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「きっとあれには伝わると思いますよ。眼の前でその気持を伝えて見るのはどうでしょう?」
「……うむ、そうじゃの」
ミレナパウスさんはこっちはあの魚の言葉をわかる事はないが、向こうはちゃんとわかってるってことを言いたいみたい。確かに動物ってなんとなくでも、こっちの気持ちや意図を汲み取る事ができる。なにかの波長を感じ取ってるのか? それとも本当に言葉を理解してるのか? それはわかんない。でもあの神秘的な? 白い魚ならそれができそうではある。
これまでは呪いが全身を覆ってたこともあって、あれ事態があんまり人魚やその街と関わろうとしてなかったみたいだけど、それもなくなった今は、あの白い魚もきっと向き合える。そんな感じかな?
というわけで早速だけど、人魚の女王様はそのきれいな尾を動かして泳いでいく。そしてこのでっかい扉の周りをゆっくりと周ってた白い魚の前へと立つ。
「我らはと共に……いや、我らのことを見守っていただきたい! どんな姿であろうと、我々はあなたを信仰しておる。だから……」
そういった人魚の女王様。でも……やっぱり何も感覚的なつながりって奴はないのか、白い魚は一回止まってたけど、人魚の女王様が覚悟を持ってその言葉を紡い出たときにはもう動き出してた。そして何も言わずにすっとその横を通り抜ける。
ぐっとその手を握りしめる人魚の女王様。通じなかったことが……いや届かなかったことが悔しいんだろう。自分たちは信仰までしてる相手だからね。そんな相手に無視されるってのはね。別に感謝されたい訳では無いだろうけど、それでも無視ってのは心に来るものがあるんだろう。
「まって、待ってくださいじゃ!」
でも人魚の女王様は諦めない。その尾で水を蹴って、その白い魚の横につく。そしてたくさんの言葉をかける。これまでの心情とか言い伝えとか、なんかそんなのを色々と話してる。でもそんなのでは白い魚の気持ちに届く事はない……みたい。さっきまでと同じように優雅に泳いでるだけだからね。一瞥さえも人魚の女王様にはくれてないようにみえる。




