04.便利な十徳ナイフ
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魔王「それよりも…勇者よ。フォークで魔王の我と戦うとは何事だ?
普通は剣や槍で来るものであろうが?!」
勇者「うん?フォークだって立派な武器だぜ?
こうして刺すこともできれば、目を突くことだってできるんだぜ?」
勇者がフォークを手の中で遊ばせながら言う。
ひなた「まぁ、武器といえば武器…か?」
魔王「…お前たち、『武器』の認識がおかしいぞ。」
魔王が二人の様子に呆れて首を横に振る。
ひなた「ところで『本物の聖剣』ってどこにあんの?」
魔王「そうだな。我もそれが気になっていた。」
勇者「確かこの辺に…」
勇者が腰に下げたポーチをがさごそと探し始める。
勇者「これこれ!」
取り出したのは『折りたたみナイフ』だった。
ひなた「いや、本物の聖剣…つか、ちっちぇーな?」
勇者「これが俺の聖剣っだ!!」
勇者は言い張ると折りたたみナイフを高らかと掲げた。
魔王「いや、どう見てもただの折りたたみナイフ…。」
ひなた「まぁ、便利だよなーそのナイフ。」
魔王「おい、そこじゃないだろ?!」
またまたひなたのボケに、思わずツッコんでしまったボケ担当の魔王。
勇者「大きいからって良いとは限らないよなー。
小さい方が便利なことだってあるしなー?」
ひなた「折りたためるしな。」
魔王「だからそこでは…。」
魔王は二人の言動に呆れているようだ。
魔王「おい、ところで冒険者よ。
先ほどからボケるのではなく、ちゃんとツッコミをしろ!!
俺が直々に冒険者のツッコミ力とやらを確かめてやろうではないか!」
ひなた「勇者ー?十徳ナイフとかはねーの?」
魔王、ガン無視。
勇者「あるある!ほらこれ。」
ひなた「おー。これ、便利でいいんだよなー。」
勇者から十徳ナイフを受け取ってまじまじと眺める。
魔王「お、おい…無視はさすがに…少し、寂しいのだが…。」
勇者と楽しそうに十徳ナイフの会話をすると、魔王を振り向く。
ひなた「んで、何だって~?魔王くんや。」
魔王「そう!俺は魔王だ!偉大な!」
ひなた「自己紹介か?今更?」
魔王「自己紹介か…ふむ、それもいいな。
俺は偉大なる魔王。この世に混沌と恐怖をもたらす者だ!!」
ひなた「もたらすのは『ボケ』だろ。」
魔王「そう、そのとおり。俺がもたらすのはボケ。」
ひなた「でもさっきお前、俺にツッコんでたよな?
ボケからツッコミに転職希望か?」
魔王「本来はボケオンリーなのだが、
たまにはツッコミもしてみたかっただけだ。
フフッ、我はこやつらと違って万能なのでな。」
ひなた「そか。」
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