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転生賢者はひきこもる  作者: 春市
第一章 森林編

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第六話 「世話焼きな鎧」


 「まず、魔法を...使ってみせろ。話はそれからだ。」


 「あれ、ヴァンさん、どうして私が魔法使えることを知っているんです?」


 「ヴァンでいい。フム、この年になるとだいたいのことが聞かずとも見えてくる...」


 どこの霊能力者だよ。と、思いつつ、手のひらを三メートルくらい先の切り株に向けた。

 よし、この際最大火力でいってみよう。

 「火弾(ファイア)!」


 ボウッと火の玉が手のひらから飛び出し、切り株に当たった。少しえぐれている。改めて、魔法の有能さを知った。


 しかし、「全然だめだ...基礎がまずなってない。この分では、この森で生き抜くには不十分だ...」


 ええ...なんだと?

 基礎がなっていない?

 魔術教本に載っていたとおりに、行使したはずだ。


 「いいか?まず、魔法を使うときには、魔力が必要だ。魔力がなにかは分かるか?」

 「いいえ。」

 「魔力とは万物に宿るものだ。人間、そこらの石ころ、大気。さまざまだ。」


 いきなり、饒舌になったな。魔法が好きなのだろうか?さっきまで寡黙だったのに...。


 「そして、魔力には流れが存在する。川のように、流れる。人間にもな...。お前の場合、その流れが滞っている。だから、発動に時間がかかる。」


 「状況によっては、どれだけ発動にかかる時間を短縮出来たかによって、生存の可能性は大きく変わる...。」


 なるほど、川のように...。要するに、その川が蛇行しているから、いけないのか。直線だ。真っ直ぐに流れるようにする。それが魔法上達の一つの道なのだろう。


 「よし...これから。毎日。ここへこい。俺がお前に稽古をつけてやろう。」


 ん?いまなんて言った?

 稽古????????


 「お前が森を出ていこうとしないなら仕方ない...。俺はここから出られん。しかし、お前に死なれては...目覚めも悪い。」

 「だから、お前に稽古をつける...。ここで死なない程度に生きていけるようにな...。」



 「お前じゃなくてスズカです......。」


 

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