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伝説の戦い。

明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します。


今回は緑色のアイツらを無双しちゃうぜ!



 木刀が弓術ゴブリンの頭に直撃して『ゴキャ!』と、何かを砕いたような鈍い音と同時に硬いものを打ち砕いたよう感覚が自分の手に伝わる。 

 


 気持ち悪っ。とても嫌な感覚だった。



 だが俺の心に余裕は無い。木刀が当たった勢いでそのままに地面へ倒れ込む弓術ゴブリンを確認し、直ちに他のゴブリン達を視界に入れる。


 さすがに他のゴブリン達も俺に気付いて戦闘態勢を整えていることだろう。



 そう思っていた時が俺にもありました。



「ギャッ!ギャギャッ!」


 残り4匹のゴブリン達は通称角ウサギさんの死骸にかぶりついている。


 他の誰よりも多くの肉を食ってやろうという欲望を丸出しにして、激しい肉取り合戦を始めていた。


 その様はデパートでバーゲン品を取り合うおばさん達のようで、殺気を振りまくおばさん達にドン引きしたのを俺は今でもよく覚えている。

 


 『おばさん=ゴブリン』の等式が成り立つのか…。



 等と思考がまた逸れそうになるが、何とか自分の思考を制御し、戦闘モードへと気持ちを切り替える。


 俺は体勢を低くして背を向けてウサ肉を貪っていた剣術ゴブリンにそっと近寄った。


 そして木刀を持っていない方の手を伸ばす―――


 ―――手がゴブリンの肩へ触れた瞬間だった。


 剣の扱い方の知識や剣を使用した時の経験の様なものが瞬時に俺の中に入ってきたのが感じられたのだ。



 きっとこれがスキルを奪うということなんだろう。



 剣術ゴブリンもさすがに俺に気付いたようだが、いきなり人間が現れたことに驚いているのかもしれない。


 表情が驚愕に染まっている。


 …ような気がした。


 だって、俺…ゴブリンの表情の変化なんて全く読み取れないんだもん。


 取りあえず動きは完全に止まっていたので、きっとあの表情は驚愕に染まっていたのだろう。


 動きが止まっている…その隙を俺は見逃さなかった。


 既に振り上げていた木刀を剣術ゴブリンの脳天に思い切り振りおろす。


 やってることは先ほど弓術ゴブリンを倒した時と変わり無いが、剣術スキルを得たおかげで先ほどより体の力が無理なく剣まで伝わっていることが分かる。


 脳天へのインパクトの瞬間に剣速は最高潮に達し、ゴブリンの頭を叩き割りゴブリンの緑色の血が飛び散った。


 剣術ゴブリンがドサッと地面に倒れ伏す。同時に、妙に体が軽くなり体の中から力が湧いてきたのを感じた。


 

 緊張で強張っていた体が、やっとほぐれたのだろうか?



 深く考えずに俺は次の獲物、残りのゴブリンの中で一番リーチの長い武器を持っている槍術ゴブリンへ素早く詰め寄った。


 俺が次に狙ったのがなぜ槍術ゴブリンだったのかというと単純な話だ。


 戦い辛い相手を早めに潰しておこうと思ったからだ。


 誰にでも分かる理屈だがリーチの長い武器を持っている方が戦闘では有利になる。


 何しろ相手の攻撃が届かない距離から攻撃ができるのだから当たり前だ。


 腕前にかなりの差がない限り、リーチの長い武器を持った方がほぼ勝利するだろう。


 だから俺は、残るのゴブリン達の中でも一番長い武器を持った槍術ゴブリンに狙いをつけたのだ。

 

 槍術ゴブリンは俺が近づいてくるのを見て、慌てて槍で突いてきた。俺は片手で握っていた木刀を使い、突いてきていた槍を跳ね上げ、そのせいで体勢を崩した槍術ゴブリンを木刀を握っていない方の手で思い切り殴る。



 殴った瞬間にスキルを奪った時の感触があった。



 瞬時に確信したが、やはり剣術ゴブリンを倒した直後から明らかに身体能力が上がっている。


 パワーもスピードもさっきまでとは違っているのを俺自身が実感している。



 …もしかしてこれが…所謂レベルアップの効果なのだろうか!?



 今すぐ自分を[鑑定]して確かめたいところだが、戦闘が続いているのでそんな余裕はさすがになかった。


 俺は残り2匹の短剣術ゴブリンAとBを睨みつける。


 因みに俺に殴られて吹っ飛んだ槍術ゴブリンは、殴られた頬を押さえてギャーギャー鳴き喚いて草原をゴロゴロ転がってる。


 まるで虫歯になって凄く痛いのだが、歯医者には行きたくないと駄々をこねて泣き喚く子供のような有様だ。


 草原で駄々をこねている槍術ゴブリンから、短剣術ゴブリンAとBに俺は素早く視線を移した。


 Aはほんの少しの間に自分の仲間が倒されたことにより、俺への警戒をかなり高めているようで、少しずつ後ずさりながら俺との距離を取ろうとしている。


 Bは…まだ角ウサギさんの体《肉》に夢中なようで、しばらくバーゲンから戻ってくる気配はない。


 取りあえず短剣術ゴブリンB(バーゲンおばさん)槍術ゴブリン(虫歯駄々っ子)を無視し、Aに狙いを定めた。


 Aが警戒しすぎて向かってこないので、俺は腰を低く構えて木刀を握りしめたまま、馬鹿の一つ覚えのようにAへ突進した。


 ぶっちゃけ今の俺に高度な戦闘なんてできる訳もなく、相手が来ないなら自分から行くしかない。


 Aは短剣の切っ先を俺に向けて若干半身に構えている。


 俺が接近し木刀を横凪ぎに振るうと、Aが防御の為に構えた短剣を簡単に弾き飛ばしてしまった。


 勢いのさほど衰えなかった木刀はそのままAの頬骨辺りにぶち当たり、Aを2メートルほど真横に吹っ飛ばした。


 Aに木刀が当たった瞬間に恒例の骨を叩き割る音が聞こえた。


 きっとこれでAが目覚めることは無いだろう。ナームー。



 短剣術ゴブリンB(バーゲンおばさん)は未だにバーゲンから戻ってきていなかったので、次は駄々っ子モードから若干回復しフラフラ立ち上がりつつある槍術ゴブリン(虫歯駄々っ子)の元へ走り寄り、バットのスィングの要領で思いっきり後頭部を叩き割る。


 俺は中学時代までは野球部に所属していたので、バッティングは得意だった。


 [剣術]スキルよりはバットスウィングの方がしっくりきてる気がする。


 [剣術]スキルのレベルが上がれば変わってくるだろうか?


 後はバーゲン中のBを後ろから思い切りフルスイングして終わりだなと思いながら振り返ると―――


「ギャッ!」


 未だにバーゲン中だと思っていたBが俺の背後に忍び寄り、俺に短剣を突き刺そうとする寸前だった。


「うぉっ!あぶなっ!!」


 反射的に体をよじりBの突き出した短剣をギリギリで交わすことが出来たが、刃物で刺されかけるという初めての経験にドッと冷や汗が出る。


 少しでも振りかえるのが遅ければ…若しくは避けるのが遅ければ、俺のお腹にはBの短剣が突き刺さっていただろう…。


 心臓がドクドクと脈打っているのが自分でもわかる。


 俺は本能的にBとの距離を取り木刀をいつでも振り回せるように木刀を構えるが…。


「ーーギャッ!?」


 俺を追撃をしようとしていたBが突然目の前でコケた…。


「………。」


 余りにも予想外のことに思考が追い付かずBを見てみると、Bの足元には槍術ゴブリンの槍が落ちていた。


 それを見て俺は瞬間的に閃いてしまった。


 きっとBは追撃しようとした時にこの槍を踏んでしまい、お笑いコントの世界でも伝説となっている『バナナの皮で滑るギャグ』を槍で実践してしまったのだろう。


 って改めて説明してみたけど別に大したことじゃないな。


 だが…何かが変だ。Bはコケただけなのに中々立ち上がらずに弱弱しい鳴き声をあげている。


 俺は警戒しながらもコケてうつ伏せに倒れているBをもっと良く見てみると…背中の辺りから刃の切っ先のようなのが出ている。


「―――お…お前まさか!?」


 俺はうつ伏せになっているBを、木刀を使い仰向けにしてみた。


 そして―――


 俺の考えがやはり正解だったことを知る。



 ―――そう。



 Bは槍を踏んで倒れた際に、持っていた短剣が運悪く自分に刺さり自爆してしまっていたのだ。


 何て奴だ…。


 1匹だけ最後まで肉に夢中だわ。今時定番過ぎてなかなかテレビでも見なくなったギャグをかますわ。最後は自分の武器で勝手に自爆って…。ゴブリンの癖にどんだけキャラ濃いんだよ!?



 …ゴブリンの癖に無茶しやがって…。



「ま、最後は締まらなかったけどスキル取ってトドメ刺しとくか」


 その後、俺はどんどん弱弱しくなるBのスキルを奪い、木刀でBの頭をフルスイングして、初めての戦闘を終えたのだった。

元旦なのに我慢できなくて書いちゃいました!

あんた…元旦からそんなに暇なの?バカなの?死ぬの?

とかツッコミは無しで…。


それでは今年も宜しくお願いします!

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