ホモさんといっしょ。
明るい時間帯にUPできてほっとしました。
正月の三が日も今日で終了ですね…。
俺は今、盗賊団の副頭領の男“ゴルチ”の操る馬の後ろに縄でぐるぐる巻きにされた状態で座らされている。
人間と殺し合いになることに強い忌避感をもっていた俺は抵抗もせずに彼らに捕まることを選んだ。
と言えれば格好いいのだが、本音を言うと盗賊団の人数にビビっただけだ。
それに、例え勇ましく戦ったとしても、今の俺のステータスでは盗賊団全員を倒し切ることなんてとてもじゃないが出来ないだろう。
身ぐるみを剥されて縄でぐるぐる巻きにされている時に副頭領の男に、
「お前…よくこんな貧相な装備で草原に出たな…」
と、呆れられた。コイツの言う通りだとは思うが、俺だって好きでこんな装備でいたわけじゃない…。
少し頭にきたが、今のところは命が危険にさらされていないというのもあり、周囲を見回して盗賊団達のステータスを[鑑定]しまくる。
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ゴンゴル
レベル:11
種族:人間
体力:44/44
魔力:11/11
筋力:25
知力:15
器用:13
敏捷:12
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スキル
・大剣術(4)
・剣術(3)
・体術(3)
・馬術(3)
・暗視(2)
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ゴルチ
レベル:9
種族:人間
体力:27/27
魔力:27/27
筋力:10
知力:27
器用:18
敏捷:14
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スキル
・弓術(3)
・短剣術(3)
・体術(1)
・馬術(3)
・暗視(3)
・火魔法(3)
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全員を[鑑定]してみた結果、特に目立ったスキルやステータスが高めだったのはこの頭領と副頭領の2人のみで、あとはレベルもスキルも大したことの無い連中が殆どだ。
因みにゴンゴルとゴルチは兄弟らしい。
これはゴンゴルとゴルチが馬上で話しているのを聞いていて判明した。
他の連中とは明らかに2人で話す時の雰囲気が違う。
何よりゴルチがゴンゴルのことを『兄貴』と呼んでいて他の連中はゴンゴルのことを『頭領』と呼んでいたのでほぼ確定だと思っていいだろう。
たぶん義兄弟では無いだろうと思ったのはゴルチが、
「兄貴は昔からそうだがーーー」
とか、
「親父にも言われてただろーーー」
とかファミリートークを話していたからだ。
あとは名前のほうも安易にゴンゴルとゴルチだからというのは今さら言うまでもないだろう。
他に分かったことは…盗賊たちはこれから一度拠点に戻り俺を置いてから、本日の目標『アズッカ村』という村へ夜襲をしかける準備をするということだ。
俺は考える。
このままの状態ではスキルを奪って反撃することはおろか、逃亡することすら夢のまた夢でしかない。
奴隷商に叩き売られて一生を奴隷として生き、この世界での生涯を終えるだろう。
そんなのは嫌だ。
そして考えた結果導き出された発言。
「ゴンゴル様!ゴルチ様!俺もこの盗賊団に入れてくれませんか?どんな仕事でもします。必ずゴンゴル様とゴルチ様の役に立ってみせます!それに、俺は元々住んでいた村でこの盗賊団“死肉のハゲタカ”の噂を聞いて、俺もこの栄光ある盗賊団に加えて貰おうと思って村を出たんです!」
それを聞いたゴルチが答える。
「嘘を付くな。お前は俺たちの盗賊団のことも兄貴のことも知らなくて黙り込んでいただろうが」
くっそー…こいつよく俺の行動を観察してやがる…。
「それは違います!村を出たからといって自分の憧れた盗賊団とまさかそう簡単に出会えるなんて誰が思うでしょう?俺は余りの感動に声を出すことも出来なかっただけなのです。それにゴンゴル様の十字傷を見たときもまさかとは思っていましたが…そんな簡単に憧れの人と出会えるなんて、それこそ普通は思わないでしょう?俺にとってこの出会いは天啓!頭領と副頭領であらせられるゴンゴル様とゴルチ様へ仕えよというまさしくお告げだと思うのです!」
奴隷にはなりたくない一心で俺は口から出まかせを述べ、彼らのことを褒め称える。
営業していた時に身につけた俺のプレイヤーズスキル『何でもいいからまずは相手を褒めて頑なな心を開かせる』は伊達じゃない。
誰でも褒められて嫌な気分になることは無いだろう。
それにこいつらは盗賊だ。
盗賊と言えば『力こそ全て』とか本気で言っちゃえるような単純な連中だろうとあたりをつけ…とにかく褒めまくる。
『こんなことで考えを変えてくれるなんて、そんな虫のいい話あるわけないよな…。』
とは思うが、今の俺にできるのはせいぜいこんなことしかない。
「よし、そこまでお前が熱い信念を持って俺様の盗賊団に加わりたいというならその願いを叶えてやろう!今日の夜襲で俺たちが納得する手柄を立ててみせろ!」
虫のいい話があったようである。
ゴンゴルが認めたことでゴルチも溜息を吐きながらも納得してくれたようだ。ふっ、やはり盗賊なんてチョロイな。
「兄貴から許可は出たが、俺はお前をそこまで信用していない。お前には俺の選んだ見張り役と一緒にしばらく行動してもらう、それで俺は判断することにする。もちろん怪しい行動をした時は直ぐにお前を殺す」
ゴルチは全然納得してくれていなかったようだ。前言撤回。やっぱり盗賊は甘くないぜ!殺害予告されるなんて人生初だぜ!
俺は縄を解かれ、副頭領の腹心らしき大男が跨る馬の後ろに乗せられる。信用されていないからだろう。武器は返して貰えなかった。
しばらく経ち、拠点に到着すると俺は盗賊見習いとして襲撃の準備を手伝わされた。
他の下っ端たちと共に重い荷物を運ばされたりもしたが、そいつらの中に一人だけ[剛腕(2)]という今まで見たことのないスキルを持っている奴がいた。
そいつが重い荷物を運ぶところをじっと見据えた後、
「凄い力っすねー!俺、滅茶苦茶尊敬しちゃいますよ!」
と言い寄り、自然を装い接触してスキルを奪ってやった。
スキルを奪われたことに気付かない彼は、その後も荷物を運んでいたがどこか調子が悪そうにしていた。
人のスキルを奪うのは申し訳ないがちょっぴり快感だ。
準備を終えた盗賊たちは襲撃時間になるまで、それぞれ自由行動をとるようだ。俺はその間になるべくスキルを奪うべく行動する。
それぞれ向きあって戦闘訓練していた連中の動きを見たあとに、連中らを褒めながら近寄り接触しスキルを奪ういうサイクルの繰り返しだ。
俺が今回新たに手に入れたスキルは[大剣術][体術][弓術][剛腕]だが、今までに持っていた剣術なども含めて取れるスキルは根こそぎ奪った。
神眼で奪ったスキルは同種のスキルであれば蓄積させていくことが出来る。なのでこの行動が無駄になることは無い。
こんな汚らしいオッサン達に触れるなんて神眼スキルが無ければ本当に勘弁したいところだが、今は少しでもスキルを奪って自分のスキルレベルを高めておくのが最善だ。
本当はゴンゴルとゴルチのスキルを奪いたいが、奴らは幹部達で集まって作戦でも練っているのだろう。
盗賊団の幹部らしい連中も姿を見せない。
因みにこうしてスキルを奪っている間も、副頭領の腹心らしき大男は無言で俺に付いて来ている。
基本的に無口みたいだ。
だが、先程その大男から初めて言葉を告げられた。
「お前もしかして男の体に興味があるのか?そういう趣味があるなら襲撃の後になるが俺が色々と手ほどきをしてやろう…」
「………。」
『アーッ!ねーよ!そんな趣味あるわけねーだろ!てかあんたそんな厳つい容姿でそっちの趣味の人かよ!怖いわ!盗賊団の中でアンタが一番怖いわ!!』
と心の中で絶叫し戦慄したのは言うまでもない。
そんなこんなで粗方時間が過ぎ夕暮れ時になった。
盗賊団は人数を少数だけ拠点に残し『アズッカ村』を目指して出発した。
俺はもちろん襲撃するほうの盗賊団達と一緒に行動し、副頭領の腹心らしき大男の騎乗している馬の後ろに跨っている。
『アズッカ村』まで1時間ほどの道中、副頭領の腹心らしき大男は俺に“どんなに男の体が素晴らしいか”、“様々な男達との蜜月な日々”を延々と語り続け、俺の精神力をガンガン削ってくる。
他の盗賊たちは特に話しに加わってくることもなかったが、何故か副頭領だけは親の仇を見るような目で俺を見てくる。何故だ???
辺りが暗くなり俺の精神力が尽きかけた頃、盗賊団と俺は『アズッカ村』から約300メートル程離れた森林に到着した。
この話終了時の主人公のステータス。
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ハヤテ・ユウキ
レベル:2
種族:人間
体力:42/42
魔力:23/23
筋力:12
知力:28
器用:17
敏捷:15
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スキル
・大剣術(2)[NEW]
・剣術(1)⇒(3)
・短剣術(1)⇒(3)
・槍術(1)⇒(2)
・体術(2)[NEW]
・弓術(2)[NEW]
・剛腕(2)[NEW]
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特殊スキル
・神眼(1)
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