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旦那様が自由奔放で浮気ばっかりするのでざまぁし続けたらなんか可愛くなってきました  作者: 蒼井星空


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第10話 はぁ?魔道具職人になる?媚薬や惚れ薬を作ったら処刑しますわよ?②

『どうやらその魔道具の効果が問題だったようでして……』


 通信の魔道具の向こう側で学術都市にいる親戚のザランは困り果てたような声音で説明をしてくれました。


 旦那様が適当に組んだ魔法機構はなんと動作するものでした。それだけでもおかしいのに、その効果はなんと使用した場合に対象として選んだ人間の意識を好意的に自分に向けるというもの。


 なんだそれは、と言いたいのですが、どうやら事実のようです。


 最初に動作させた研究者は発動したもののイマイチ効果がわからなかったようです。しかし、次にザランの研究室のものが集まって使用したところ、なぜか突然発動者のことが好きになったらしい。


 ただ、その効果はそこまで強いものではなく、チームの結束を高めるとか、諍いが減るとか、その程度のものらしい。そこまでなら世紀の大発明だ。なにせどんなメンバーでチームを組んだとしても、リーダーがその魔道具さえ使えば、最初から友好的な雰囲気で仕事に取り掛かることができる。


 実際、その時点ではみながエラルドを称賛し、すぐに学術都市に新魔道具開発の報告をしようとした。


 が、問題があった。


 この研究者たちの実験にエラルドは全く関わっていなかったらしい。彼は新魔道具となる機構を構築した途端に眠り出してしまい、ずっとベッドの上だった。研究者たちは新魔道具開発の興奮で忘れていたらしい。


 しかし、学術都市に新魔道具開発の報告をするにあたっては、本人の自署で報告書を書かなければならない。


 エラルドが作った魔法機構についてはザラン達によって即座に解析されており、報告書への記載は問題なかった。


 では何が問題になったというと、エラルドが目を覚まさないからだ。いや、具体的には目を覚ましてもしばらく痙攣した後、すぐにまた寝てしまう。



 ザランからの報告を聞きながら、私は嫌な予感がした。



 えっと……、どういうこと?



 一応ザラン達は翌日まで待ったらしい。魔法機構になんらかの不具合であるとか、副作用があってそうなったのかもしれないと考えたらしい。解析の結果そんなものは見当たらないし、実験をした研究者はぴんぴんしてるから問題ないはずだとは思いながら。


 しかし翌日もエラルドの様子は変わらなかった。ようやくおかしいと考えたザランは、学術都市にいる回復魔法に明るい魔導士を尋ねてエラルドを任せた。すると、エラルドは瞼に仕込まれた魔法によって悪夢のようなものを見せられ続けているということが分かった。


 視界共有という珍しい魔法によってエラルドが見ているものを確認したところ、"処刑"という文字に視界が埋め尽くされるに至って、ようやく私がエラルドに卑猥なことをさせないためにさせた契約のことをザランは思い出したらしい。


 彼にはエラルドを任せるときに、抑止力としてこういう契約をさせているから問題ないと話していたのだ。


 しかしなぜ?


 エラルドが作ったのは媚薬でも惚れ薬でもなく、使った相手に好意を持つ魔道具……って、これまずいな。ザランはそう思ったらしい。


 つまり、この魔道具によって女性をひっかけることができる可能性があり、魔法契約であった私との契約が効果を発揮したのではないかと考え、再度エラルドが作った魔法機構を解析したところ、一部修正すれば使用魔力の調節によって好きになる度合いが変えられることがわかったのだった。


「すみません、まさかそんなことになるとは思わず……」


 全部私のせいでしたごめんなさいと謝るのは癪なのですが、ザランには多大な手間をかけたことを詫びます。


『いえ、私も予想外でした。しかし、私がもともと作った魔法を封じる魔道具の魔法機構をあんな風に弄るとあんな効果が発現するなど、予想だにしていませんでした。エラルド様のおかげで新しい発想が次々に浮かんできます。今なお苦しんでいるエラルド様には申し訳ないのですが、本当に感謝しています!』


 えっと、その感謝はほどほどにしてほしいのですが、可能でしょうか?


 そんなことを言われたらきっとエラルドはこれでもかというくらいに増長するでしょう。そして、彼を苦しめる契約を結ばせた私を非難するに違いありません。なんか癪です。


 そもそも説明をほとんど聞いていなかったエラルドの失態のはずなのですから。


 結果を出したのに苦しめ続けるのは本意ではないので魔法契約は解除しましたが、ザランには事情を説明して、エラルドは首にしてもらいました。教えられたことを全く聞かずに適当な仕事をされたら魔力暴走などを起こす可能性もあり、危険だということで。


 自らが生み出したものがどうなったのかを理解していないエラルドは、ぼやきながら帰ってきました。



「ユフィ、帰ったぞ。まったく、酷い目にあったよ」


 知っています……。


「おかえりなさい。今日はあなたの好きな料理を揃えさせましたので、ゆっくりしてくださいね」

「……?」


 なんですかその目は。


 たまには優しくしてあげるくらいのことは私でもしていたでしょう?


 ただきっと、『こいつやっぱり僕と離れていて寂しかったんだな。いつも酷いことばかりする女だけど嫉妬と考えればまぁ仕方ないか。よしここは度量というものを見せてやろう』とか考えていそうなムカつく笑顔で席についておいしそうに食事をして、ワインに舌鼓を打っていたので、眠り薬を盛って眠らせました。

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