276
水中に溶けたエネルギー濃度、それが徐々に下がっていってるから、そのうち、きっとリファーちゃんもミレナパウスさんも大規模な魔法を使えるようになると思う。でもそれをするまでもないってのは、二人とも充分に大量の男人魚と互角以上に渡り合ってたし……
「いや、違うね」
互角以上なんて言ったら、まるでそこそこいい勝負が出来る相手同士で戦ってるみたいな? そんな印象がよぎるんではないだろうか? だから違うなっておもった。互角以上なんて言い方では二人と男人魚達の戦力差ではふさわしくない。
もっと的確にいうならば、圧倒的……相手になってない。それが正しい。屈強な男人魚人魚たちが女性らしい体格の二人に圧倒されてるってのも端からみてると変な感じだけどね。
これが魔法とかで撃ち落とされまくってる――のならまだ納得できるだろう。なにせそれなら体格差なんてものは関係ないからね。でも今はそうじゃない。二人ともバリバリ肉弾戦をしてる。近寄って切る。押し寄せてる奴らを切るっていうね。
そこに今、アジュージャーと黒いなにかも参戦した。それでもリファーちゃんとミレナパウスさんの優位性は変わらない。どうやらアジュージャーも黒い何かも二人の異様な強さってやつがわかってきたようだ。
慎重? になってる。さっきまでバカスカとアジュージャーはリファーちゃんに体当たりを噛ましてた。でも今はそれは流石に控えてる。それはきっと人魚の女王様が彼女の足になったことも多大に影響してるとは思う。
そうじゃなかった時は、それこそアジュージャーの巨体が水の中を泳ぐだけで、小さな……そして泳ぎがあまり得意ではないリファーちゃんには影響があった。水流でくるくるってなるようなね。
でも今やそれは期待できない。人魚の女王様がリファーちゃんの足になることによって、彼女は水中でも自由自在に動けるようになったからだ。そうなると無闇やたらに突っ込むのは逆にカウンターの機会増やすだけってきづいたみたい。
アジュージャーはあの黒い何かとは違ってもっと知能が低いのかと思ってたけど、どうやらちゃんと考えること事態はできるみたい。それにリファーちゃんが両手に纏ってる力は時空間の力。
アジュージャーは流石にそこまではわかんないと思うけど、あの力がやべーってのはきっと本能で察してるんだろう。あれに触れたら最後、どんな硬質な物質だって、どれだけのエネルギーを内包してたって、そんなのは関係なくその場所の空間を問答無用でぶった切ってくるからね。
でもどうやら男人魚たちはそこら辺わかってない。散々食らってるだろうにね。でもその時、近くの男人魚をバクっとアジュージャーが食った。そして次々とアジュージャーは男人魚を食べてる。
「んんっん!?」
リファーちゃんは「何事!?」――って言ってます。




