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夏祭りを抜け出してきた人の話
本日のお客様は、
綺麗に着付けされた浴衣を着ていて、髪も高い位置でお団子にして、
計算され尽くしたかのような、おくれ毛とメイクアップをされていた。
頭のてっぺんからつま先まで、
晴れやかにコーディネートがされているけれど、
肝心の彼女の表情は曇っていた。
折角、綺麗な格好をしているのに、
なんともまあ、勿体ないことで。
話を聞くと、何人かで夏祭りに遊びに行ったが、
各々が、食べたいものや、遊びたいところへと
自由に行ってしまうので、疲れ果ててしまったとのこと。
「どうしてみんな、こうも自分のことばっかりなのかしら。」
そう思ってしまう気持ちは、よく分かる。
皆で楽しもうと、気を遣いながら動く人もいれば、
自分の欲望だけに、やけに忠実で、
他の人たちのことまで、考えられない人もいて。
でも、それで結局、最終的に損をして苦労をするのって、
前者なのよね。




