29/41
お母さんをするのがしんどい人の話
「ごきげんよう」
本日のお客様は、頭からつま先まで、とても綺麗にされていて、
おしとやかで上品な方でした。
「ごきげんよう。
本日は、どうかなさいましたか?」
お客様と声のトーンを揃えながら訪ねてみると、
お客様は表情を曇らせ、大きくため息をついた。
話を聞いていると、どうやらこの方の夫が、
あまりに自由が過ぎて困っているのだとか。
子どもが生まれても、その自覚や実感が一切なくて、
好き勝手にしていてイライラするのだと。
そう、お母さんという生き物は、
子どもをその体内で大事に育て、
母性のようなものも自然と育まれていくものだけど、
男の人というのは、なかなかそう上手くはいかないのだろう。
生物学的に、残念ながら限界はあって、
それをもう割り切って、自分のことは自分でやっていかないと、
もう疲れていく一方なのよね。




