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ある日、僕は全知全能になった。  作者: 暁月ライト


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全知全能と力こその

 白黒のデカい豹を倒したレプリ達だったが、その戦いの気配を嗅ぎ付けてか、新たな魔物達がやって来ているのが分かった。


「魔力の気配で気付かれたか、血の匂いを嗅ぎつけて来たか……ま、どっちでも良いよね」


 襲いに来るって言うなら、是非も無い。もっと沢山のデータを取らせて貰うだけのことだ。僕も、少しは魔物を倒すことに慣れて来た。ゴーレムにやってもらうだけなら、特に平気だ。


「ほら、頑張れ~。襲って来る魔物は倒して良いからねー」


 僕は言いながらその場に石の椅子を魔術で作り上げて、そこに座りながら戦局全体をブレインに接続することで俯瞰した。


 レプリ達は三分の一程度を常に自己複製に回せるようにしつつ、戦闘中の個体であっても相手から吸収した魔力を元に自己複製を行っている。


「お、やってるやってる」


 そして、数に余裕が出て来たからか……若しくは、手強い相手を見つけたからか、レプリ達の十二体が融合し、一つの個体と化した。通常のレプリの三倍程度のサイズを持ち、コアは当然十二個も内包している……戦闘用に特化した融合体のレプリだ。


「まぁ、割と……って感じだね」


 この融合体の名前は、一応パワーとしている。力も強く、耐久力も向上している。処理速度も速く、他の個体よりも反応が良い。ただ、別にそのくらいのものである。元のレプリの五倍くらい強いか強くないかって程度である。勿論、元の姿のレプリじゃ太刀打ち出来ないような相手とも戦えたり、逆にゴブリンくらいの敵を相手にするなら無双できる程の性能は持っているが……逆に言えば、その程度だ。


「魔力の効率も良く無いし、そもそも普通にやるなら十二体のレプリをそれぞれ動かさせた方が強いしね」


 必要に駆られて出す必要はある融合形態ではあるけど、常にこれを使うメリットというのは……そんなに無い。そもそも、魔力効率的にこの姿を維持し続けることは難しい。他の元から性能の高いゴーレムとは違って、これは複数のゴーレムを無理やり纏めて出力をゴリ押しで向上させてる感じなのだ。魔力の効率性も最適化されていないので、燃費は残念ながらクソ悪いことになっている。

 ブレインがパワーよりも考えて設計してあるというのもあるが、普通にパワーの方がゴリゴリ戦闘して消費も激しいし、全く動かないブレインと比べてパワーは自己を維持する能力にかなり欠けているのである。


「まぁ、そこら辺は課題だよね」


 どうやって、このレプリ達を使って戦闘における上位個体を作り出すのか。数の暴力は圧倒的だが、個の質を極めるという技術はまだ僕に足りていないんだろう。


「……でも、強いのは間違いなく強いね」


 大きな騒乱の気配に寄って来たのか、どんどんと増える魔物達であったが、それらをレプリ達は容易に相手取り、その数を減らすどころか寧ろ加速度的に増やしながら魔物達を倒していく。危なげないどころか、どんどんと有利を増している状況である。


「うーん……思ったよりも、ヤバいかもなぁ」


 レプリ、特にこの異世界では恐ろしい存在かも知れない。地球での運用の方が、恐らくはよっぽど健全なものになりそうだ。地球での戦闘だと、相手の魔力を吸ったり、周辺のエネルギーを得て、偶に自分を増やすくらいの性能に収まりそうだしね。地球と比べるとそこら中に魔力が溢れている異世界という環境だからこその、この凶悪さだと言えるだろう。うん。


「異世界だと……アシラ達には見せない方が良いかもね」


 とは言っても、今のところは図抜けて強い個体が襲ってきている訳ではない。今は雑魚を相手にし続けているから最強というか最凶に見えるけど、あのブランブルベアをも大きく超えるような、それこそ魔族級の相手であれば……レプリと言えど、勝利を手にすることが出来るかは分からない。


「……結局、決定打は無いんだよなぁ」


 特にしぶとい相手であれば、もしかすれば勝負が付くよりもこの星を覆い尽くしてしまう方が早いくらいの可能性がある。パワーも、というかブレインもそうなのだが、今のところは殆ど決まった数でしか融合出来ない。融合におけるバランスをレプリの側で判断して、自分で最適化するようなシステムを組むことが出来れば、そこら辺も解決するんだろうけど……それこそ、ラクリオやスイ、ソラ達の知恵を借りる必要がありそうだ。でも、ちょっと性能というか設計思想的にドン引きされそうな感じがして怖いんだよねぇ。スイとか特に、自然の均衡を壊す存在として嫌いそうな気がする。


「一応、環境には優しいシステムも搭載してるんだけどね」


 戦闘終了後に核もボディも魔力も大地に還せるように、機能終了プログラムも仕込んであるのだ。そう、つまりはエコである。


「……まぁ、見てるとエコのエの字も感じないんだけどさ」


 どちらかというと、常に自らを複製しながら全てを蹂躙していく様は悍ましさすら感じる始末である。うん、これはスイ達には見せられないなぁ……ははは。

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