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「えっと……それであのお方……なのか?」
人魚の女王様がリファーちゃんの手に自分の手を重ねて抑えつつ、その綺麗な? 透明度が高い魚類のような何かを見つめながら問うた。するとミレナパウスさんは少し考えるような素振りをする。
「あのお方」――とか人魚の女王様が言ったからどいつの事を指してるのかわかんないのかもしれない。だって私たち……というかミレナパウスさんとリファーちゃんにとってはあの黒いなにか? はあのお方とかいうほどの存在ではないからね。どっちかというと敵である。それ以外の印象はないだろう。
得体のしれない敵……それが二人の印象。けど状況を考えたんだろう。ミレナパウスさんはピコンと思いついたように人魚の女王様を見てこくりとうなづいた。水中だからね。
チャンネルは人魚の女王様とはつながってないし。だから動作で伝えた。そしてそれは正しくつたわったみたいだ。
「やはり……じゃがこの姿。呪いを解いたのか?」
呪い? あの黒い靄のような、墨のようなので体を見えなくてしてたのはデフォルトの姿じゃなく、なんか呪われてたって事? それは初耳である。だってそういう生物かと……
「?」
でもミレナパウスさんは頭をコテンと傾ける。どうやらそこらへんはミレナパウスさんも自覚がなかったようだ。普通に戦う中でなんかこうなっちゃった? みたいな。何か心当たりがあるのかないのか? そんなことを思ってると、意識の外にあった男人魚が動いてた。
アジュージャーによってかなり減ってたし、残ってた男人魚も限界がどうやら近づいてる個体も多いみたいな男人魚達。奴らはもともとあの黒い状態だった時にエネルギーを押し付けるために生み出された存在だ。だから寿命とか考えられてるわけない。そのエネルギーのはけ口だっただけ。
そしてその身に宿ってる意識は植え付けられたただ一つの本能だけ。崩壊する体を止めるために、別の存在のエネルギーを求めるということだけ。まあそれではなんの解決しないんだけど……そんなことを男人魚たちはわかってなんてない。だからかなうはずもないのに、奴らはまだ戦おうしてくる。意味なんて……ないのにだ。




