303
私が調整を改めてしたら嫌な音を立ててた扉の音は収まった。そして再び小気味良くガタンゴトンと鳴り出す。すると最初は白い光で黒い扉に浮かんでた陣の色が変わる。
それは血のように赤い色……とは言わない。流石にそこまで真っ赤じゃない。光だからね。もっと綺麗ではある。でもこれは血を意識して赤く光ってるのかな?
人魚の女王様を子孫かなにかだと判断したんだろう。何を読み取ってるのかはしらないが、表面に浮かんでる術式がどんどんと変わっていく。すると……
「むむ……出力が絞られて来たね」
今でもユグドラシルドライブにはあの黒い扉から溢れ出てたエネルギーが流れてたわけだけど、ここでその出力が絞られてきたのを感じた。
それは私の気の所為……とかじゃなく、はっきりと数値でもでてる。今までは例えるならそれこそ蛇口を思いっきりあけた状態だったといえる。
久々に蛇口をひねっちゃたら、そこで固定されて戻せなくなったかのような状態だった。だからただただ最高速でエネルギーが吹き出てた。でも……まあ当然だけど普通は調節できるよね。
その為の弁がようやくまともに機能してきたのかもしれない。
「これは戻した方がいいかもね」
もしかしたらあの扉は周囲の状況も図ってる可能性はある。エネルギーがどれだけ水に溶けてるのか……とかさ。てかどうやら人魚の女王様だって泉の街の周囲の水をエネルギー豊富にしたそうだし?
それにはちゃんとエネルギーを向こうに流す必要がある。そしてそれが行き過ぎないようにするには当然だけど周囲の濃度を測る機能は必要な訳で、あの扉にはその機能があると思われる。
こままG-01の所にエネルギーを転送してたらいつまで経ってエネルギー濃度が上がらないってなる。そうなるとさらにエネルギーを放出してってことになっておかしな反応を検出させることになってしまう。
そうなると困るし、さっさと転送はやめるべきだろう。って事で私はG-01に流してたエネルギーを泉の方に返すことにした。ちょっとだけ……そうちょっとだけ名残惜しかったけど、まあこれまでの分でもそこそこの量は確保できた。
めっけもんだと思っておこう。




