やっとボス戦。
お久しぶりです。
盗賊たちとの戦闘も大詰めです。
ブックマークが少しずつでも増えてたので続きを書く元気が出ました。
有難うございます。
そこに居たのは獣耳と獣尻尾の生えた女だった。
「俺がこいつらを殺したとしたら、どうする?」
耳と尻尾がどうのこうのいう前に、突然声を掛けられたことに動揺していたのでほぼ断定したような答えを返してしまう。
「どうするも何も、あんたがこいつらの仲間じゃないんだったら手を組めないかと思ってね~。私は冒険者のアリア。このアガット村には行商人の護衛依頼で来てたんだけど、タイミング悪くこんなことに巻き込まれちゃってね~。正直、私一人じゃどうにもならないと思ったから、せめて盗賊たちに捕まらないように息を潜めてたんだ~」
一通り喋るとアリアはドッグタグの様な首に下げた金属プレートを見せてきた。
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アリア
冒険者:ランクD
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夜中で明かりもついてない部屋の中なので俺みたいに[暗視]スキルを持っていないとその金属プレートって確認できなくないか?とか思っていたら、
「あんたが賊を暗闇で殺して回ってたのを見てたから、暗視スキルを持っているのは分かってるよ~?」
どうやら色々と観察されてスキルも全てではないがバレてるようだ。
俺は即座に考える。
これまで戦ってきた感じだと1人でも盗賊たちを殲滅することはできるだろう。
だが、残った盗賊たちの傍には村人たちがいる。最悪の場合は村人が犠牲になることも考えられる。
全くの他人ではあるのだが、やはり一般人をなるべく犠牲にはしたくない無い。
綺麗事と言うよりは日本人の感性や感情をもっている為、どうにも村人たちを見捨てて自分だけ逃げるという選択肢を選びたくないのだ。
この世界に来て既に大量に殺人を犯してしまってはいるが、好きで殺してるわけでも無いし、さすがに罪も無い村人を犠牲にしても良いなんてことは思っていない。
「どう?力を貸してもらえないかな~?」
「…いいだろう。ちなみにお前は、何か作戦は考えてあるのか?」
「それはこれから二人で考えるんだよ~。それと、お前って呼ばれるのあんまり好きじゃないから、ちゃんと名前で呼んでもらえるかな~?」
「…わかったアリア。…俺の名前はハヤテだ。俺のことは好きに呼んでくれて構わない」
こうした会話の後、俺たちはさっそく作戦を考えて実行することにした。
俺は怪しまれないように東門まで一度戻ってから、ゴルチたちのいる広場へと走った。
「ゴンゴル様!ゴルチ様!東門の方に襲撃者が現れました!今は何とか食い止めていますがこのままではやられてしまいます!援護に何名か送ってくれませんか!?」
俺はなるべく必死さを込めるようにお願いしてみた。
「よし!俺様が襲撃者をぶっ殺してやる!部下をたくさんやられちまったからな。やられた分の借りは俺が返してやるぜ!!」
ゴンゴルがそう勢い勇んで東門へ走り出そうとした瞬間、
「待て兄貴!」
ゴルチがゴンゴルを呼び止める。
俺はこのとき、もしかして犯人が俺ってバレたのかな?と少し身構える。バレてませんように!
「なんだ?」
「兄貴。たぶんその襲撃者は女の獣人だ。シーフ系の冒険者で名前はアリア。そこの行商人を護衛してこの村に来ていたらしい。そいつがこの捕まっている中に居ないのも確認をとっている。俺たちに姿も見せずに襲撃が可能なのはそいつくらいしかいないだろう」
「おお!さすが俺の弟だ。んじゃその冒険者をさっさと狩っちまおうぜ!!」
「いや…女の獣人をこの暗闇で狩るのは難しいだろう。それにこっちには人質っていう切り札もあるし今は動かないでいた方が良い。こちらから狩りに行くと罠やら奇襲やらで俺たちのほうがきっと分が悪い。なんたって相手はシーフ系統の冒険者らしいからな」
ゴンゴルは相変わらず頭の悪い発言だが、ゴルチはさすがに自分たちの状況の把握が正確だ。
…これで引っかかってくれたらチョロかったのになぁ…。
何て思いながらもちゃんと引っかからなかった場合の作戦も考えてある。作戦とか呼べるものでも無いけど。
盗賊たちは全員この場に集まっているようなので俺はごく自然に下っ端の仕事をかってでる。
といっても見回りくらいしかやることは無いので他の下っ端と一緒に見回りに行くふりをして盗賊の数をコツコツ削る。
建物の影で5人ほど無音で殺した後、盗賊たちの数を確認するとゴンゴルとゴルチを入れて残り4人。
そろそろ一気に殲滅するか。
俺はゴンゴルとゴルチに向かいながら両腕を上に挙げて大きく背伸びをするような仕草をした。
すると、
トスッ。
と、残りの盗賊の一人に矢が突き刺さる。何と右目に突き刺さっていた。痛そう…。
もちろんこの矢を放ったのはアリアだ。
スキルを除いたときに[弓術(3)]があったので援護射撃するついでに囮にでもなってくれればそれだけでも良いななんて思っていたが。
思っていた以上に使える人材だったようだ。
盗賊が倒れる音でゴルチも気づいたようで、
「兄貴!襲撃だ!矢で狙われてーーーー」
などと叫んでいる途中で、俺が一気に駆け寄りゴルチの首の動脈を切り裂く。俺が近くにいるときに油断しちゃいかんよ。
ゴルチは何が起こったのか自分で認識できていないままその場に倒れこみ痙攣しながらあっけなく死んだ。
俺がゴルチを襲った後、直ぐにもう一人の盗賊もアリアの矢に頭部を貫かれ絶命。
アリア怖ぇ…。とか思っていたらゴンゴルがいつの間にか俺の傍まで寄っていて、大剣を思い切り上段から振り下ろすのが見えた。
俺は咄嗟に真横に飛び退くが、その行動自体が読めていたかのようにゴンゴルは態勢を崩している俺の腹部に蹴りをいれる。
ゴンゴルの蹴りを思い切り受けてしまった俺の体は後ろへ数メートルほど吹っ飛んだ。
かなりダメージを食らってしまったようで、起き上がることがなかなかできずに血液混じりの血が吐き出される。
ゴンゴルはその間に追撃はかけてこずゴルチに寄り添って何か話しかけている。
俺が態勢をどうにか立て直して短剣を構えると、ゴンゴルもこちらへ向き直り、
「どうも何かがおかしいと思ってたらお前ぇが裏切ってたってわけだな。まさか頭が良くて用心深ぇゴルチが俺より早く逝っちまうなんてなぁ。…もう俺は完全にドタ
マにきちまったぜ。ぶっ殺される覚悟はできてんだろうな、新入り?お前だけは楽には死なせねぇからな」
完全にブチ切れて目が血走っているゴンゴルが俺へと低い声で静かに告げる。
はっきり言ってダメージも半端じゃなく、この世界で初めての暴力らしい暴力を受けて足が竦んでしまいそうになるが、ここで竦んでしまえば俺は絶対にこの盗賊に殺されてしまうだろう。
アリアの援護射撃の矢もゴンゴルは簡単に大剣で弾いているし、俺の命を救うことは期待薄だろう。
俺が自分で何とかできなければ完全に詰みという状況だ。
そこまで考えると、それまで死への恐怖に押しつぶされそうになっていた俺の心は急速に落ち着いてくる。
ーーーー俺はさ。逃げ場が無いって自分で判断したら、あとは全力で立ち向かう性格なんだよーーーー
俺は何度目かのアリアの矢を大剣で弾いて隙のできたゴンゴルへと一気に接近する。
ゴンゴルは大剣での防御が間に合いそうになかったのか片手を大剣の柄から外して腕でガードしようとするが、俺は短剣を捨ててそのゴンゴルの腕を掴む。
その瞬間俺の中にゴンゴルの[大剣術(4)]と[体術(3)]が流れ込むーーーー
俺は掴んだ腕をそのまま捻ってゴンゴルを地べたに投げた。
合気道など習ったことも無かったが力を入れずにこうして流れるように投げられたのはきっとその辺の技なんじゃないかと思う。
投げられたゴンゴルは大剣を取り落として悶絶していたので、俺はゴンゴルが落とした大剣を拾い、立ち上がりかけたゴンゴルの首をそのまま思い切り撥ね飛ばした。
切った跡から猛烈に噴き出してくるゴンゴルの血を浴びながら俺は今回の戦闘がやっと終わったということに安堵し、駆け寄ってきているアリアを見つめながら意識を失った。
※ゴンゴル撃破後の主人公のステータス
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ハヤテ・ユウキ
レベル:8
種族:人間
体力:60/60
魔力:41/41
筋力:30
知力:46
器用:35
敏捷:33
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スキル
・大剣術(4)
・剣術(3)
・短剣術(4)
・槍術(2)
・体術(4)
・弓術(2)
・馬術(4)[NEW]
・剛腕(2)
・暗視(4)[NEW]
・暗殺術(3)[NEW]
・火魔法(3)[NEW]
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特殊スキル
・神眼(2)
・鑑定(2)
・アイテムボックス(2)
・異世界言語(2)
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