第三十話 一級建築士
ズンッよ空が割れるような音がしてスズカの右手側の森林が跡形もなく吹っ飛んだ。
「あんたスゲーな!」
魔法師長が喜んで駆け寄ってきたが当のスズカは無表情。
(危ねェェェェェ!めっちゃビビった...)
間一髪だった。もう少し撃つのが遅ければ、きっと地霊のごっつい雷はスズカたちに降ったことだろう。そうなれば黒焦げの死屍累々の完成だったのは目に見えている。
ふう、何はともあれ、あの地霊ってヤツを倒せたことだし、帰る準備を...って...
グッッズンッ!!
スズカが背後を振り返ると、今、致命の一撃を喰らって死んだはずの地霊が...
自分の足で立ち上がっていた。
みなの表情が一斉に暗くなる。
「おいおい...」
「うそだろ?あれを喰らって...」
「神は我らを見捨てたもうたか...」
私 「マジですかい...」
『全員退避ーーー!!!!!』
誰かの叫びに合わせ蜘蛛の子を散らしたように皆がさまざまに逃げてゆく。
ビリッ
嫌な予感がする。
「まさか!」
「避雷魔法を用意しろ!」
魔法師長が叫んだ。
避雷の魔法って何!?
そんなん教わってないよ!?
ほかの魔法師たちはなにやら薄い半透明な膜を魔力で生み出している。
ん、?まてよ。
いま雷が降ってきたら...落ちるのは私なのでは!?
えあ、またさっきのビリッって感じがした...雷の兆候だっけ...
もう...おしまいなのかな...
地霊のかち割られた頭がすぐそばで霞んで見える。
あれ...死んだひい祖父さんが見えるような...走馬灯ってヤツかな...?




