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過去のやらかしと野営飯  作者: 琉斗六
幼馴染と暴走と野営飯

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21/21

エピローグ

 王都のギルドに戻ったところで、ランスは憔悴しきった顔で、応接間のソファに座っていた。

 二人掛け用のソファなのに、ランスの右にはユーリイが、左にはヴィオがいてぎゅうぎゅう詰めだ。

 ダリウスだけは、離れたソファに一人で悠々と座っている。


「それで、スタンピードはその一級の二方(ふたかた)によって収束してもらえたんだな」


 ランスの状況を無視して、ジョナサンが言った。


「うむ、問題なかろう。このように、キングの素材も回収してきているからな」

「確かにこりゃ、普通のミノタウロスより数倍ご立派なツノだ」


 ダリウスとジョナサンの会話を遠くに聞きながら、ランスはため息も出なかった。

 帰り道でも、一悶着あった。


 口笛で招き寄せたダリウスの騎竜に、ユーリイとランスの貸し騎竜も繋がっていて、そこは問題なかったのだが。

 ヴィオをランスの騎竜にタンデムさせようとしたら、ユーリイがそれなら自分とランスが一緒に乗ると言い出し、そこでまた言い合いになったからだ。


「いや、全くありがたいことだ。ギルドを代表して、礼を言わせてもらう。それと、報奨金の他に礼金も出させてもらう。……後で受付に、パーティー名を知らせておいてくれ。振り込みをさせてもらうから」

「では、失礼します」


 大事にされているというよりは、むしろタンクとナイトに連行されるみたいな気分で、ランスは応接間を出た。


「ところでな、ユーリイ」


 廊下を歩きながら、ダリウスが言った。


「なんですか?」

「私はそのヴィオランというタンクを、パーティーに加えるべきだと提案する」

「はあっ? なんでですかっ?」

「俺も賛同しかねる! むしろ俺のパーティーにランスを招きたい!」

「おまえら、廊下ででかい声出すな」


 があがあと言い返してくるユーリイとヴィオに、ダリウスはニヤニヤ顔を返した。


「ユーリイ。今回、確かに私たちは奴らを易々と殲滅した。だがきみも、〝ランスが死んでいたかもしれない〟と発言しただろう? ランスの身を守ったのは、間違いなくそちらのヴィオラン殿だ」


 ダリウスの言葉に、ユーリイはぐっと黙り込み、ヴィオはしたり顔になる。


「我々が戦っている場で、ランスのガードをきっちり勤めてくれる(もの)が必要なのだ。わかるかね? このパーティーにとって、ランスの安全が最優先なのだよ!」

「ああ、俺は何があっても絶対に、ランスの安全は守る」

「でも、ランスのラバーは僕です。僕とランスは、もう割りない仲なんです。護衛はしても手は出さないでくださいね!」

「どっから出てきた、その変な言葉」

「なんだと! 貴様、一級の威光を使ってランスを手籠(てご)めにしたとっ!」

「おまえもなんでそーいう言葉遣いになってるかな?」

「はっはっはっ、ランス、モテモテだな」

「蚊帳の外で楽しそうだな、ダリウス!」


 背の高いユーリイと、肩幅の広いヴィオに挟まれ、ランスはげんなりと──ようやく絞り出したため息を()いた。



§



 その後、ギルドにパーティー名〝YLVD(ワイエルブイディー)〟が申請されたが、裏では「ランス大好き同盟」と呼ばれることとなった。



終わり。


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