俺の名前を言ってみろ。
さあ!
ゴブリン達を無双?して、ついに新たな冒険へ!
戦闘を終えてゴブリン達の装備を拾い集めた。
この先、何が必要になるかは未知数だし、今の俺の主要武器は木刀なのだ。
ゴブリンには通用したが、この先も木刀で通用するとはとてもじゃないが思えない。
殺し合うのが当然の世界で、他に武器の選択肢があるのに敢えて木刀をチョイスするなんて、俺はそんなマニアックなプレイに興味は無い。
俺は剣を選んだ。
本当はリーチのある槍を選びたかったが、穂先は金属でも錆びついてボロボロだし、それ以外は木製の槍なのでリーチ以外は全て不安な要素があるので使うのはやめた。
剣の柄の部分は木製で、金属で出来た刃の状態もそれほど良くないが、槍に次いでリーチのある武器を選ぶとすると、自然と剣を選ぶ他に選択肢はなかった。
因みに付け足しておくが剣をおさめる鞘などをゴブリンが持ってるわけもなく剣は抜き身のままだ。
剣以外の使わないその他の武器を[アイテムボックス]へと全部しまった。
装備を整えて、やっと一息ついた俺は戦闘中からずっと気になっていた自分のステータスを確認する為に[鑑定]を発動させる。
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ハヤテ・ユウキ
レベル:2
種族:人間
体力:36/36⇒42/42
魔力:18/18⇒23/23
筋力:9⇒12
知力:26⇒28
器用:15⇒17
敏捷:12⇒15
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スキル
・剣術(1)
・短剣術(1)
・槍術(1)
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特殊スキル
・神眼(1)
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「キターーーーー!!」
ウィンドウが開き、俺はモンスターからスキルを盗んで自分のスキルにすることが出来たことと、レベルアップしていたことを確認できて一気にテンションが上がる。
そりゃそうだ。
元の世界ではこういった形で、レベルアップしたなんてはっきりと確認する術は無いし、誰かのスキルを奪って自分の物にできることも無いのだから。
ロールプレイングゲームが好きな人ならレベル上げやスキルを奪うなんてことが現実にできたらワクワクが止まらないんじゃないだろうか?
もちろん、ワクワクが止まらない変わりに、死が身近にあるというドキドキも止まらない世界ではあるのだが…。
俺はその場で休憩してから街を探して歩き出す。
休憩中に考えていたが、俺の今一番の不安要素は“食糧”だ。
[アイテムボックス]の中に『干し肉』が入っているが、街を見つけるまでどれくらい時間が掛かるかも分からない。
だから食糧を無駄にはできない。
休憩している間に『水入り皮袋』を取り出し水を飲んだ。食糧も水も限られている。
食糧の確保は最優先で行う必要がある。だが森と言えばモンスターの住処というのは小説では定番なので、取りあえず森とは逆の草原のほうへ歩き始める。
森とは逆の方向へ歩いていくと視線の先に踏み固められただけの道が見えてきた。
「よっしゃ!思った通り!さすが俺!冴えてるぅ!!」
俺は大声で叫んだ。
実は、歩き出してから『本当にこの方向に歩いて行って大丈夫かな…本当は森の方へ行くのが正解だったんじゃ…』と不安が募ってきていたので、目の前にこうして人の気配というか、明らかに人が通行した痕跡らしきものを見つけられたことが俺の魂の解放した。
結果、大声で自分を褒めるという奇怪な行動を起こさせたのだ。
異世界に居るはずもないが、知り合いが近くにいなくて本当に良かった…。
道なりに進んで行くと二手に分かれている道が見えたきた。左側の道を見ると数百メートル先が丘になっていてその先が見えない。
右側の道を見てみると…
「おっ!」
人が馬に跨って此方へ向かってくる!
けっこう大人数なようで、20~30人位の規模の集団だ。
この世界で人とのコミュニケーションをとるのは初めてだが、俺の神眼スキルには[異世界言語]があるので、きっと言葉は通じるはずだ!
俺はこの世界にきてやっと人間に出会えたことに安堵し、
「おーーーい!」
と、喜びのあまり叫びながら手を大きく振った。
段々と近づいてくる馬に跨った男達。
よく見ると皆が武器を持っていて、何だか若干汚らしい恰好をしている。
「………。」
微妙に嫌な予感がする。『あれって盗賊じゃないか?』と一瞬思ったが、きっと俺の勘違いだろうと思うことにする。
“人を見かけで判断するな”と言うのは有名な言葉だ。
その教えに従い俺は『8割がたアイツらは盗賊で、俺はまたピンチになりかけている』という思考を押さえつけ、笑顔でその集団を迎える。
俺の近くまで馬を走らせてきた男達は素早く俺を取り囲み、その中のリーダーらしき男が笑みを湛えた俺に声をかける。
「幸運な小僧だな!俺らに出会っちまったからには身ぐるみ剥いで、もぐりの奴隷商にお前をしっかり紹介して売っぱらってやるから。安心してその身を任せな!」
どうやら彼らは仕事を俺に紹介してくれる優しい武闘派集団のようだ。
「いや、さすがに初対面の人にそこまで世話を焼いてもらうのは申し訳ないので、今回は残念ながら遠慮させて貰いたいんですが…」
俺は優しい武闘派集団のリーダーらしき人へやんわりと断りの意思を告げる。
「いやいや、そんなに気にすることねぇって!お前みたいな若いのは年長者が世話を焼いてやるのが当たり前なんだからよ!そんな小せぇこと気にすんなよ!な?」
優しい優しい武闘派集団のリーダーらしき人はどうしても俺の世話を焼きたいらしい。
「実は俺、この後ここで人と待ち合わせしているので、また後日にそのお話しを聞かせて頂くことは出来ないでしょうか?」
俺は優しい優しい武闘派集団のリーダーらしき人へ嘘の予定を告げ、どうにか後日にして貰えるように告げる。
「悪ぃな!予定があるところすまねぇが、俺らも忙しいからそんなに時間がとれねぇんだよ。それに、お前。俺の顔に見覚えあるだろ?」
優しい優しい優しい武闘派集団のリーダーらしき人とその仲間達はけっこう忙しい人たちのようだ。
っていうか見覚え?…え!?もしかして俺の元の世界での知り合い!?…えっと、誰だっけ?…そう言われればどこかで会ったことがあるような気がしてきた。
俺はどうにか過去の記憶を呼び覚まし目の前の人物が誰だったか思い出そうとするが思い出せない。
『思い出せなぁい!テヘペロ!』
何て言える雰囲気でも無いので、必至に考えた。
冷や汗を流しながら黙り込んだ俺に、優しい優しい優しい武闘派集団のリーダーらしき人は痺れを切らしたようで、
「小僧。本当に俺の顔見て分かんねぇのか!?この右頬の十字の傷を見たら誰だって気付くぞ!?お前どんだけ田舎者なんだよ!?ハァ…ハァ……仕方ねぇから教えてやるが、俺らはこの辺り一帯の村々を襲い恐怖に陥れている大盗賊団“死肉のハゲタカ”だ!ここまで言えば分かるよな?くっくっく…。そう!やっと気付いただろうがもう遅い!俺はその大盗賊団の頭領“十字傷のゴンゴル様”だ!」
ドヤ顔でポーズを決めて俺を指差す知らないオッサンがそこにいた。
もっと早くアップしたかったけど、どうしても書くのに時間掛かる…orz
※読んで少しでも気にいってくれたらブックマークしてくれると嬉しいです!(泣)




