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「やめ!? やめてくださいなのじゃ!!」


 そんな風に人魚の女王様が穴に食らいついてる黒いなにかに向かって泳いでいく。そのスピードは凄くて、滑らかで素早く、ミレナパウスさんやリファーちゃんの隙間をスイッと通り過ぎてあっというまに黒いなにかの元までいった。


「お願いですじゃ! そんなことをしても――うぐっ……」


 急に女王様は胸を押さえて下に落ちだした。それをミレナパウスさんが支える。外の水で満たされてしまったこの場所では声を出す事はできない。息は出来てるんだけど、地上のように動く事もできなくなったし、、動きづらいというのが本音だろう。

 

「申し訳ない……あの力に浴びすぎたようじゃ」


 大きな扉、その扉の中央にあいた穴からこの世界のエネルギーが吹き出してる。そしてそれを黒い何かは食ってるわけだけど、端から漏れ出てるのもある。近づいた事でそのエネルギーが濃く水に溶け込んでる部分に女王様はいってそれが原因で具合が悪くなったんだろう。

 え? この世界の力なのになぜ? って思うかもしれないね。でもどんなにその世界の力とか成分? とかであっても、適量って物はある。いくら取り込んでも大丈夫なやつもいるかも知れないが、そっちが特殊だからね。

 空気だってそうだ。空気と一言でいってるが、その中身が全部酸素なわけじゃない。寧ろそうであったなら生物は生きていけないのだ。酸素に人体には必要不可欠な物ではある。それは確か。でも、多すぎると逆に酸素だって毒になる。つまりはそういうことだよね。

 確かにこの世界の純粋なエネルギーである穴からでてる力。それを受け取れればめっちゃ強大な力が手に入る!! と思うかもしれないが、そんな単純なものじゃない。実際あまりにも濃い濃度のエネルギーに触れたことで女王様は体調を崩してる。

 でもそれじゃあ、あの黒い何かはいいのか? ってことになるよね。でも多分あいつはデカいからね。人間サイズの人魚の女王様とは受け入れられる総量がきっと桁違いに多いだろう。でもだからって流石のあの黒いなにかでも永遠にエネルギーを受け入れられるって事はないと思う。どんなものにだって限界って奴はあるからね。

 でもそれを考えるとあの黒いなにかの行動って……ある意味でこの泉の住人たちを救ってないか?


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