第二十五話 地霊戦 ②
二時間ほどかけて高尾山ほどの高さの山を登りきると、そこには大きな広場があった。もちろん整備された―
という意味合いではない。薮の合間にある僅かではあるが見晴らしのいい場所だ。
「ここなら魔法をぶっぱなすには十分な広さじゃないですか?」
「そうですね...」
遠くに黒い暗雲が垂れ込めているのがわかる。心なしかピカッと光っている気がする。
「あれが件の地霊ってやつですか?」
ついてきてもらった軍の所属の魔法師に尋ねる。
「ああ、あれが地霊だ。いまの速度でいくと、あと二時間で目と鼻の先だろうな」
不遜な態度がにじみ出ているが、無視した。彼らに言わせればこんな小娘に役目を奪われる、というよりは自分たちでも対処のしようがない化け物を迎撃させるのが気に入らないのだろう。
まあ、しかたがないよね。人間は嫉妬深い生き物なのです。
と、さっき依頼された特大な魔法について考える。
「地霊になんか対抗できる属性の魔法ってあったりします?」
「あの見た目だからな、炎と水あるいは風が有効なんじゃないか?」
なるほど。
まず自分の強みを確認しよう。
まず魔力だね。
この前鑑定してもらったカンジでは魔力にはかなりの余裕が私にはあるはずだ。
じゃあ属性は?
風が一番の得意だけれど、たとえ引き付けてもこの距離で風の魔法をつかってもあまり効果はない気がする。
火も同様な気がする。
となると水だろうか。ウォータージェットだったかな?高速で射出した水でボウリングの球を切断している様子をテレビでみたことがある。
水の球を大魔力で生成、高圧で収縮し、逃げ道を作ってやる。
そうすれば自ずとウォータージェットがでてくるのでは?
それを地霊の脳天にぶち当ててやればいいはずだ。地霊がどうも生物という枠組みから乖離していないかだけが気がかりだけど...




