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「なんて無茶をっ……て今更ですね」
驚いてた人魚の女王様だけど、ちょっとは慣れてきたのか、背中側からリファーちゃんの方に乗せてただけの腕をしっかりとリファーちゃんの首元で締めて固定力を増してこういった。
「攻撃に専念なさい」
「ん!」
短い一言でそんな返事を返したリファーちゃん。どうやら二人はとても仲がよくなった? みたい。そして移動は人魚の女王様の大きな下半身に任せる。その長い尾が力強く水を蹴る。いや、かき分ける? きっと一度に掻き分けられる水の量が違うんだろう。先端のヒラヒラとしてるヒレだってただのきれいなだけの飾りじゃない。それは手のひらとか足なんかよりもより多く周囲の水を巻き込んで推進力を得ることが出来るし、その流麗なフォルムは人間の身体よりも遥かに水の抵抗をいなしてくれる。
それによってどこかぎこちなく泳いでたリファーちゃんの動きは劇的に変わった。どうやら水へと溶けるエネルギーが止まったことで、人魚の女王様も調子を少しは取り戻してるようだ。
「もしかして」
私は水面のドローンたちに水面近くのエネルギー濃度を測ってもらう。すると……
「やっぱり」
どうやら一度水と混じり合ったエネルギーもいつまでもその状態でいられるわけじゃないみたいだね。そもそもが水とエネルギーはそこまで相性がいいとはいえないみたい。だからより流れやすい場所にエネルギーは向かうみたい。
そうそれが、地上……空気の方だ。空気といってもこの世界の空気は成分的には違う。まあけどそれは違う世界ではよくあることだ。空気……と一言で言ったって目に見えない不可視のものは色々と世界によって違うものだよね。
もしかしたらこの世界のエネルギーは水のほうが相性いいとかあったかもしれないが、どうやらそうじゃなかったみたい。より流れやすい空中に水から分離して空気中に徐々に放出されてるようだ。でももちろん、あの扉からドバっと出てるわけじゃないから、地上に与える影響もほぼないってレベル。そもそもゆっくりでもあるから、風とかで先に流れ出てるエネルギーは拡散されて行くだろうし、水の中のようにその狭い範囲に過剰に留まるって事はありえない。
ならば空気中に放出されるのはかなりいいことである。それに……だ。
「徐々に水の中の濃度が低くなってるって事は、リファーちゃんたちへの影響だって徐々に小さくなって行くはずだよね」
そうなると、二人とももっと大きな、それこそ大規模な攻撃が出来るようになる。そうなるともうこっちの勝ち確定といっていい。まあ……
「それを待つ必要はないかもだけど……」
私は水中戦の様子を見つつ、そうつぶやく。




