第十四話 「決闘 ②」
大樹にからみ付くようにのっかっているツリーハウス。私はそこで星を見ていた。
「あれは...鹿座かなぁ...あれはこと座に見えないことも...ないかも?」
架空の星座を考えながら、今日を振り返る。
ついに、ヴァンを打ち破った。これで晴れて一人前の魔法師になったわけだ。
ヴァンにあそこまで強く言われては仕方ない。本人もいつでも戻ってきていいとは言っていたし...
ウ~ン、伸び~~
瞬間、足先から脳天を身の毛もよだつ悪寒が襲った。
「えっ...何...?」
森が...泣いているような...助けを求めているような...
嫌な予感がする...
跳ね起きた私は、貰ったばかりのローブと杖をもつ。
階段を駆け降り、ヴァンの住む家へ、聖域の方へ駆け出した。
―――――――――――――――――
ヴァンとデアフリンガーはにらみ合いを続ける。
先に仕掛けた方が、負ける。
両人とも、それが分かっている。
デアフリンガーは上段
ヴァンは中段に構える。
「ところで、まだ、貴殿の名前を聞いていなかったな。私は...エドゥアルド=デアフリンガー。貴殿は?」
「ヴァン...ヴァン=エリュート、聖域の守護の命を受けし者。」
「分かった...ヴァン=エリュート。しかと、覚えておこう。」
一瞬の問答の間に殺気が左右する。
(強いな...)
相手はヴァンの上を遥か行っている。
上段は凄腕か、余程の馬鹿しか、遣わない。
理由は明快。
上段は、中段に比べ、振り下ろすまでの軌道、つまり時間が長い。
上級者どうしの闘いにおいては、刹那すら、勝敗に大きな影響を与える。
上段は、誘いの手。つまり、隙をあえて見せることで、相手が斬りかかってきたところを、返り討ちにする。
これは、余程の度胸と経験の差を必要とした。
デアフリンガーは、ヴァンを格下と見ていた。それは正しい。
だから、ヴァンは弱者の特権である、考え抜く、それを行う。
(相手は強い。私を遥かに越えて...。だが、それだけに見せる、意図せぬ隙があるはずだ...。)
「ふうぅーーっ」
ヴァンは上段に構えた。
剣を右手のみで持ってである。
左手を手刀のようにして、デアフリンガーの芯に向かうように。
これが、デアフリンガーの思考に混乱をもたらした。
(何?なんだ、あの構えは...?あのような構え、見たことがない...)
その通りだ。剣は通常、両手で持つ。
常識はずれの行動。
(片手上段...左手を斬らせて、捨て身の特攻といったところか...?)
ヴァンが中段、両手持ちに戻そうとする。
上級者だけに、隙にいち早く気付いく。
(今、!!!!)
デアフリンガーが横に大きく薙ぎ払う。
「やああああぁああ!!!!!」
ヴァンがこれを間一髪下に避け、上へ一撃を放つ。しかし、
(あっぶない!!)
(くそ...)
わずかにデアフリンガーの鼻先をかすめ、天を切り裂く。
デアフリンガーは横に薙いだ剣を戻し、ヴァンの胴に撃ち込む。鈍い金属音がこずえを喚かせる。
これは折り込み済みだった。
わざと斬らせ、天を突いた切っ先をデアフリンガーの脳天めがけ、全身全霊で振り下ろす!
受け止めた、デアフリンガーの剣が
「バキッ!」
ついに折れた。
(勝った...!)
「違うね」
デアフリンガーは輝く手刀でもって流れる軌道を受け流した。
「さらば」
怪しくも、厳かなる光まとう、デアフリンガーの手が、
ヴァンの胴を、貫いた。
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