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旦那様が自由奔放で浮気ばっかりするのでざまぁし続けたらなんか可愛くなってきました  作者: 蒼井星空


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第9話 はぁ?魔道具職人になる?媚薬や惚れ薬を作ったら処刑しますわよ?①

「僕は魔道具職人になるぞ! たしか君の親戚に高名な研究者がいたな。早速紹介状を書いてくれ!」

「はぁ?」


 前回、効果の怪しい商品をつかまされて散々な目にあったので、それに懲りて商品自体を自分で作ろうと言う魂胆でしょうか?


 そもそも商人になろうとしたのは信用が大事だと思ってそれを集めるためだったはず。結果、掴まされた商品は効果が怪しいもので、幸いにも信用がなくて1つも売れなかったので信用を落とすことはありませんでした。


 ……というか、ただ1つの商品を売るだけの信用すらなかったのですわね、ウケる。


 それを考えれば、しっかり効果があるものを自らの手で作り出す経験というのは得難いものかもしれません。


 作っている間は大人しくなるかも……。


 よし決めました。


 親戚と言うほど普段の付き合いはない相手ですが、北の学術都市にある学校で教鞭をとりながら研究者をしている方に預けることにしましょう。できれば10年くらい時間をかけて監禁……じゃなかった、製作してもらえたら助かります。


 彼は魔法を封じておいていざという時に使える魔封具というものを開発したとかで、国王陛下から表彰を受けています。その魔封具を作れるようになれば大したものです。


 それなら売れるかもしれません。旦那様ごと……。


 今はまだ量産できないようですが、研究の結果、量産できれば当家の商会を通じて販売してほしいと言うお願いも受けていますので、それは当然対応するとして、査察とでも称して旦那様を送り込みましょう。


 また、当家の中で職務を担っていない旦那様が魔封具に興味を示しているので何年かかってもいいから教えてあげて欲しいこと、もし旦那様が作れるようになった際には彼の利益の取り分を増やして差し上げるという契約書も持たせて、私は笑顔で旦那様を送り出しました。


 それからは、あぁ、なんて気楽な日々。


 旦那様が問題を起こすことに戦々恐々としなくていいのです。陛下に表彰されるほどの研究者の支援や量産体制の構築のために学術都市に向かわせたと言えば誰も非難してきません。表立っては。だって、立派なお仕事ですから。


 もちろん成功すると思っているものはいないでしょうが、端から全く期待していないので問題ありません。


 唯一、公爵様が『何を考えている? 学術都市で不倫……しかも見境なく手を出しまくったりしたら、アーゼンベルク公爵家とクルスローデン伯爵家の名誉が地に落ちるぞ!?』などと言われて文句を言って来られましたが、そもそもあれを当家に放出しておいてどの口が言うのでしょうか?


 学術都市のお堅い方々は色恋にうつつをぬかしたりはしないでしょうし、万が一旦那様が媚薬や惚れ薬などを作ったり使ったりした場合には処刑する、そういうようなことをしようとすることにすら抑止力がかかるようにする、という契約書にサインさせて送り出したので、さすがに自由奔放に遊びまわったりはしないでしょう。


 なお、その契約書は旦那様の瞼の裏に魔道具で焼きつけました。彼が違反しそうになると視界に”処刑”の文字が写ります。


 素晴らしい技術です。


 これも学術都市にいる親戚が開発したものです。






『ユフィ様、大変申し訳ございません』

「あら、ザラン、ご機嫌よう」


 私が精神的自由を謳歌していたある日、学術都市にいる親戚であるザランから魔道具による通信が入りました。


 いきなり謝罪から入るということは、きっと旦那様がやらかしたのでしょう。まったく……数日と持ちませんでしたわね。


「何かあったのですか?」

『エラルド様のことです』

「はぁ……」


 やっぱりですわね。仕方のない人ね。


「誰か綺麗な女性に手を出したりしましたでしょうか?」

『それが……どこをどう弄ったのか分かりませんが、新しい魔道具を開発されたようでして……』

「はぁ?」


 どういうことでしょうか?

 旦那様は魔石に魔力を封じ込める機構を作るという作業に入ったという報告は貰っていました。


 さすがにあんなのでも王都の学院を卒業しているだけあって、基礎的な魔法の知識は持っていたようです。


 そのため、いくつかの予定を飛ばしてさっそく魔道具に関わる仕事を始めたまでは良かったらしい。


 問題はそこからで、旦那様は説明された機構を一切理解できず、にもかかわらず『わかったわかった』と言って作業を開始され、出来上がったのは全く別の魔道具だったということです。


 普通、機構の設計構築に失敗すればその魔道具は動きません。にもかかわらず、新しい魔道具を作られたということは、それは動作するものだったということです。しかもきっと今までにない魔道具ということです。


 才能でもあったのでしょうか?


 だったら学術都市への永久滞在を申請しますが……。



「それで何を謝ることがあるのですか?」

『どうやらその魔道具の効果が問題だったようでして……』

「効果?」


 新しいものであれば、たとえどんな効果でも研究の対象となり、利用可能性があれば褒賞されることでしょう。さらに、大量生産できるなら、商売になるでしょう。


 しかし、問題のある効果とはいったい旦那様は何を開発したのでしょうか?

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