271
リファーちゃんは人魚の女王様をその背に背負ってるんだから、もっと大人しくしたほうがいい。そんな事を思うが、リファーちゃんは元気に動きまくってる。動き的には水中だからどうしても一歩……いやもっと男人魚に遅れを取ってしまう。
でもあんまり問題はなさそうである。なにせ男人魚の方が向かってくるからね。逃げ出せば追いかけてなんていかないのに……いや追いかけたとしてもリファーちゃんもミレナパウスさんも追いつけないのに……それでも彼等に逃げる……なんて選択肢はないようだ。
まあただあの黒い何かにそのエネルギーの逃げ場所として作られただけの存在だからね。ただ戦う以外の事を何もインプットされてないんだろう。だからただその場にいるリファーちゃんとミレナパウスさんに襲いかかってる。きっと……
「眼の前の存在に襲い掛かれ」
――って命令しかコイツラの中にはないのだ。哀れだとも、可哀想だとも思う。だってそのエネルギーだけでみたらそこらの生命を凌駕してるからね。この男人魚たちがミレナパウスさんやリファーちゃんじゃなく、別の……それこそこの数で泉の街を襲ったらどうなるか?
きっとろくな抵抗も出来ずに落ちる。それだけの力があの男人魚の一体一体にはある。リファーちゃんは達は一応あの泉の街の兵士たちとも戦闘経験がある。ほとんど逃げてただけだったけど、それでも力の差って奴はわかる。内包してるエネルギー……それが歴然とした差となってるとわかってるからだ。
結局、この男人魚たちを放置はできない。ならば全部倒し尽くす他ない。でも……その数は多い。なにせあの黒い何かがボンボンと生んでたからだ。本当にこんな時に広範囲を一気に攻撃できないのがもどかしくなってるリファーちゃんだ。
ミレナパウスさんは冷静に状況を分析してる。静かに構えをとり、地上とは違うだろうに、自身が学んできた動きを水中でも出来るように応用してる。男人魚たちにはほぼ技術なんてのは存在してない。
まあ奴らには頭はあっても脳みそはないしね。ただその内包されたエネルギーでゴリ押しする……それが奴らの戦法だ。てかそれしかない。そんな奴らの動きを受け流し、交差際にその剣で撫でるように光の剣を置く。
するとあら不思議、簡単に奴らの体は切断されてる。男人魚達はその拳の衝撃を面として広い範囲に影響を与える事ができるけど、それさえも「ふー」と一構えをとったミレナパウスさんは一刀に伏す。




