第二十三話 「鑑定さん」
「え...ええっっえええええええええええええええええ!!!!!!!!!?????????????」
「ランド! 今私の顔...しわくちゃでいっぱい!?」
「いやいやいや!しわの一つもありませんて。むしろキレイすぎるくらいです。肌もつやつやで、羨ましいです。」
「あ、そう?」
一息ついた私は、考えてみた。思い返せば...森の中で数年くらいだと思っていたのが、外の世界では、八十年だった?そして...なんで私は老けないんだ?
うーん、ナゾだ...
考えてても仕方ないか...?
「あの...」
「そろそろ鑑定の準備をはじめていいかな...。」
宿の二階から降りてきた、細長い青年が尋ねてきた。
ランドがいった。
「紹介しよう。彼は鑑定士のリン。鑑定士については知ってる?」
首を横にふる。そういえば、この世界でもyesは縦、noは横なんだね。
「鑑定士ってのは、人によって鑑定するものは違うけれど、一般には魔力の量と質を調べる鑑定士か、道具掛けられた呪いや効果を調べる鑑定士がいる。リンは前者だね。」
「もし、森から賢者を連れてこられたら、彼に鑑定してもらえるよう、設定しておいた。」
「軍としても、素性のわからない人間をいきなり連れていっても信用に欠ける。人間性については、私が保証する。実力はハイムさんの判断と、鑑定士のリンに任せることになってる。」
なるほど、それなら仕方ないか...
鏡を手にいれるためだ...。
あ...そうだ。
「鑑定って痛いですか...?」
リンさんは少し待って、
「痛いようなものではありません。瞳を見させてもらうだけです...。」
ふう、それなら安心。大人になってからは忙しくて打ってなかったけど、私注射みたいな痛いの大嫌いなんだよな~
椅子を二つ用意してもらい、片方に私が、もう片方にリンさんが座る。
向かい合わせになり、リンさんに瞳を覗かれる。
「そのまま...目を閉じないで下さい...」
リンさん曰く、別に、瞳を見なくても大まかに魔力は測れるけど、それでは誤差も大きいので、こうして体内の魔力が一番放出されやすい目を見る必要があるらしい。
しばらく乾燥から耐えていると、リンさんが何やら震えてきた気がする。
「あの...」
その瞬間、リンさんがガタッ、と椅子を後ろに突然引き、素早く立ち上がる。
「まさか...ありえない。あの『疾風の聖』を超える魔力量をもつ人間とは...」
ランドが驚いて尋ねた。
「リン!どうかしたのか?」
「ランド!!彼女はっ、へえっ!」
「落ち着け、落ち着け。ゆっくり言ってみろ。」
「彼女の魔力量は...おそらく、七聖を超える!」
「それに、練り上げられている。その状態がなんの歪みもなく、続いている!」
「これが何を意味するか分かるか?」
「こんな小娘に魔力で七聖が超えられたんだ。彼女を手にいれようとする貴族がわんさか群れるに違いない。」
「うーん。その点については大丈夫。彼女はあくまで、後方から支援するという形をとる。彼女の魔法で地霊を弱らせてから、軍で討伐する。彼女が表舞台に立つことはない。」
ランドが目配せしながら、
「こんな形でお伝えすることになって申し訳ない、スズカには目立ってもらっては困るんだ。」
「まあ、別にいいですよ。」
ちょっと目立ちたい気持ちもあったけれど...仕方ないよ。
「そういってもらえると、ありがたい。」
「では今日のところは解散。お休み。」
私たちはそれぞれの部屋に入り、ドアを閉じた。
そして私は身体をベッド預け...
意識は遠退いていった。




