番外編 「王都にて」
シエラ王国王都シエル。
その中心にそびえ立つ城。
そしてその周りを鎮護するように配置された貴族街。その館の一つ。
窓際に一人の男の姿があった。
「ダニー、甲冑の用意をしておいてくれ。」
ダニーと呼ばれた使用人がうやうやしく礼をしながら答える。
「出発になるのですか...」
「ああ、王命だ。明日、朝一番に出る。」
「「荒ぶる森」ですか...わざわざあなた様が行かれることもないでしょうに...」
ため息をつく仕草をする。
「仕方あるまい。雪が降る前には行かねばならん。王はもう永くない...あの方には、まだまだ...せめて皇太子殿下が一人前になるまでは...生きて頂かなければ。」
シエラ王国では十年前に皇太子の座を巡る内乱があった。王はそのときの心労が今になって現れたらしい。
「しかし...聖杯ですか...そのような嘘臭いシロモノ...実在するのでしょうか」
「ダニー。真の騎士とは、主に絶対の忠誠を誓う者だ。」
あるかないかじゃないんだよ、と言った。
「レイス、タイル、クリィ、セルタンを呼んでおいてくれ。」
四人は男の最も信頼する騎士だ。
「それと...十日分の食糧と水を...六人前頼む。」
六人?
「六人前にございますか?」
「ああ、今回の調査には、サードル侯も参加されるらしい。」
ダニーは眉をしかめる。
「あの方ですか。お止めなさい、あの方と関わるとロクなことになりません。」
まあまあ...
「堪えねばならんのだよ...それに、あの人は奇人としか言い表せないが...優秀な魔法師であることに変わりない...」
燃え盛るような赤い髪色。
筋骨隆々の肉体。
今年で45を迎えるにも関わらず、闘志にみなぎった瞳。
彼こそがシエラ王国の誇る稀代の勇将。
「赤獅子」
エドゥアルド=デアフリンガー
「それと...ダニー!シュピースに誕生日のプレゼントは届いたか!?」
「はい、確かに。」
「にしても、訓練用の木刀か!!」
「あの子は将来、私すら超える名将になってくれるはずだ!!」
「ああ、楽しみだなぁ。シュピースの喜ぶ顔が見られるのなら、私は喜んで死地にでも、飛び込もう!」
「それは...お止めください...」
彼こそが、シエラ王国で最も笑いの種にされる男。
「親バカ」
エドゥアルド=デアフリンガー
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