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肝心の好きな人には見てもらえない人の話
本日のお客様は、頭のてっぺんから、足のつま先まで、
抜かりなく綺麗にされていて、洗練された美しさを持たれていた。
それにもかかわらず、表情は暗く、とても不安げに見えた。
「私、誰よりも美しくて、綺麗になるために頑張ったのに。」
そう言いながら、ポロポロと大粒の涙をこぼして、
それでもなお、お客様は話を続けられる。
「私の努力って、一体、何だったんだろう。」
「それだけ自分自身を磨いても、何も意味なんてなかった。」
「彼は、素朴で、別に特別可愛い訳でもないあの子を選んで…」
悲しそうに、ポツリポツリと、悔しそうに少しずつ話をされていたけれど、
どうも、そのたった一人の『彼』に対して、執着しすぎているようだった。
これだけ美しくなって、ここまで努力をすることができたのであれば、
これからも、もっともっと頑張って、その『彼』に限らず、
もっといい人やいいことを手に入れればいいのにね。




