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「とりあえず開きます」


 ミレナパウスさんは周囲のズガーンズガーン! ――という音を無視して扉の開閉をしてたようだ。


「ぬえ!? もうか?」


 なんか威厳があった人魚の女王様は、その威厳がどんどん薄くなってる気がする。いや、彼女のせいじゃないけどね。きっと彼女の常識とはかけ離れたことをミレナパウスさんとリファーちゃんが次々とやるからそのリアクションがね……彼女の威厳を削ってるのだ。こればっかり仕方ないね。


 扉がゴゴゴゴゴゴゴ――とさらに大きく揺れて、中心の人魚の紋章の部分からガゴン……という音とともに中に引っ込んでいく。あれ? そういう風に開くんだって思った。いや、それだとこの扉の大部分が必要じゃないような? 確かにでっかい扉だから、その一部分だけでも、人魚サイズの女王様やミレナパウスさんたちをが通るのは問題ないだろう。

 でもさ……巨大な扉なのに、そのほとんどが意味がないような……さ。まあ技術がないと大きく作るのが楽なのは常識だ。つまりはこの扉が作られた当時はこの大きさで作るのが限界だったんだろう。それは仕方ないことだよね。


 私はドローンたちを使ってミレナパウスさんが扉を開いてる間に湖にある横穴を発見してた。でもそこはどうやら問題があるようだ。それはあの巨大な魚……ミレナパウスさんたちを襲った『アジュージャー』とかいうあの魚の縄張りのようなのだ。だから侵入したドローンたちはすべからく食べられてしまったよ。まるで番人のようだね。でもアジュージャーがここにいるということは……だ。

 あのアジュージャーよりもやばそうな黒い何かを出してた正体不明の存在……それはこの先にいて……つまりは今、扉のある場所を攻撃してるのはそいつではないのか? その可能性高いよね? だってあんな奴が普段から近くにいたら……ね。泉の街の民たちもびくびくだろう。でもきっとそんな簡単に姿を見せるような奴ではないと思われる。それはなぜか……それは別の空間にいるからなら納得できる。じゃあどうしてミレナパウスさんやリファーちゃんの前に現れたのか? だけど、それはきっとアジュージャーとそいつとの関係によるよね。

 あの黒い奴がいる場所に行かないようにしてるのがこのアジュージャーだとするなら、そのアジュージャーが倒されたから、「家のもんになにやっとんじゃあああ!」――だったのかもしれない。きっとあの黒い奴とアジュージャーにはかかわりがある。

 それは間違いないと思うんだ。けどこのままでは外からの侵入は難しそうだね。さすがに標準型のドローンではアジュージャーを突破することが難しいぞ。無駄に数を増やして押し切るか? 大半はダメになるだろうけど、少しなら突破できるかもしれない。

 でも……ね。それをやるとなると、今この世界に展開してるドローンを全部集めるくらいでないと難しい気がする。そこまでする必要ある? リファーちゃん達は心配だけど、彼女たちだって弱くはない。自分たちでどうにかできる力は十分にある。

 なら……無理にアジュージャーを刺激しないほうがいいかも? 一応地上から穴開ける方の攻略は続行しつつ様子を見るかな? 


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