第二十六話 地霊戦 ③
そうと決まればまずは実験である。トライアンドエラーが大事なのだ。
(水よ...来い!)
最近は詠唱なしで魔法をつかう訓練をしていた。このほうが圧倒的に隙が減るのは想像にやすい。
加えて、魔力を練り上げて初めて詠唱なしは使えるようで、おかげさまで魔力を操作するのにも精密さがつきまとうようになってきた。
さて、水の球が人間の頭くらいの大きさまで膨らんだころ、圧縮を始める。
(もっと...もっと...)
水面がうごめき怒濤となって荒れ狂う。昔の記憶をたどれば、
水には圧縮のできる範囲に限界があったとおもう。威力を求めるのならば、その地点まで持っていかなければならない気がする。
もっと魔力を込めなければ...
(もっと...もっと...)
一分ほどたっただろうか。
水球は完全に停止し、鏡のように陽光に照らされ輝いていた。
よし...
あとは水球を包み込むように漂泊している魔力にほんの少し、逃げ道を作ってやるだけだ...
...いい機会をうかがう。
「今!!」
ズンッ!!!!!!
水球が上下から潰れるように動き弾丸のように水の柱が発射された。
目では追えないほどの速度についてきた魔法師たちも目を見開いている。驚愕の表情を隠しきれないようだ。
水の柱の通りみちには霧が舞い、虹がかすかに架かっていた。




