヶ所に木材で出来た門があり、夜は門が閉めきられているらしい。


 盗賊たちは村の周りを取り囲んだ。ゴンゴルは東門、ゴルチは西門にそれぞれ散らばり、東西の門周囲には特に腕利きの者を多く配置したようだ。


 俺が[暗視]スキルを奪ったせいで夜目の効かなくなった盗賊たちは、それぞれ持っていた松明に火をつけ村を取り囲み闇夜を照らす。


 さすがにスキルの無い状態で月明かりだけで襲撃を行うことは無いようだ。


 俺にはゴルチのお目付け役が付いているので必然的に西門のゴルチの方へ振り分けられていた。


 そして盗賊たちの歓声があがった。


 うわー…。これじゃ襲撃の意味が全くねぇな…と内心思う。すると…


「兄貴…あれだけ言ったのにまた襲撃前に騒いで…」


 ゴルチが小さく呟いた声を聞いて、コイツも苦労してるんだなとは思ったが所詮盗賊なので同情はしない。



「…門を開けて奪いつくせ!いけ!!」



 ゴルチは気を取り直して盗賊たちへ命令を下した。


 命令が出たと同時に部下たちは土壁をよじ登り直ぐに壁を乗り越えていく。


 1分もしない内に門が内側から開けられ、松明を手に持った盗賊たちが村の中へなだれ込んでいく。


 俺もその中に交り村へと入り込む。




 村の中は悲鳴と怒号が既に飛び交っていた。

 村人らしき男達と盗賊らが戦っていたり、民家から若い女を連れ出だそうとしている盗賊たちが目についた。


 俺は直ぐに村の隅にある民家へ向って走る。


 民家の裏へ隠れて即座にアイテムボックスから、ゴブリンと戦った時に奪い取っておいた『鉄の短剣』を取り出し装備する。


 そして民家の裏から少し離れた位置で息を潜めていると、想定していた通り俺のお目付け役の大男(ホモ)が走ってきた。



 俺を見失って松明を持ったままキョロキョロと俺を探しているようだ。


 俺は静かに大男(ホモ)の背後に近づき、後頭部を左手で掴み右手のナイフで首筋を横へ凪いだ。


「ゴボッ…」


 大男(ホモ)は首と口から勢いよく血を噴き出した。数秒もがき続けたが直ぐに力が抜けその場に倒れ込んだ。



 これで俺は自由な行動がとれるようになった。



 俺はそのまま大男(ホモ)が持っていた状態の良さそうな大剣をアイテムボックスへとしまって、次の標的を走りながら探す。


 そして他の盗賊たちの目が届かないところで、盗賊行為を行っている連中を一人一人喉笛を切り裂き確実に殺して行く。


 殺した後に武器はもちろん回収していく。


 俺がここまでスムーズに動けているのは盗賊たちに“仲間”だと思われていることもあるだろうが、やはり[暗視]と[短剣術]のスキルがあってこそだろう。


 他の連中が見えない闇夜でも俺は当たり前のように見えるし、短剣の扱いも慣れ親しんだ武器の如く自在に扱える。



 まるで機械のように作業的に殺していく中で5人目を殺した後、自分の動きに違和感を感じた。


 ステータスウィンドウを開いて確認すると[暗殺術]のスキルが増えていることに気付いた。


 俺はウィンドウを閉じて、直ぐさま作業に戻る。


 それから10人殺すとレベル2に。


 更に20人ほど殺した辺りで動きがまた良くなったのでまたスキルのレベルが上がったのだろう。



 単独で行動している盗賊は粗方殺してしまったようなので、休憩がてらウィンドウを見ながら確認してみると、やはりスキルのレベルが上がっていて[暗殺術]がレベル3に。


 そして[短剣術]もレベル4になっていた。


 俺自身のレベルアップもしていたようでレベル5になってステータス値もかなり上がっていた。


 大幅に強化はされているがやはり盗賊と言えど“人殺し”をしているので気分は上がらない。


 ただ、人を殺すことでもレベルアップは出来るんだな、と冷静に考えた。



 俺が自分のステータスを確認していると、所々から盗賊たちの叫び声が聞こえてきた。


 どうやら物陰などに隠しておいた、俺が殺した盗賊の死体が見つかり始めたのだろう。


 俺は装備していた短剣をアイテムボックスへと収納すると、何喰わぬ顔で盗賊達が集まっている村の中心にある広場へと向かった。



 到着するとゴンゴルとゴルチ、幹部連中や下っ端たちが集まっていた。


 その後ろには村人たちが集められていた。今のところ80人程だろうか、全員手足を縄で縛られている。


 女や子供には怪我などは余り見受けられないが、反対に男達は酷い外傷を負っている者達が見てとれる。


 どうやら村人で殺されてしまったのは数人で、降伏した村人達がこの広場へ集められている最中との事だ。


 子供達は殆どが泣いていた。大人たちは苦々しい表情や、怯えた表情をしている者達ばかりだ。


 



 俺はゴンゴルとゴルチに近寄り声を掛ける。


「ゴンゴル様、ゴルチ様。一体どうしたんですか?先ほどから仲間たちの悲鳴や叫び声があちこちから聞こえてくるので気になって此処まで来てみたのですが…?」


 すると話し合っていたゴンゴルとゴルチは俺を見やり、一拍おいてゴルチが告げる。


「どうやら俺たちの仲間を殺しまわっている奴がこの村の中にいるらしい。かなりの数がやられちまったから一旦ここに集まってこれからどうするか検討する。お前は黙って周辺の警戒をしていろ」


 また作戦会議か、こいつら会議好きだなぁ。


 などと思いながらも、どこか淡々としているゴルチの態度に少し違和感を覚えたが…


「分かりました!警戒は俺に任せて下さい!」


 と、取りあえず元気よく返事をして周辺の警戒をしているふりをする。



 しばらくすると、これから行う作戦をゴルチから盗賊全員へ伝えられた。


 その内容をまとめると、


 (1)日が昇るまではこのまま広場で待機。ただし村から誰も逃げられないように3名ずつ東と西の門に仲間を配置する。

 

 (2)日が昇ったら民家で金目になりそうな物を散策し、奪った物資や村人を連れて拠点へと戻る。


 ということだ。



 俺はそれを聞いて門を警戒する役目に元気よく立候補した。


 “下っ端だがやる気のある新人”というキャラを装い怪しまれずに仕事を与えて貰った。ラッキーだ。


 俺は東門担当になった。


 東門メンバーは幹部1人に下っ端1名に、俺を加えた計3名。


 俺は下っ端より更に下の新人ということで一番後ろを歩いた。



 広場から見えなくなったところで、俺は下っ端の喉笛をアイテムボックスから即座に出した鉄の短剣で掻っ切った。


 そして、下っ端が崩れ落ちる前に幹部に素早く忍び寄り、また背後から後頭部を掴み動きを封じて一気にその喉笛を掻っ切る。


 40人近くの盗賊を殺した動作なので自然と体が慣れ最善の動きを取る。


 同行者2名を殺して死体を物陰に隠し、盗賊達の持っていた武器と鉄の短剣をアイテムボックスへと収めて、俺は即座に走りだし外周を回って西門へと周る。



 俺が外周の壁沿いを走って来たので西門担当達は少し身構えたが、俺が仲間であり新人だと分かると警戒を直ぐにといてしまった。


 ふっ…盗賊なんてチョロイもんだぜ。


「すみません。門を担当するメンバーを1名ずつ増員するはずだったみたいなんですが、2名が東門に来ちゃったので俺は西門へ行けって言われてこっちに来ました。宜しくお願いします」


 俺は内心嘲りながらも笑顔で告げる。


 盗賊たちはそれを聞いて…うん。やっぱり特に疑問に思うこともなく信じたらしい。



 西門担当の幹部が、


「朝までは長いので2名ずつ交代で見張りをする」


 と言い出したので、皆それに従う。


 俺は下っ端ということもあり、ここでも見張り役へ立候補する。


 幹部がもう一名の見張りを選抜し、俺はそのもう一人と一緒に見張りに立つ。


 見張り役にならなかった幹部ともう一人の下っ端は近くの民家へと入って行った。


 こうなってしまえば俺の独壇場だ。


 しばらく時間が過ぎ、俺は元の世界では使い尽くされたアクティブスキルを使ってみることにした。



「あっ!あそこ!」


 と言って俺が遠くを指差すと、もう一人は釣られて俺が指差した方を見る。


 俺はアイテムボックスから鉄の短剣を取り出しながら即座に近寄り喉笛を掻っ切る。


 盗賊が崩れ落ち息絶えた事を確認してから、俺は物音を立てないように民家へ近寄る。


 そして、そっと扉を開くと思った通り幹部と下っ端が仮眠をとっていた。


 寝ている2名とも、もちろん直ぐに喉笛を掻っ切って殺した。



 2名を殺した時にレベルアップした時の違和感を感じて、俺は潜めていた息を大きく吐き出した。


 そしてこれからの行動を考える。


 今までは一方的にほぼ同じ殺し方で暗殺できたが、そろそろこうやって殺すのも限界かもしれない。


 残りの盗賊はゴンゴルとゴルチを合わせて8名だが一ヶ所に固まっているのできっと暗殺は出来ないだろう。




 アッ…!?




 一瞬…先程のゴルチの態度を思い出し、違和感の正体に気付いた気がした。



 ゴルチはもしかすると俺が殺し回っていることを勘付いているのかもしれない。


 あいつは元々俺を信用せず俺にお目付け役を付けた。だがその俺がお目付け役と一緒に戻って来なかったのに、そのことを何も言わなかったのも今となって考えてみればかなり怪しい。


 これはもうバレてると思って行動した方が良いかもしれないな…と考えていた。その時だった。



「あんたがこいつらを殺したのか?」



 突然後ろから声を掛けられ、俺は驚いて反射的に後ろを振り返った。


 そこに居たのは…

 

ブックマークや評価や感想など頂けると幸いです。


あ…でも、精神的に弱者なので出来るだけ甘口でお願いします…orz

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